大人の出っ歯には「歯の向きが原因の場合で出っ歯になってる場合」と「骨格が原因で出っ歯になっている場合」と大きく二つあります。
目次
歯の向きで出っ歯になるというのはどういうこと?
「歯の向きが原因で出っ歯になっている」ということはどういう状態かというと、上顎の骨格は前に出ておらず、上の前歯が外向きになっているだけの状態のことをいいます。口ゴボのように骨格、つまり歯ぐきが出てるわけではなくて、骨格は正常ですが前歯の向きが原因いう方は結構多いです。
特に前歯二本だけが出ている方が非常に多く、このような方が出っ歯を治すと特に女性の場合はかなりイメージが変わります。前歯二本が出ている場合、前歯二本がすごく大きいタイプと、前歯が大きく歯の長さも長くて前歯が目立つタイプがあります。
どうして前歯二本だけが出っ歯になっているのかというと、歯並びはアーチ型になっており、アーチの半円の円周が短かい、つまり顎が小さいと歯が並びきらなくて歯がガタガタに並んだり、八重歯になったり、前歯二本が飛び出たりして歯並びが悪くなってしまいます。
出っ歯の治療方法
出っ歯はどうやって治すかというと、顎が大きければ歯はきれいに並びます。しかし大人の方は顎の骨の成長が終わってしまっていますので、顎の小さい方の骨格を大きくすることは出来ません。
その場合は、出っ歯や八重歯が酷い方は、小臼歯と呼ばれる前から4番目の歯を抜いて、そのスペースに歯を送って並べていくという方法で治します。これを抜歯矯正と呼びます。
前歯二本が出ているだけの簡単な出っ歯の治療では、小臼歯を抜く必要がありません。小臼歯を抜くと歯を動かすためのスペースが大きすぎて、その結果前歯が下がりすぎてしまい、他の問題が出てきます。そのため、抜歯せずに前歯の両端を僅かに削ってツペースを作って歯を動かします。歯の両端を削ってスペースを作る処置のことをIPR、スライス、ディスキング等と呼びます。
IPR(スライス、ディスキング)の説明
IPRはオプションとなり、IPRの後で歯に矯正装置をつけて治療します。IPRだけでは歯並びは治りません。
歯はエナメル質という組織が外側にあり、その中に象牙質という組織があります。エナメル質は結構分厚く、歯の外側を少しだけ削って歯の横幅を減らします。
スライスの量は大体0.25mm~0.5mm位です。仮に1本の歯の片側で0.25mmスライスしたら、左右合わせて一本あたり0.5mmスライスとなり、その分だけ歯の横幅が狭くなります。
例えば前歯6本に対してそれぞれ6本に同じように歯の左右を0.5mmずつスライスすると、合計3mmのスペースができます。そして前歯に1.5mm重なりが二か所ある場合、歯の重なりをスライスで作った3mmのスペースを利用して解消することが出来ます。
この方法で歯列のラインから歯が飛び出る事なく、歯を綺麗に並べることができます。この場合は部分矯正という治療法になり、簡単に治すことが出来ます。前歯二本だけが出ていて、歯の重なりが小さいという方は、簡単に治って歯にダメージもありません。
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正インビザライン
前歯二本だけが出ている場合は、ワイヤー矯正といって、歯にブラケットというボタンのようなものをつけてワイヤーを通して引っ張る方法で治すことも出来ますが、最近はワイヤー矯正よりもマウスピース型矯正装置で治す方が多いです。
マウスピース矯正は、その中でも最も歴史があって世界中で症例数の多いインビザラインという方法があります。インビザラインでこの前歯ニ本だけの出っ歯を治すことができます。
二本だけ出っ歯の場合はそれぞれの歯を少しだけスライスしていきます。スライスで歯を動かすためのスペースを作ってマウスピース型矯正のインビザラインで治療することは可能です。比較的軽度の前歯二本の出っ歯であれば短期間で治すことができます。
【動画】出っ歯の治療方法 歯だけが原因の場合
出っ歯の治療方法 歯だけが原因の場合に関するQ&A
大人の場合の出っ歯を治す方法を教えて
大人の出っ歯を治す方法として、小臼歯と呼ばれる歯を抜いて、そのスペースに歯を送って並べる方法があります。ただし、前歯二本だけが出ている場合、小臼歯を抜かずに前歯の両端を僅かに削ってスペースを作る方法で治療できる可能性があります。
スライス(ディスキング)とは、どのような歯の治療手法ですか?
スライス(ディスキング)は、前歯の両端を削ってスペースを作る処置のことです。歯の外側のエナメル質を少しだけ削って、歯の横幅を減少させます。この方法は主に前歯を綺麗に並べるために使用されます。
まとめ
出っ歯の治療は歯の角度が原因の場合、主に前歯二本が外向きに飛び出るタイプの出っ歯には、スライス(ディスキング)をした後にワイヤー矯正やマウスピース型矯正(インビザライン)で治療を行います。
特に前歯二本だけが出ている場合、美容的な改善が可能で、歯に損傷を与えずに治療できます。