矯正治療に必要な器具および材料-5 | 矯正歯科コラム

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矯正治療に必要な器具および材料-5

1.矯正用器具(Orthodontic pliers and instruments)

2.線屈曲のための鉗子類

(1)Young’s pliers

一般的に用いられる線屈曲鉗子である。beakの一端は平担な内面を持っており、他端は頭部1/2が円柱状で太さが3段階に分かれている。それぞれの内面には溝が刻まれている。特徴のある先端部は、とくに補助弾線やAdamsのクラスプのアロー・ヘッド(arrow-head)部などの細かい屈曲に適している。

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(2)Peeso’s pliers

やはり一般的な線屈曲鉗子である。beakはやや細長く、一方は内面が平坦、他方は軽度に凸彎しておりやや短い。あらゆる線の屈曲に応用される。

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(3)斎藤式wire bending pliers

おのおの形の異なった太くて短い嘴状のbeakを持っている。beakの一方がやや細長く形が小さくなっているために、線を把持する位置をずらすことにより、きわめて自由に線を屈曲することができる。

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(4)Tweed arch bending pliers

Beakは扁平かつ同型であり、内面は平面で約1mmの幅を持つ。beak部で線を把持したとき,それぞれの内面は平行になり、ワイヤー全面に均等な力を加えることができる。主としてedgewise法に用いられる。とくに角線の屈曲やトルク(torque)をつける際に欠くことのできないプライヤーである。

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(5)Tweed loop bending pliers

Beakの一方の先端1/3は円錐状で3段階に細くなっていて、他方はそれを受け入れるように陥凹している.小さなループとくにオメガループ(omega-loop)を屈曲するのに便利にできている。

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(6)Bird beak pliers

Beakは小型で、円錐型(cone型)と四角錐型(pyramid型)とでできている。主にedgewise法における細い線の屈曲や各種ループの形成に適している。

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(7)Nance closing loop pliers

Beakは板状で、幅が4段階になっている。各段階を利用して、一定の大きさと高さを持ったループを形成するのに便利である。

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(8)Jarabak pliers

一方のbeakの頭部は円錐形、体部は角錐形で、内面に3本の溝が刻まれている。他のbeakは内面が平らで1本の溝がある。beak全体は細長く、繊細な形をしていて、おもにlight wire法に使用される。

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(9)Three jaw wire bending pliers

Beakは特殊な形態をしており、一方の先が2つに分かれていて、他方の先がその間にはまり込むようになっている。左右のbeakとも内面は丸くなっておりこれは線を傷つけない様にするためである。head-gearやクラスプなどを急角度に屈曲するのに適しており、その他edgewise bracketにカーブを与えることもできる。

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線屈曲用プライヤー使用時の注意事項

1)そのプライヤーがどのような弾線(その物理的性状とサイズ)をどのよう(方向と度合いなど)に屈曲するのに適しているかを知ることと、使用にあたっては目的にかなった使用法を厳守することが大切です。例をあげると細い弾線を徴妙に屈曲するのに適したbird beak pliersで太い弾線を無理に屈曲した場合、プライヤーの性能を破壊してしまうため注意が必要です。

2)屈曲用プライヤーは特殊の場合を除いては弾線を曲げるためのものではなく、弾線を正しい形で把持するために使用します。直接屈曲するのは左手指であるという基本的な技術を身につけることが大切です。また必要以上に強い力を加えると弾線の理工学的性状を損じることもありますので注意します。

2015年2月26日



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