矯正治療に必要な器具および材料-9 | 矯正歯科コラム

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矯正治療に必要な器具および材料-9

2. 矯正用材料(Orthodonic materials)

1.線 材 料

線材料としての所要性質

1)口腔内で化学的に安定で、変色や腐食をしないこと
2)技工操作時の加熱によっても軟化しないか、熱処理硬化性を有すること
3)作られたものが強固でこわれないこと
4)加工操作がしやすいこと
5)鑞着できること
6)安価であること
このほかに歯や装置に対して永続的に作用するものでなければなりません。

この性状に適する材質としては188ステンレス・スチールおよびCO Cr基合金があげられます。

ステンレス・スチールワイヤーの代表的なものには、市販品としてWilcock社のオーストラリアン・ワイヤーと称されるものがありますが、通常カンガルー・ワイヤーとも呼ばれ操作しやすく、強い弾力を有する特性があります。これはBegg法にとくによく使用されている線材です。

サイズとしては直径0.012、0.014、0.016、0.018、0.022″のものがあります。Co Cr基合金では米国のRocky Mountain社のエルジロイ(elgiloy)が代表的な線材です。これは冷間加工と低温熱処理硬化性とによって高弾性を得るように作られています。この特性を生かすためにとくにJarabak法、edgewise法に多く使用されています。

この線材の熱処理硬化は加工のまま約500°C10分間加熱することが最適ですが、臨床的な便宜法としては加熱して線材が薄茶色程度になったときをメヤスとすれば最良に近い性質が得られます。種類としては冷間加工の程度により、red、green、yellow、blueの4種類に分けられており、次のような用途に分類されています。

1)Red…最も弾性が強く、シャープに曲げることはできないが屈曲の少ないもの、軽いレベリング(leveling)用や双線弧線装置用に適している。

2)Green…Redよりやや弾性が低く、指またはプライヤーで屈曲が可能であるので、ライト・フイヤーを使用するテクニックに適する。

3)Yellow…Greenよりさらに弾性が低く、blueとともにライト・ワイヤー・テクニック、edgewise法などに用いられる。また舌側弧線装置や床矯正装置にも利用できる。

4)Blue…4種類中最も弾性が低く、複雑な屈曲を必要とするものに適している。熱処理前に複雑な線屈曲が容易にでき、熱処理後にも変形のおそれが少ないので弾性率は低く、ステンレス・スチール・フイヤーよりも比較的弱い力を持続的に歯に与えることができる特性を有している。

他に結繁用として直径0.010~0.012″(0.25~0.30mm)の不銹鋼細線,歯間分離用として直径0.016~0.020″(0.4~0.5mm)の真鍮線などがあります。

2015年4月28日



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