アンカースクリュー(ミニスクリュー)

アンカースクリュー
ミニスクリュー

歯を動かす時にミニスクリュー(矯正用インプラント)を用いるやり方です。

ミニスクリューを使用することによって治療期間が短縮できます。麻酔をしてミニスクリューを埋め込むまでに5〜10分程度です。出血も痛みも殆どありませんので、ご安心ください。

ミニスクリューの治療方法

ミニスクリュー

出っ歯の方の前歯を後ろに下げる場合、4番目の歯(第一小臼歯)を抜いてできたスペースに前歯を後退させます。前歯を後ろに引っ張る際には、奥歯を固定源にして前歯を引っ張ります。

そうすると前歯は後退するのですが、奥歯も引っ張られて前に動いてしまい、結果として十分に前歯を後退させることができません。(作用・反作用の法則)

ミニスクリュー治療動画

【治療内容】上下ワイヤー矯正を行いました。上あご4番の歯を抜歯して歯を動かすスペースを作り、前歯を後退させる固定源としてミニスクリューを使用して、効率的に前歯を後ろに下げました。上下ともきれいな歯並びになりました。

【費用】ワイヤー矯正上下(全顎)70万円(税抜)〜、ミニスクリュー 2ヶ所 6万円(税抜)

【リスク】ワイヤーを初めてつけてから1週間は少し痛いしご飯も食べにくいので気をつける必要があります。

インプラント

これまで難しかった後方への移動が可能に

絶対に動かないインプラントを固定源にします。インプラントは絶対的固定源と言って、絶対に動きませんので、インプラントを固定源にして前歯を引っ張ると前歯が大きく後退します。

抜歯してできたスペース分すべて前歯が後退します。奥側にスペースがある場合には歯を抜かないでそのスペースに歯を後退させることができ、非抜歯で治療できることも多くなりました。


ミニスクリューの
具体的な治療例

1.出っ歯の状態の方の前歯を後退させる場合

ミニスクリューを使用した出っ歯の治療

ミニスクリューを使用せずにワイヤー矯正を行うと歯を抜いたスペースを閉じる際に、前歯と奥歯で引っ張り合って、前歯は70%後退しますが、奥歯も30%前に移動してしまいます。

ミニスクリューで奥歯を固定して抜歯したスペースを閉じると前歯は100%後退します。

2.開咬(オープンバイトとも言う。前歯が噛み合ってない状態)のケース

開咬の方の場合、奥歯の噛み合わせを低くすれば、前歯が閉じます。奥歯は非常に頑丈なため、奥歯を圧下して噛み合わせを低くするのは、通常のワイヤー治療では非常に困難ですが、ミニスクリューでは比較的簡単にできます。

今まで治らなかったような開咬も、ミニスクリューなら治ります。

3.状態の良くない歯を抜かなくてはいけなかった場合

通常、矯正治療では4番目の歯を抜きますが、5番目の歯の状態が良くない場合(銀歯にしてる、神経がない、根に病気があるなど)、5番目の歯を抜きます。

5番目の歯を抜いた場合は、前歯は非常に後退させにくくなりますが、ミニスクリューを使用すると5番目の抜歯スペースに100%前歯を後退させることができます。

ミニスクリューを使用した治療

4.固定源となる奥歯の本数が少ない場合

固定源の歯が少なければ、前歯を後退させる時に、固定源の歯が大きく前にずれてしまい、前歯があまり後退しません。固定源となる奥歯の本数が少ない場合にもミニインプラントで前歯を大きく後退させることができます。

ミニスクリューを使用した治療

5.ヘッドギアを使いたくない場合

ヘッドギアの説明

前歯を大きく後退させようと思った場合、従来ならヘッドギアと言って、頭蓋骨を固定源にするための装置をかぶらなければいけませんでした。

ところが、ヘッドギアは装着するのが面倒で見た目も悪く、ずれると皮膚が傷ついたりします。

ヘッドギアは多くの欠点があるため、殆どの方は使いたくないと思います。そこで前歯を大きく後退させるためには、ミニスクリューが使われるようになりました。