マウスピース矯正で歯が痛い時は何を食べる?おすすめの食事・避けたい食べ物を解説

執筆・監修:大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋


マウスピース矯正で歯が痛い時は何を食べる?

マウスピース矯正で歯が痛い時には、おかゆ、うどん、豆腐、卵料理、煮魚、スープなど、少ない力で噛める柔らかい食事がおすすめです。 痛みが強い日は、食材を柔らかくするだけでなく、小さく切る、一口量を減らすなど「食べ方」を工夫するとさらに負担を減らせます。

新しいマウスピースへの交換後に感じる痛みは、通常ずっと続くものではありません。痛みが強い数日間だけ食事を工夫し、落ち着いてきたら少しずつ普段の食事へ戻していけばよいでしょう。

この記事では、「マウスピース矯正で痛い時は何を食べればいい?」という疑問に、具体的な献立まで含めてお答えします。

この記事を読むとわかること

  1. マウスピース矯正で痛い時におすすめの食べ物
  2. 痛みの程度に合わせた食事の選び方
  3. 朝・昼・夜に食べやすい具体的なメニュー
  4. コンビニや外食で選びやすい料理
  5. 痛い時に避けたい食べ物
  6. 歯への負担を減らす食べ方の工夫
  7. マウスピース交換後の痛みが続く目安
  8. 食事ができないほど痛い時の受診目安

 

マウスピース矯正で痛い時は何を食べればいい?

マウスピース矯正で痛い時は何を食べればいい?の図解

マウスピース矯正で噛むと痛い時には、歯に強い力をかけなくても食べられるものを選びましょう。柔らかく煮た料理や、舌や歯ぐきでもつぶしやすい料理が向いています。

痛い日は「柔らかい・小さい・強く噛まなくてよい」の3点を基準に食事を選びましょう。

新しいマウスピースに交換すると、歯へ新たな力がかかるため、マウスピースを外した後でも歯が押されているように感じたり、噛んだ時に痛みを感じたりすることがあります。

おすすめしやすいのは次のような食事です。

  1. おかゆ・雑炊
    → 米粒が柔らかく、強く噛む必要がありません。卵や豆腐、柔らかく煮た野菜を加えると栄養バランスも整えやすくなります。
  2. うどん
    → 麺を少し短くしておけば、前歯で強く噛み切る必要がなくなります。柔らかめに茹でるのもポイントです。
  3. 豆腐・茶碗蒸し・卵料理
    → ほとんど強く噛まずに食べられるので、痛みの強い日に向いています。
  4. 煮魚・煮込み料理
    → 箸で簡単にほぐせる柔らかさなら、歯への負担を抑えながら食事をとれます。
  5. スープ・ポタージュ
    → 噛むこと自体がつらい時に取り入れやすいメニューです。

痛い日は食べられるものだけに偏りがちですが、数日間まったく食事をとらずに過ごす必要はありません。

柔らかくても、卵、豆腐、魚、乳製品、野菜などを組み合わせれば、無理のない範囲で栄養を補えます。

痛みの程度別・食べやすいもの早見表

痛みの程度によって、「食べられる柔らかさ」は変わります。軽い痛みなら普通に近い食事でも食べられますが、噛むこと自体がつらい日は、無理をせずさらに柔らかいメニューへ切り替えましょう。

痛みの程度 食事の目安 おすすめの例
少し噛むと痛い 柔らかく調理した普通食 ハンバーグ、煮魚、オムレツ、柔らかい野菜
硬いものを噛むのがつらい 少ない力でつぶせる食事 うどん、豆腐、茶碗蒸し、グラタン、リゾット
噛むこと自体がかなりつらい ほとんど噛まずに食べられる食事 おかゆ、ポタージュ、ヨーグルト、スープ

「矯正中だからこの食品を食べなければならない」という決まりがあるわけではありません。その日の痛みに合わせて柔らかさを一段階変えるという考え方にすると、毎回メニュー選びに悩みにくくなります。

痛みの強さによっておすすめの食事は変わる?

はい。少し噛むと痛い程度なら柔らかい普通食でも食べられますが、歯を合わせるだけでも痛い場合には、ほとんど噛まずに食べられる料理の方が楽です。

痛みが強いほど「噛まなくても食べられる料理」へ一段階ずつ変えていきましょう。

1. 軽い痛みなら、柔らかい普通食

軽く噛む程度なら問題ない場合は、普段の食事を少し柔らかくする程度で十分です。

例えば、

  • 煮込みハンバーグ
  • 柔らかい煮魚
  • オムレツ
  • 肉じゃがなどの煮物
  • 柔らかく茹でたパスタ

などがあります。

2. 硬いものがつらいなら、舌でもつぶせる料理

リゾット

歯を合わせると痛い場合には、

  • 豆腐料理
  • 茶碗蒸し
  • グラタン
  • リゾット
  • 柔らかいうどん

などへ切り替えてみましょう。

3. 噛むこと自体がつらいなら、水分の多い食事

おかゆ
  • 痛みが強い時には、おかゆやスープなど水分の多いものが食べやすくなります。
  • 食事量が減っている時は、スープに卵や豆腐を加えるなど、柔らかいまま栄養を補う工夫もできます。

大切なのは、痛みがあるからといって無理に硬いものを噛んで「慣らそう」としないことです。痛みが落ち着くまでの数日間は、歯に余計な負担をかけない食事を選びましょう。

おやつ系、ドリンク系に頼る

プリン 食事が喉を通らない時は、とにかくカロリーのあるものを口にしましょう。

例:プリン、ゼリー、野菜や果物のスムージー

朝・昼・夜は具体的に何を食べればいい?

「柔らかいものを」と言われても、毎食何を作るか考えるのは意外と大変です。痛い日は、主食・タンパク源・野菜を無理のない柔らかさで組み合わせると献立を考えやすくなります。

一日中おかゆだけにする必要はありません。噛みやすい料理を組み合わせれば、普段に近い食事ができます。

痛い日の1日メニュー例

「今日の食事をどうしよう」と困った時に、そのまま参考にできる一例です。痛みの強さに合わせて、さらに柔らかくしたり量を調整したりしてください。

食事 メニュー例 食べやすくする工夫
朝食 ヨーグルト、バナナ、スクランブルエッグ バナナは小さく切るか、つぶして食べます
昼食 柔らかいうどん、豆腐 麺を短くすると前歯で噛み切る負担を減らせます
夕食 おかゆ、煮魚、茶碗蒸し、柔らかく煮た野菜 魚は小さくほぐし、野菜は箸で切れる程度まで柔らかくします

食欲があっても、「噛むと痛いから食べるのをやめる」という方もおられます。しかし、料理そのものを変えなくても、柔らかく煮る、小さく切る、つぶすといった工夫だけで食べられることがあります。まずは普段の食事から、負担になる工程を減らしてみましょう。

コンビニで買うなら何がおすすめ?

料理をする時間がない時や外出中でも、コンビニにはマウスピース矯正で痛い時に選びやすい食品があります。ポイントは「硬さ」だけでなく、強く噛み切らなくても食べられるかどうかです。

茶碗蒸し、スープ、豆腐、ヨーグルトなどは、コンビニでも選びやすい食品です。

例えば、

  • 茶碗蒸し
  • 豆腐
  • カップスープ
  • ポタージュ
  • ヨーグルト
  • バナナ
  • プリン
  • ゼリー

などがあります。

おにぎりが噛みにくい場合は、スープやお茶を利用してお茶漬け風にするなど、さらに柔らかくすると食べやすくなります。

一方、サラダチキンのように「健康的だから」という理由だけで選ぶと、歯が痛い日には意外と噛む負担が大きいことがあります。

痛みがある日は、栄養表示だけでなく「今日はこの硬さを噛めるか」という視点でも商品を選んでみてください。

外食ではどんなメニューを選べばいい?

外食を避ける必要はありません。和食ならうどんや茶碗蒸し、洋食ならリゾットや煮込み料理など、柔らかさを基準に選べば食事を楽しめます。

外食では、揚げ物や硬い肉より「煮る・蒸す・柔らかく仕上げた料理」を選びましょう。

外食・コンビニで選びやすいメニュー

外食ではメニュー名を見るだけでも、ある程度の柔らかさを予想できます。「焼く」「揚げる」料理より、「煮る」「蒸す」料理の方が食べやすい傾向があります。

場面 選びやすいもの 工夫
和食 うどん、雑炊、茶碗蒸し、煮魚 具材を小さくしてから食べます
洋食 リゾット、オムレツ、煮込みハンバーグ、スープ ハンバーグなどは小さく切ります
コンビニ 豆腐、茶碗蒸し、ヨーグルト、スープ 痛みが強い時は硬いおかずを追加しないようにします
カフェ スープ、ヨーグルト、柔らかい卵料理 硬いパンは無理に食べないようにします

外食時にも、食事の前にはマウスピースを外して専用ケースへ保管します。ナプキンやティッシュに包むと、食後にそのまま捨ててしまうことがあるため、専用ケースを持ち歩く習慣をつけると安心です。

マウスピース矯正で痛い時に避けたい食べ物は?

痛みが強い時には、硬いもの、前歯で強く噛み切るもの、何度も噛まなければ飲み込めないものは負担になりやすいため、数日間控えるとよいでしょう。

せんべい、ナッツ、硬いパン、硬い肉などは、痛みが落ち着いてから食べる方が楽です。

特に負担になりやすいのは次のような食品です。

  1. せんべいやナッツ
    → 一度に強い力をかける必要があり、歯が敏感な時には痛みを感じやすくなります。
  2. フランスパンなど硬いパン
    → 前歯で噛み切る力が必要なため、マウスピース交換直後には食べにくいことがあります。
  3. ステーキなど噛みごたえのある肉
    → 何度も強く噛む必要があるため、歯への負担が増えやすくなります。
  4. キャラメルや餅など粘着性の高いもの
    → アタッチメントがついている場合は、粘着性の高い食品にも注意が必要です。

食べやすいもの・避けたいもの

同じ食品でも調理方法によって食べやすさは変わります。「食べてはいけない」と考えるより、痛みがある数日間だけ柔らかいものへ置き換えると考えましょう。

食べやすいもの 痛い時は避けたいもの
おかゆ・雑炊 硬いせんべい
うどん ナッツ
豆腐・茶碗蒸し フランスパン
オムレツ 硬い肉
煮魚・煮物 硬い生野菜
スープ・ヨーグルト 強く噛み切る必要がある食品

痛みが軽くなれば、必要以上に食事制限を続ける必要はありません。ただし、マウスピース矯正ではアタッチメントを装着していることもあるため、極端に硬い食品や粘着性の高い食品については、痛みがなくても食べ方に注意しましょう。

食べ物以外に「食べ方」を工夫する方法はある?

あります。同じ食事でも、小さく切る、柔らかく調理する、一口量を減らすだけで、歯にかかる力を少なくできます。

痛い日は食品そのものより、「何回・どのくらい強く噛む必要があるか」を減らすことがポイントです。

おすすめなのは次の工夫です。

  1. 食べ物を最初から小さく切る
    → 前歯で大きなものを噛み切る必要がなくなります。
  2. 野菜や肉を柔らかく煮る
    → 同じ食材でも、焼くより煮込んだ方が少ない力で食べやすくなります。
  3. 一口の量を少なくする
    → 一度に多くの食べ物を噛むより、小さな一口をゆっくり食べる方が負担を抑えられます。
  4. 痛い歯を何度も噛んで確認しない
    → 「まだ痛いかな?」と何度も歯を合わせると、そのたびに刺激になります。

柔らかい食事というと、「おかゆしか食べられない」と考えてしまいがちですが、調理方法や切り方を変えれば食べられる料理はかなり増えます。

「柔らかい食品を探す」だけでなく、「いつもの食事をどうすれば少ない力で食べられるか」と考えることも、痛い日の食事を楽しむコツです。

新しいマウスピースに交換した後の痛みはいつまで続く?

新しいマウスピースへ交換した直後は歯に新たな力が加わるため、締め付け感や噛んだ時の痛みが出やすくなります。多くの場合、強い違和感は数日かけて軽くなっていきます。

柔らかい食事をずっと続ける必要はなく、交換後の痛みが強い数日間だけ工夫すればよいことが多いです。

痛みの感じ方には個人差があり、「交換した翌日だけ痛かった」という方もいれば、「2~3日は硬いものが噛みにくかった」という方もおられます。

大切なのは、時間の経過とともに痛みが軽くなっているかどうかです。数日たって楽になってきたら、柔らかいものから少しずつ通常の食事へ戻していきましょう。

痛くても食事の時はマウスピースを外す?

インビザライン アライナー

はい。マウスピース矯正では、基本的に食事の時にはマウスピースを外します。痛いからといって装着したまま食べるのは避けましょう。

痛い時でも食事前には外し、食後に歯とマウスピースを清潔にしてから再装着します。

装着したまま食事をすると、

  1. 食べ物がマウスピースと歯の間に入り込む
  2. 糖分が歯の表面に長時間とどまりやすくなる
  3. マウスピースが傷ついたり変形したりする
  4. 装置が着色する

といった問題につながることがあります。

食後はできるだけ歯磨きを行い、マウスピースも清潔にしてから再装着しましょう。ただし、食事をゆっくりしすぎるとマウスピースを外している時間が長くなるため、食べやすいメニューを選ぶことは装着時間を確保する意味でも役立ちます。

食事ができないほど痛い時は歯科医院へ相談した方がいい?

マウスピース交換後に噛むと痛むことはありますが、食事がほとんどできないほどの強い痛みが長く続く場合は、担当の歯科医院へ相談しましょう。

痛みが徐々に軽くなるなら様子をみられる場合がありますが、長引く・悪化する場合は確認が必要です。

次のような場合は相談をおすすめします。

  1. 1週間ほど経過しても強い痛みが続く
  2. 日を追うごとに痛みが強くなる
  3. 特定の1本だけ激しく痛む
  4. マウスピースの縁が歯ぐきに強く当たっている
  5. マウスピースが大きく浮いている
  6. アタッチメントが取れている
  7. 痛みで食事や睡眠に支障が出ている

マウスピース矯正中だからといって、すべての歯の痛みが「矯正による普通の痛み」とは限りません。

虫歯や歯ぐきなど、別の原因で痛んでいる可能性もあります。特にいつものマウスピース交換後とは明らかに違う痛みを感じる場合は、無理に我慢しないようにしましょう。

矯正治療中の装置の取り扱いやお口の管理については、日本矯正歯科学会「矯正歯科治療について」でも一般向けに紹介されています。

マウスピースが痛いだけで費用や通院回数は増える?

交換後の一時的な痛みだけで、通常は治療費や通院回数が増えるとは限りません。ただし、マウスピースの不適合やアタッチメントの脱落などがある場合には、予定外の確認が必要になることがあります。

普通の交換後の痛みなら経過を見ることもありますが、装置に問題があれば早めに連絡しましょう。

「痛いけれど次の予約まで我慢しよう」と無理をする必要はありません。

特にマウスピースが歯に十分にはまらない、縁が強く当たるなど、装置そのものに原因がありそうな場合には、担当の歯科医院へ連絡して受診が必要か確認してください。

追加の受診や処置に費用がかかるかどうかは歯科医院の料金体系によって異なります。

まとめ|マウスピース矯正で痛い日は「柔らかさ」だけでなく食べ方も工夫しよう

食べ物

マウスピース矯正で歯が痛い時には、

  • おかゆ
  • 柔らかいうどん
  • 豆腐
  • 茶碗蒸し
  • 卵料理
  • 煮魚
  • スープ
  • ヨーグルト

など、少ない力で食べられる料理がおすすめです。

ただし、「痛い時の食事は柔らかいもの」というだけでは、毎日の献立を考えるのが難しいかもしれません。

そこで意識したいのが、痛みの程度に合わせて料理の柔らかさを変えることです。

軽い痛みなら煮込み料理、硬いものがつらければ豆腐や茶碗蒸し、噛むこと自体がつらければおかゆやスープというように段階的に選べば、必要以上に食事を制限せずに済みます。

さらに、

  1. 食材を小さく切る
  2. 柔らかく煮る
  3. 一口を小さくする
  4. 前歯で無理に噛み切らない

といった食べ方の工夫も役立ちます。

マウスピース矯正で痛い日の食事は、「何を食べるか」だけでなく、「どうすれば少ない力で食べられるか」を考えることがポイントです。

交換後の痛みは多くの場合、時間の経過とともに軽くなっていきます。痛みが落ち着けば、少しずつ普段の食事へ戻していきましょう。

一方、強い痛みが長く続く、食事ができない、特定の歯だけ激しく痛むなどの場合は、マウスピース矯正だからと我慢せず、担当の歯科医院へ相談してください。

関連ページ:大阪矯正歯科グループのマウスピース矯正