矯正を開始する際にカレーを食べられないという噂、聞かれたことはありますか。歯列矯正の些細な疑問であるカレーを食べられないという噂について、今日は詳しくご紹介いたします。
目次
矯正の必要性
人と話をする際にご自身の歯並びや、食事をする際に噛む癖が気になり、コンプレックスを抱える原因となるケースがあります。正しい位置に歯が並んでいないと、見た目のみではなく、上下の歯の咀嚼機能にもトラブルが起きているため、食べ物の栄養素をきちんと吸収しにくくなっています。健康回復や増進の意味合いではなく、審美性を改善する治療であるため、保険適用外で自費治療となります。
歯並びの問題でよく挙げられるものとしては、下記のような不正咬合です。
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突・反対咬合)
- お口が閉じられない(開咬)
- 八重歯や歯がガタガタ(叢生・乱杭歯)
- 噛み合わせが深い(過蓋咬合)
- すきっ歯(正中離開・空隙歯列)
- 歯と歯の先端が当たる(切端咬合)
矯正の種類について
矯正装置は大まかに分けて二種類あります。
ワイヤーブラケット矯正
歯の表面にブラケットというボタンのような装置をつけて、ブラケットにワイヤーを通して歯を動かす矯正治療法です。通院の際に、歯科医師が歯の動きを確認し、新たなワイヤーに交換していきます。ワイヤーを通す部分は表側か裏側です。
審美性を気にされない方は表側に付ける表側矯正
- ワイヤーの色はそのままで安価な普通矯正
- 遠くの人に矯正中と気づかれないような白いワイヤーでのホワイトワイヤー矯正(審美矯正と呼ぶクリニックもあり)
- 矯正治療中とわかりやすいが、料金が安いというメリットがある
審美性が気になる方は裏側に付ける裏側矯正
- 裏側に装着し、近くの人でも気づかれない審美性の高さを求める方は裏側矯正(舌側矯正・インコグニトと呼ぶクリニックもあり)
- オーダーメイドで海外にて作製したワイヤーで矯正治療を行うため、表側矯正と比べて、費用がかなり高額になる点がデメリット
マウスピース矯正
- 半透明のマウスピースを装着し、マウスピースを交換して歯を理想の位置に動かす矯正治療法
- 一般的に有名なマウスピース装置にインビザラインがある
- 患者様ご自身でマウスピースを取り外しでき、食事の際になんでも噛むことが可能
- 装着時間を怠ると、ワイヤーと異なり、治療期間が延長する可能性がある
矯正をしたらカレーは食べられない?
ワイヤー矯正の方は、ワイヤーやブラケットを装着したまま食事をします。そのため、お食事の内容について気になる方が多いでしょう。
矯正をするとカレーが食べられないという噂がありますが、禁止しているわけではありません。カレーを食べた後は、装置の一部にカレーのような黄ばみが着色してしまいます。ワイヤー矯正の器具の一部にゴムや歯科用樹脂を使用しているという理由からです。ゴムや樹脂を使用する部分は下記のとおりです。
- ブラケット
- ブラケットとワイヤーを留めるエラスティックリング
- パワーチェーン
着色を気にしなければカレーは大丈夫?
食後にうっすらと黄色くなるのが気にならなければ、カレーを食べても大丈夫です。色素の濃い食べ物や飲み物は、意外と周りにあるため、避けて食生活を送ることは難しいでしょう。
- 緑茶、コーヒー、紅茶、赤ワイン
- カレーライス、ミートソーススパゲティ、ビーフシチュー、チョコレート
色の濃い料理や食べ物、飲み物を口に入れると、歯の表面に着色汚れ(ステイン)となります。タバコを吸われる方は、煙草のヤニもステインとなりますので、注意してください。着色が気になってカレーを食べられない方は、ワイヤーやマウスピース(アライナー)を新しく交換する前日に食べると良いでしょう。
まとめ
矯正治療を検討されている方は、カウンセリングでドクターやスタッフにご相談ください。当院を含め、予約制ではありますが無料で行っている医院が多いです。できるだけ複数のクリニックで、治療計画や料金など説明を受け、信頼のおける歯科医院で治療を始めましょう。歯が動いた後には、後戻りを防いで歯の動きを固定するために、保定装置の装着もきちんと行いましょう。