5月 | 2015 | 矯正歯科コラム

矯正歯科コラム

矯正治療に必要な器具および材料-13

2. 矯正用材料(Orthodonic materials)

5.ゴムリング

全帯環装置を応用する装置の普及により、顎間、顎内に各種ゴムリングを使用することが非常に多いです。

所要性質として

1)上下顎間に応力が加えられるほどに弾性が大きなこと

2)歪量の変化が大きく持続的に作用すること

3)弾力を利用する引張り強さが調節によって大小自由に変えられること

4)およそ4~ 5日目ごとに顎間ゴムは交換するものですが、顎間に作用するゴムの強さは2~ 3オンス(50~80g)程度が好ましい

ゴムリングのサイズは臨床上直径1/8″、3/16″、1/14″、5/16″、3/8″、5/8″、3/4″(インチ)で厚薄各種のものが使用されています。

 

6.レジン(Resin)

床矯正装置、アクチバートルの主体に使用します。

所要性質として

1)薄くても破折しないこと

2)口腔内で膨潤、変形などをおこさないこと

3)口腔粘膜に為害性のないこと

4)主線その他の把持力が強いこと

5)成型方法が容易なこと

6)成型による寸法変化のないこと

などが要求されます。。

材質としてはメチルメタアクリレイト(methyl-metha-acrylate)が主に用いられており、加熱重合レジンと常温重合レジンとがあります。加熱重合レジンは加熱する操作が必要ですが、比較的強靱です。これに対して常温重合レジンは成型法が容易であり、寸法変化も少ない利点がありますが、強度においてやや不安があります。しかしこの点については改良研究が行われていてかなり強いものも市販されています。

臨床的には、加熱重合レジンを使用するものはアクチバートルであり、常温重合レジンは無定装置、床矯正装置、保隙装置などに使用されていますが、将来は成型法の容易さと強さからして、常温重合レジンが普及する傾向にあります。

2015年5月26日


矯正治療に必要な器具および材料-12

2. 矯正用材料(Orthodonic materials)

4.頬面管、バッカル・チューブ(Buccal tube)

固定歯のバンドに付着され、主線を維持するためのチューブのことをいいます。鑞着用と電気熔接用の2種類があり、最近はバンドに付着する操作が容易であり強固につけられる電気熔接用が多くなってきました。

鑞着用は内径0.6~1.2mmぐらいまでのround tubeが一般的です。電気熔接用としてはround tubeのものとedgewise buccal tubeに大別されます。

(1)ラウンド・チューブ(Round tube)

用途やサイズはほとんど鑞着用と同じもので,、舌側弧線装置、唇側弧線装置、Begg法、その他ほとんどの弧線を応用する装置に使われています。

(2)エッジワイズ・バッカル・チューブ(Edgewise buccal tube)

管の形は方形をしており、edgewise bracketと同じ大きさのものが使用される。通常0.016×0.020″、0.018×0.025″、0.022×0.028″ などのものがあります。

種類を大別すると

1) Single buccal tube
Standard buccal tube -これには左右側がある
Standard buccal tube with hook -これには左右側がある

2) Double buccal tube

顎外固定装置を使用するためにsingle buccal tubeの切端寄りにフェイス・ボー(face
bow)をそう入する円形の管がついています。その内径は0.045インチと0.051インチのものがあり、これもフックの有無と左右側とに分けられます。

3) DOuble rectangular buccal tube
セクショナル・アーチ・フイヤー(sectional arch wire)などを使用するための同じ形と
大きさの管がついたもの。

4)その他 トリプルチューブ(triple tube)、 ピギーバック・ダブル・チューブ(piggy back double tube)などです。

2015年5月19日


矯正治療に必要な器具および材料-11

2. 矯正用材料(Orthodonic materials)

3.ブラケット(Bracket)

主線を維持するための付加装置で、通常バンドに付着して使われます。

所要性質としては

1)主線維持に対して変形しないような強固な材質であること
2)主線をよく把握し、維持しやすい形であること
3)主線を結紮しやすい形であること
4)バンド材料に電気熔接できること

などです。

材質はやはりNi-Cr合金やステンレス・スチールですが、まれにCO-Cr合金系のかたい鋳造体で造られているものもあります。ブラケットの種類は非常に多く、主線の形状、サイズによっていろいろなものが作られています。

(1)エッジワイズ・ブラケット(Edgewise bracket)

Edgewise法の特徴とする歯体移動,、トーキング(torqing)がより効果的に作用するために角線(rectangular wire)が使用されるので,、これを受け入れる溝(slot)が方形をしているもののことをいいます。

その溝幅は0.016、0.018、0.022″の3種類のものが通常使用されています。

形状からの種類では、前歯用と臼歯用の2つに大別されますが、用途別に分類された名称をあげると、single edgewise bracketとtwin edgewise bracketとに分けられ,、さらにtwin edgewise bracketにはjunior twin bracket、medium twin bracket、wide twin bracket、extrawide twin bracketなどがあります。

(2)チャンネル・ブラケット(Channel bracket)

双線弧線装置にとくに使われるもので、種類は上顎前歯用と下顎前歯用の大小2種類です。
エッジワイズ・ブラケットほど正確に作用しないので歯体移動やトトキング(torquing)などを行うには適しません。

(3)ベッグ・ブラケット(Begg bracket)

種々の補助装置をもったアーチワイヤーを用いることができ、傾斜移動を容易に行えるために、リオン・アーチ・ブラケット(ribbon arch bracket)を改良して作られた幅の狭いものをいいます。

2015年5月12日


矯正治療に必要な器具および材料-10

2. 矯正用材料(Orthodonic materials)

2.帯環材料(Band matenaD

バンドは固定歯、被移動歯に装着され,、歯牙移動用の各種付加装置(attachment)を付着させるもので矯正装置の基盤となるものです。

所要性質としては

1)容易に、かつ精密に歯に適合させやすいこと
2)厚さが薄くても歯間に圧入できるほどの強さが必要であること
3)溶融点が高く、かつ酸化しにくいこと
4)電気熔接や鑢着が可能なこと

などです。

上記の所要性質を満たすものとしてはNi-Cr合金やステンレス・スチールがあり、バンドのすべてがこの2つの材質です。

種類としては長く巻いたロールになっているもの、一定の長さに切ってあるもの、既製バンドになっているものなどがあります。

(1)バンド・マテリアル

板材が圧延されストリップ状に切断されているもので、通常使用されているもののサイズは

前歯用 厚さ 0.003~ 0,004″幅 0.125~0.150″
大小臼歯用 厚さ 0.004~ 0.006″幅 0.150-0.180″

で、これを個々の歯に適合させて、電気熔接することによってバンドとしています。

これらのバンド・マテリアルには単に一定の長さに切断してあるものから、歯に適合しやすいように、あらかじめ豊隆や傾斜などを賦形してあるコントゥアド・ブランクス(contoured Ыanks)などがあります。

(2)既製帯環(Preformed or prefabricated bands)

上下顎の歯の個々について、統計的に計測して製作されたもので、数十の段階的なサイズに作られています。実際の臨床においてはこの中から適宜なサイズのものを選んで使用できるようになっています。

またこのバンドにブラケットがあらかじめ所要の条件でつけられているものもあります。とくに適合のむずかしい上顎側切歯、犬歯などではこれらの既製帯環が使用されることが多くあります。

2015年5月7日



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