矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)17 | 矯正歯科コラム

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矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)17

[1] 固定式装置(Fixed appliance)

3.双線弧線装置(Twin-wire appliance)

1.双線弧線装置の特徴

歯牙移動においては主線とブラケットを結紮するとワイヤーの弾性力が歯に伝達し、歯冠と歯根とが同時に自動的に移動します。また2本の主線が作りだす弧状形態に歯は自動的に排列され、形態によって多少歯列弓は変化しますが、正常歯列弓と非常に類似しています。

現在、使用頻度の多い全帯環装置の歯牙移動の力と比較してみると、患者には比較的不快感を与えず、また組織に対して為害作用が少ないと言われています。これらの点が緩和な力にもかかわらず、持続的でしかも生理的な歯牙移動を行うことができます。

次に欠点としては歯牙移動にはバンドが必要であり、このことが全帯環装置と同様に審美的な面での欠点であり、齲蝕の問題をおこしやすいといえます。しかしこの矯正装置の最大の欠点は唇舌側弧線装置と同様に、歯牙移動時に傾斜移動をおこしやすく、歯根の移動が伴わない点で、とくに抜歯症例における空隙閉鎖の問題です。

Johnsonが発表したfriction type(図17-36A)、また溝(slot)がエッジを形成しているタイプのものではフラットワイヤーがある程度この問題を解決していますが、現在のわが国で使用されているタイプ(図17-36B)のものではあまり効果がありません。このことが適応症例に限界をつくり、とくに抜歯症例(第1小臼歯の4本抜歯の場合)における犬歯の遠心傾斜、第2小臼歯、第1大臼歯の近心傾斜をおこし、また前歯部の舌側移動時には過蓋咬合をおこし、咬合挙上が実際には十分行えません。さらに排列された歯列の状態が前歯部でフラットな状態をおこし、上顎の中切歯と側切歯の唇面の差、あるいは歯列弓で犬歯部の彎曲の状態を作りだせないのです。

2015年12月10日



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