矯正治療の前準備-6 | 矯正歯科コラム

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6.X線診査

矯正診断にかかせないのがX線による診査です。矯正治療は1歯2歯の改善にとどまらずに全顎について行う必要があるため、X線診査も顎骨を含めて全歯について行わなくてはなりません。

1)口腔内のX線写真

すべての初診患者について、歯列弓にあわせて全顎のデンタルX線写真とパノラマX線写真を撮影します。さらに必要に応じてオクルーザルX線写真などを追加撮影することもあります。

(1)デンタルX線写真(図15-7)

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歯列弓の大きさによって撮影する枚数は変わりますが、どのような場合でも全顎について行う必要があります。一般には、乳歯列弓6枚、混合歯列弓10枚、永久歯列弓14枚の撮影を行います。

観察の要点

1)歯数の過不足(過剰歯、欠知歯の有無)
2)混合歯列弓期の交換の様相
後継永久歯の萌出状況と歯根の形成状態、乳歯歯根の吸収状態など
3)末萌出歯の埋伏状態(方向や位置)
4)歯根の形態、吸収像の有無
5)硬組織疾患の既往歴、処置の判読
6)歯槽骨の状態
吸収像の有無、緻密性
7)歯根膜腔の肥厚状態、アンキロージスの有無

(2)パノラマX線写真

この写真には,パソトモ型とパノレックス型の2種類があります。両者とも撮影は口外法であり、パソトモ型(図15-8)は原理的に断層撮影のため像はやや不鮮明なところがあります。パノレックス型は、左右2枚の写真を中央で合わせてあるので前歯部がやや不明瞭です。しかし、上下顎のすべての歯、歯槽骨、顎骨の形状、さらには上顎洞、鼻腔、顎関節の状態までも1枚のフィルム上で診査観察できるという大きな利点がり、過剰歯、欠如歯、埋伏歯の有無、第3大臼歯の存在、あるいは混合歯列弓期における後継永久歯の位置確認にはとても便利です。

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(3)オクルーザルX線写真(図15-9)

前歯から臼歯にいたる片顎の歯、歯列弓を1枚のフィルム上に撮影したもので、過剰歯や埋伏歯の位置付け、口蓋裂患者、急速拡大法にて治療する場合などには非常に便利であり、かかせないX線写真です。

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2)頭部X線規格写真(Roentogenographic cephalogram)

頭部X線規格写真とは、幾何学的に一定の条件のもとで撮影された頭部のX線写真のことです(図15-10)。このX線写真をもとにして、症例の頭蓋、顎顔面の骨組織の形態学的実体と歯との関係を把握するために、一定の基準に従って計測し、種々の分析を行います。

診査の要点は,つぎの9点です。

1)脳頭蓋の形態
2)頭蓋底部を基準として顎骨の位置関係
3)頭蓋底部を基準として歯の位置および傾斜
4)上下顎骨の形態および相互関係
5)顎骨を基準として歯の位置および傾斜
6)上下歯の相互関係
7)顎顔面の軟組織および口唇の形態
8)鼻咽腔の疾患および気道の狭窄状態
9)顎骨と舌骨および脊柱との位置的関係

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2015年1月19日



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