矯正治療に必要な器具および材料-20 | 矯正歯科コラム

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矯正治療に必要な器具および材料-20

3. 矯正治療に必要な力学

3)弾性係数(ヤング率)

図16-4でみられるように, 弾性限度内の応力σとひずみεとの比を弾性係数またはヤング率といいます。

EはOAの勾配に相当します。弾性係数はワイヤーの成分組成によって決まり、ワイヤーの特性を特徴づけます。ワイヤー自身の弾性係数は、すでに決まっているので術者が自由に変えることはできません。一般に、金属学的には、コバルトークロム系合金(elgiloyなど)の弾性係数は、ステンレス鋼(resilient wire Australian wireなど)の弾性係数よりもやや大きいことが知られています。

(1)式から、elgiloyのようにEが大きくなると、一定ひずみε当たりの応力σは増大して、矯正力は強くなります。臨床上は、弾性係数の大きいワイヤーでも、ループやコイルスプリング状に形成して,歯に加わる力を弱くしています。

4) 弾性エネルギー

ワイヤーに弾性限度内の荷重を加えてたわみを与えると、ワイヤーの内部にはエネルギーが蓄えられます。このエネルギーを弾性エネルギーまたはレジリエンスといいます。これは、図16-5における△OABで表される三角形の面積に相当します。

図p305-1

2015年7月9日



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