よくある質問

30万円で行える矯正治療ってどんなもの?

30万円で行える矯正治療ってどんなもの?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

矯正治療のための歯科医院を選ぶ時、非抜歯矯正できるか、見た目はどうかなどよりも、料金に重きをおいて比べていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。30万円で行える矯正治療とはどんなものかご説明します。

治療を受ける前に30万円などの格安の矯正治療の内容をチェックしよう

電卓

インターネットで調べると、30万円などの格安で矯正の診療を行っている医院があることがわかります。

料金の安さに惹かれ、矯正を今すぐ開始したいと思うかもしれませんが、まずどんな内容の治療かをしっかり時間をかけて調べていただきたいと思います。

何故そんなに他の医院より料金を安くできるのでしょうか。他の歯科医院よりも安い治療費ということは大きなメリットですが、デメリットもあるかもしれません。

歯並びの矯正は医療行為ですから、お買い物のように気軽に出来るものではありません。疑問や不安点を全体的に解決して、クリアな状態になってから、治療を開始されるべきです。

矯正治療には不正咬合の程度により金額に違いがある

ワイヤーとブラケットの装置を使った、矯正治療の中では安価な部分矯正である治療で考えてみましょう。

部分矯正は治療期間が比較的短期間で終わるのが特徴で、歯の重なり具合の程度により軽度、中度、重度に分かれ、料金が変わる歯科医院が多いようです。軽度の場合は最短2ヶ月程度で治療が完了する医院もあります。

中度の方の部分矯正を例に挙げると、矯正治療費は30~40万円程度の歯科医院が多いようです。その30~40万円の治療費にブラケットやワイヤー装置などの材料費や技工費や人件費など様々な諸経費が含まれ、歯科医院毎に価格を定めています。

矯正が格安になる理由って何なのか?

理由

「格安でできる矯正」を行っている歯科医院の場合、例えば、材料費、技工費、人件費などを多くかけてしまうと、格安の値段ではマイナスになって利益が出ない可能性もあります。その場合、多くの患者さんを治療すればする程、クリニックは赤字路線に拡大する可能性が高まります。

そのような点から考えると、「格安でできる矯正」は、低価格の高品質とは言えない材料を使い、技工費もなるべく抑え、治療回数やスタッフを減らすという事をしない限り、格安の料金で矯正治療を行っていくことは難しいです。

歯の動くスピードは人によってまちまちなので、医院側が早く治療を終わらせて人件費を少なく済ませたくても、そう簡単にはいきません。患者さんの歯の動くスピードに合わせて治療を行っていかなければ後戻りなどが起こる可能性もあります。矯正治療においては治療期間がある程度必要なので、通院回数も期間に応じて必要になります。

歯列矯正で失敗したくない方へ

日本臨床矯正歯科医会が2009年に行った意識調査をを見ると、矯正治療を経験した患者さんの治療後の満足度は、「矯正歯科治療を受けてよかったと思う」が71.5%と高い結果となり、「デンタルケアへの関心が高まった」52.3%と、”予防歯科”への意識が上昇する傾向があります。(下記図1:日本臨床矯正歯科医会参照)

ただ、「保定期間、リテーナー装着を頑張ったのに歯並びが後戻りをしてしまった。今度こそ長く保てるような再矯正をしたい」と相談に来られる方も残念ながら少なくありません。その分治療費も再度かかることになってしまいます。

下記の国民生活センターへの相談件数は少ないとは言い難い件数です。(下記図2:国民生活センター参照)

矯正治療をお考えの方に申し上げたいのは、料金はもちろん検討材料の中で大きなウエイトを占めるかもしれませんが、それ以外に担当する歯科医師が今までに多くの症例数をこなし、矯正治療の経験が豊富であるか、治療前のカウンセリングでの説明がわかりやすいものか、また担当医が患者さんのお話を伺う姿勢もチェックすべきポイントです。あとは院内の雰囲気も見てみることをおすすめします。

30万円で行える矯正治療に関するQ&A

Q

格安の矯正治療にはどのようなリスクが考えられるでしょうか?

A

格安の医院で提供される矯正治療には、安全性や品質に関する懸念が存在します。安価な治療では材料や技術の面で妥協が生じる可能性があり、その結果、治療の効果や持続性に問題が生じることがあります。選ぶ際には、医院の評判や歯科医師の経験、施術内容などをじっくり検討することが重要です。

Q

格安の矯正治療のメリットとデメリットは何ですか?

A

格安の矯正治療のメリットは費用面での負担が軽減されることです。しかし、デメリットとしては品質や安全性への懸念があり、結果的に治療効果が不十分であったり、後戻りが起きる可能性があります。安易な選択ではなく、医院の信頼性や治療内容を確認し、バランスを考えることが大切です。

Q

格安の矯正治療のリスクを軽減するために、どのような対策が効果的でしょうか?

A

リスクを軽減するためには、安価な治療だけでなく、品質や安全性を重視した選択が必要です。複数の医院を比較し、信頼性の高い医師を選ぶことが重要です。また、治療前のカウンセリングで丁寧な説明を受け、自身のニーズや希望に合った治療内容を確認することも大切です。

まとめ

30万円で行える矯正治療についてご説明しました。矯正治療を受けてよかったと思えるようにするには、30万円程度の低価格で行える治療内容についてじっくりと検討された方が良いと思います。時間をかけてしっかり調べたうえで、複数の歯科医院に相談に行かれることで、十分に満足のいく矯正治療を受けられるのではないでしょうか。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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