8月 | 2015 | 矯正歯科コラム

矯正歯科コラム

矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)2

[1] 固定式装置(Fixed appliance)

1.唇側舌側弧線装置

1.唇側歯槽部弧線装置・釘管装置

1.唇側歯槽部弧線装置(High Lbial arch appliance)

2)維持帯環と維持装置

装置の維持は固定歯として最適であるという理由で、通常第1大臼歯が用いられます。固定歯帯環の頬面歯頸部には頬面管を鑞着し、主線の維持部との連絡によって維持します。頬面管は主線の太さに一致した内径をもつ長さ7~8mmの円管で、固定歯帯環の頬面歯頸部寄りで咬合平面、および側方歯群の頬面と平行な位置に鑞着します。主線には、遊離端を頬面管にそう入したとき脱落を防ぐためのロック・ワイヤー、または結紮、あるいはゴムリングで固定するためのフックを鑞着します(図17-2A,B)。

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これらの頬面管は、左右側が同一平面上に位置するように鑞着される必要があります。すなわち、主線の着脱を容易にすると同時に、主線による固定歯への不必要な加圧を防止しなければならないからです。

3)補助弾線

個々の歯に矯正力を加えて、歯の移動をはかるための弾力線で、目的に応じて適当な太さ、長さ、形態が与えられ、主線に鑞着されます。補助弾線は、主線に比較して0.4~ 0,6mmの細い弾力線を用い、多くの場合、弾力線が直接歯に接触して移動を行います。補助弾線の太さ、および長さは、矯正力の大きさや矯正力の持続時間に関係、形態は、歯の移動方法、移動方向によって異なります。

2015年8月20日


矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)1

[1] 固定式装置(Fixed appliance)

1.唇側舌側弧線装置

1.唇側歯槽部弧線装置・釘管装置

1.唇側歯槽部弧線装置(High Lbial arch appliance)

唇側歯槽部弧線は1918年にLourie, L.S.が最初に考案発表したもので、装置の主要部である主線が口腔前庭唇側歯槽部粘膜上に位置し、これに鑞着された補助弾線によって歯牙移動が行われる装置です。(図17-1)

本装置は、主線・維持装置・補助弾線の3つの部分からなり、それぞれ異なった機能をもっています。

1)主 線

本装置の主要部となるもので、0.8~1.2mmのワイヤーが使用されていますが、通常は0.9mmの直径をもつワイヤーが好んで用いられます。主線は、その大部分が唇側歯槽部の歯肉に接触するかしないかの状態で、歯槽部の彎曲・豊隆に適合した形態で作られます。その両端は、固定歯に近い部分、または第1小臼歯部付近で彎由し、側方歯の歯頸部を走行して維持部に移行します。

したがって、主線はその大部分が歯面に接することがなく、歯肉上を横走する一つの基底線です。主線は、直接歯の移動を行うことはないので、特殊な場合を除いて弾力は必要としません。ただ、補助弾線の調節によって歪んだり、咀嚼圧などで変形しないような強さを必要とします。

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2015年8月13日


矯正治療に必要な器具および材料-24

3.ゴムリングの力学

ゴムリングのような高分子材料とワイヤーを比較すると、図16-14のようになります。ゴムリングでは、一定荷重当たりのたわみが極端に大きく、また、弾性限度までのたわみが非常に大きいので、弾性の領域が極めて広いという特徴があります。そこで、ゴムの内部に蓄えられる弾性エネルギーは当然大きく、このような理由により、ゴムリングはよく伸び、十分な弾力性を有した高弾性の特性を備えているといえます。

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また、ワイヤーでは、たわみが少し減ると荷重量が大きく減少しますが、ゴムリングではワイヤーと比べると荷重の低下が少なくなっています。したがって、歯が移動しても比較的一定の矯正力を作用させることができます。

しかしながら、ゴムの望ましくない性質として、ゴムを伸ばして行っていひずみを与えておくと、時間の経過に従い応力が減少して、矯正力が低下する現象、すなわち応力緩和が起こります。しかも、弾性限度内の荷重を加えても、長時間の間にはゴムリングに永久変形が生じ、荷重を除いても元の長さには戻りません。

従来用いられているようなラテックスという天然のゴムリングは、特に口腔内において劣化が激しく、弾力性の経時的低下が著しいという欠点があります。そこで、臨床上は、ゴムリングを毎日交換することで、先に述べたような、ゴムの特性を歯の移動に利用しています。

近年、これらの欠点を除くような研究が進められ、ポリウレタン系の合成ゴムが開発されました。図16-15に示すように、このゴムは応用緩和の現象が少なく、口腔内でも耐疲労性がよいので、ゴムの劣化が減少しました。したがって、ゴムの特性を十分に発揮して、口腔内で安定した弱い持続的な矯正力を発現できるようになってきました。

2015年8月6日



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