11月 | 2015 | 矯正歯科コラム

矯正歯科コラム

矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)15

[1] 固定式装置(Fixed appliance)

3.双線弧線装置(Twin-wire appliance)

戦後この双線弧線装置がわが国に紹介されると、従来の装置の単独使用ではむずかしかった歯牙移動も比較的容易に行うことができ、しかも製作、調整が簡単なことから急速に広まり、やがて一時はわが国の主流を占める矯正装置となりました。

しかしその後Begg法、Jaraback法やedgewise法が紹介されるに及んで、双線弧線装置はこれらの全帯環装置にとってかわられる傾向があります。

しかしこのような矯正学の時代背景の中で、一つの時代を築いたこの双線弧線装置も、緩和な力,持続的な力、しかも自動性を有する調節、このような点で現在でも高い評価を受け、広く臨床家の中で使用されています。

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そこでこの装置の概要を述べ、臨床的、学問的評価を考えてみましょう(図17-31)。

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1.双線弧線装置の特徴

この装置は多くのバンドを使用し、大臼歯を不動の固定歯としており、多くの場合舌側弧線装置と併用されます。またその名の示すように、2本のきわめて細いラウンド・ワイヤー(直径0.25mm)を主線として使用するところに独創性があります。

Johnsonによれば, 2本の細い主線を用いる利点として、

1)太いワイヤーより弾性(resiliency)がある
2)細い2本のフイヤーは元の形にもどる弾性が十分あり、これが歯牙移動に必要な弾性力となる
3)2本のフイヤーを使用することにより、歯体移動(bodily movement)やトルク(torque)が可能

以上をあげています。

2015年11月26日


矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)14

[1] 固定式装置(Fixed appliance)

3.双線弧線装置(Twin-wire appliance)

1932年、Joseph E.Johnsonによって考案、発表されたtwin-wire applianceはその後、Johnson、weber、Maddenらによって数多くの症例が報告されました。以来すでに40数年を経た歴史の長い矯正装置と言えます(図17-30、31)。

この装置は2本の細い主線を使用し、その弾性力によって矯正治療を行うのが特徴です。
わが国には1949年、榎によって初めて紹介され,、双線装置”と名づけられました。その後、竹ノ谷、滝口らによって症例の報告と材料の改良が行われ、現在のようなtwin-tie channel bracket形式になってからは神山、曾根、瀬端、清水らによって広範な症例の報告と装置の応用法が考えられてきました。以来一般臨床家にも広く使用され、やがて“双線弧線装置”と呼ばれるようになりました。

当時の米国では、全帯環装置としてedgewise装置があり、また唇・舌側弧線装置などが多くの臨床家に使用されていました。一方わが国では戦前から、ごく一部の臨床家の中にedgewise装置が使用されていましたが、多くは唇舌側弧線装置、舌側弧線装置、機能的矯正装置、床矯正装置などがすべてでした。

2015年11月19日


矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)13

[1] 固定式装置(Fixed appliance)

2.舌側弧線装置 (Lingual arch appliance)

4.装置の製作順序
8)補助弾線の鑞着屈曲

補助弾線の鑞着操作は、作業模型上ではなく、いわゆる自在鑞着という手技を用いフリーハンドで行います(図17-26)。補助弾線が過熱されて弾性を失われぬよう鑞着操作は手早く行います。弾線の屈曲は、目的に従ってその形を選び、移動しようとする歯の歯頸部に的確に接していなければなりません。

 

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9)研磨

硼砂膜や酸化膜を切下げで十分におとしてから、補助弾線、維持弾線などの形を損じないよう注意深く研磨します。図17-27は、研磨し、完成した舌側弧線装置を示します。

 

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〔症 例〕
ここで実際に舌側弧線装置だけを用いて治療を終了した症例を示します。初診年齢12歳1カ月の女子で、主訴は上顎左右側側切歯の舌側転位で来院。側切歯の唇側移動をはかるため,、2本の複式弾線を用いた固定式舌側弧線装置を装着(図17-28A)。動的治療期間は3カ月で、その間補助弾線の調節を2回行いました。また、保定装置として、図17-28Bに示すような固定式舌側弧線装置を用い治療を終了した症例でし。図17-29は、本症例の治療前後を石膏模型で示したものです。

 

 

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2015年11月12日


矯正装置の種類とその使用法(Orthodontic appliances)12

[1] 固定式装置(Fixed appliance)

2.舌側弧線装置 (Lingual arch appliance)

4.装置の製作順序

5)維持装置の主線の屈曲

脚部を維持管にしっかりそう入し、維持装置の主線は方向と位置を確かめ、前方歯の歯頸部に軽く接するように屈曲します。通常は第1小臼歯と第2小臼歯の中間で切断します(図17-22)。切断面には必ずヤスリをかけます。

6)主線の屈曲

主線の頂で述べたように、原則として被移動歯以外の各歯の歯頸部に軽く接し、かつ粘膜面に接するように滑らかに屈曲し、維持装置の主線の末端と接合するようにし,、切断します(図17-23)。この場合も切断面には必ずヤスリをかけます。

 

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7)主線と維持装置の主線の鑞着

脚部を維持管にしっかりそう入し、屈曲適合した主線の末端と維持装置の主線の末端とがぴったり接合されたら、鑞着時に主線が動かないように正中部付近の主線をスティキーワックスで固定します。また流鑞操作が容易になるように、鑞着部位に相当する部分の石膏を少し削りとっておきます(図17-24)。鑞着に際しては、グリューンバーグの矯正用バーナー(図17-25)を用いるのがよいでしょう。そして炎が図17-25のように尖形になるように空気を調節して鑞着します。
鑞着に際しては、熔剤と鑞とを十分に用いた方がよいです。

 

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2015年11月5日



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