矯正治療の前準備-7 | 矯正歯科コラム

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6.X線診査

3)その他のX線写真

口腔内のX縮写真と頭部X線規格写真のほかに、症例に応じてより精密な診査をするためにつぎのようなX縮写真を撮影することがあります。

(1)顎関節のX線写真

顎関節癒着症(ankylosis)、顎のhyperplasiaやhypoPlasia、その他の顎関節症の場合は、パルマ法やシュラー氏法などにより顎関節のX線写真を撮影し、その形態、安定位置、動きなどを把握します。

(2)断層X線写真

埋伏歯などの位置や方向の確認、顎関節の形態を精密に検査したい場合に撮影します。像はやや不鮮明ですが、前歯部にある過剰塊状歯が唇側に存在するのか舌側に存在するのか不明な場合などには有効です。

(3)手根骨のX線写真(図15-11)

個体の生理的な成長発育を調べる一つの有効な手段は、骨の形成状態を調べることです。最も一般的なのは、手根骨(wrist bone)のX線写真によって、骨核の出現、大きさ、形態を調べる方法です。

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拇指尺側種子骨(通常sesamoid bone と呼ぶ)は、Bjorkによれば全身的な成長のスパートより約1年早く出現するといわれます。また、基準平均値と比較検討して症例の骨年齢(骨成熟年齢)を知り、下顎骨が長管骨と同等の発育をするといわれているので下顎骨の形成状態と今後の発育量を予測します。

(4)その他

下顎骨や舌の動きを知るためのX線16mm映画など。

〔付〕ブラッシング(tooth brushing)指導

矯正治療を行うにあたっての前準備の段階で、とくにbrushingについては、術者は患者
および保護者にその知識を十分に伝え、正しく指導することが必要です(図15-12)。
brushingの目的は、歯ブラシおよび歯みがき剤で歯の表面を清掃し、食物残渣や世話を除去し、かつ歯肉にも適度の機械的刺激を加えて両者を健全に保つことですが、矯正患者に対しては次のような事項を考慮に入れて最も好ましいbrushing法を工夫しましょう。

1)歯列の不正配列の状態を十分に観察すること。

2)混合歯列期の矯正処置が多いため乳歯の環境に注意すること。

3)永久歯についても萌出直後のもの、または数年経過していても未だエナメル質が多
孔性であるためう蝕に陥りやすいことに注意すること。

4)矯正装置を使用することになるが、固定式の装置の場合複雑になるので、とくに舌側や口蓋側に装置されるものにはブラシの形態をよく選び、場合によっては多少改良を加えることも必要であり、可撒式の装置を使用しているものでも長期使用のものはクラスプの接触部位などに注意すること。

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歯垢染色によって、磨き残しの生じやすい場所や、左側は磨けているが右側は磨けていないなど、歯磨きのときの癖が鮮明にわかります。

また、どの程度みがけばほぼ歯垢が取れるのかの目安にもなります。

歯垢染色を何度か行うことで、歯垢が取れ安い磨き方が経験としてわかってきますので、自分でしっかりわかるまで、何度でも行ってください。

2015年1月21日



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