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矯正歯科コラム

2.歯の移動と組織変化

1.歯周組織の経時的変化

矯正治療中におこる組織反応の基本的様相を時間の経過を追って考察すると、歯の移動には通則があることがわかります。すなわち矯正力を歯に作用させると、歯は力の作用方向へ移動します。
そのとき作用方向の歯根膜は圧迫され、その部分の歯槽壁は吸収されます。一方、反対側の歯根膜は広くなり、その部分の歯根膜線維は牽引されて歯槽壁に骨新生をきたし、その結果、歯は力の作用方向へ移動していきます。このときの組織変化は次のような段階をたどって進んでいきます。

1)移動方向の歯根膜(圧迫帯歯根膜)の変化
① 貧血帯とモの周辺に充血帯が出現
② 貧血帯組織の退行変性一硝子様変性

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③ 充血帯のあとに破骨細胞、肉芽組織の増殖
④ 破骨細胞、肉芽組織により、歯槽骨の吸収と変性組織の消失
⑤ 肉芽組織中に膠原線維の形成一歯根膜線維
2)移動の反対方向の歯根(牽引帯歯根膜)の変化

① 歯根膜線維の伸展
② 骨芽細胞、セメント細胞、線維芽細胞の増殖
③ 類骨、類セメント質、膠原線維の形成
④ 類骨、類セメソト質に石灰沈着→線維骨、セメント質
⑤ 歯槽壁の改造(部分的な吸収と添加の組み合わせ)

 

2)歯槽骨の変化
1)歯槽骨髄の変化
① 充 血
② 骨髄壁の添加と吸収→歯槽骨髄の改造
2)歯槽骨外側の変化
① 移動方向外側に骨添加
② 移動の反対方向外側に骨吸収
歯のmigrate中に沈着した新しい組織には、石灰化の種々な段階がみられます。すなわち骨様組織(osteoid)、束状骨(bundle bone)および層板骨(lamellated bone)です(図13-5)。

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3)歯肉の変化
① 移動方向の歯肉が盛りあがり、反対方向の歯肉が牽引されます
② 歯肉組織の吸収と増殖による改造。なお、歯肉には図13-6のような線維が含まれています

 

力をかけることによって歯を移動させる際に、歯根膜と歯槽壁とにどのような変化が起こるのか、更に詳しくご説明していきます。

 

2014年12月3日



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