矯正治療と組織変化 2.歯の移動と組織変化 -8 | 矯正歯科コラム

矯正歯科コラム

2.歯の移動と組織変化

3.歯根吸収(Root resorption)

最近の矯正装置の構造や治療過程の進歩を考えると、矯正装置によってもたらされる副作用については気にする必要はないと思われますが、その中でも気をつけなければならないのは歯根尖が異常をおこすことです。このことはKetchamによって指摘されましたが、MarshalやBecksによって、同じような吸収が矯正治療以外の原因(栄養、内分泌疾患)でも起こり得ることが発見されました。つまり、矯正が必ずしも原因であるとは限らないということです。しかし、強い力をかけて歯牙移動をさせることが大きな原因の一つであることは事実です。

一般に、矯正治療をするにあたって歯の機能と安全性にとって有害であるとみなされるのは、広範な型の歯根吸収です(図13-17)。

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一方、小さな吸収はあまり気に留める必要はありません。これらはすぐに細胞性セメント質によって修復されて歯根膜縁組が新しいセメント質層に取り込まれることで、歯は正常な機能を保ちます(図13-18)。

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根未完成歯に矯正力を作用させた場合には、根尖の薄い象牙質に破折、吸収が認められたという報告と、遂に矯正力を合法的に加えた場合には、歯根完成後よりも歯根形成途上にある歯を移動させた方が望ましいという報告があります。これらのうちのどちらが歯の移動に適しているか、未だ結論は出ていません。また、矯正学的な歯の移動は、歯が根管治療されたということによって影響されません。

 

2014年12月15日



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