インビザライン矯正を中断した場合どうなる?

インビザライン矯正を中断した場合どうなる?

インビザラインで矯正治療の途中に何らかの理由で治療を中断しなければならなくなった場合、どうすれば良いのでしょうか? 本来ならば治療をすすめて最後のアライナーまでしっかりとはめて終わりたいところですが、中断せざるを得ない様々な事情が起こった場合についてご説明します。

病気でインビザラインを中断

病気、けが

インビザラインでの矯正治療を始める前から持病があった方や、急に病気が見つかった方が入院や手術を受けることになったなど、突発的な事情によってインビザラインが続けられなくなることがあります。

ご病気の方はまず病気の治療に専念されることをおすすめいたします。インビザラインを続けられそうな場合は続けていただいても良いのですが、その場合も主治医の先生とよく相談されたうえでお決めください。

妊娠・出産でインビザラインを中断

赤ちゃん

矯正中に妊娠された患者さんは、インビザラインを続けることも出来ますが、つわりのためにアライナーを付けるのが苦痛になったり、アライナーを付けると気持ちが悪くなったりする方もおられます。

体調の悪い時に無理にアライナーをつけ続けることはおすすめできません。アライナーを外している時間が長ければ、その分歯は後戻りを起こしてしまいますが、やはり優先順位を考えていただいて、無事に出産されるためにどうすべきかを重視してお決めいただければと思います。

引っ越しでインビザラインを中断

引っ越し

転勤や就職、留学、海外赴任のために引越しせざるを得ない方もおられます。矯正治療は通院の間隔が1ヶ月程度なので、通える方はそのまま当院で治療を続けていただくことが出来ますが、通院が不可能なくらい遠くへの引っ越しをされる方は、転院しなければなりません。

引越しの為に転院される場合は、お支払いいただいている治療費の精算を行います。治療の進行度によって返金させていただく金額は変わります。そしてインビザラインは最初にアライナーを全て作成してしまいますので、アライナーの代金は全額ご負担いただくことになります。

引越し先の場所によっ転院先の歯科医院をご紹介できる場合と出来ない場合があります。ケースバイケースとなりますので、担当医にご相談ください。また、転院先では一から治療をやり直す場合もあり、治療費も割引がない場合があります。金額に関しては、転院先の歯科医院によります。

アライナーを付ける時間を守れずインビザラインを中断

時計、時間

インビザラインで治療を始めてみたものの、実際にアライナーをつけ始めると、食事の後につい外したままにしてしまったり、つけるのを忘れて外出してしまったり、夜つけて寝るのを忘れたりして、アライナーの装着時間を守れなくて治療をやめてしまう患者さんもおられます。

インビザラインは1日20~22時間はアライナーをつけたままにしていただかないと、治療計画通りに歯が動いていきません。外した時間が長ければ長いほど、計画通りに歯が動かず、アライナーがきっちりはまらなくなる場合もあります。

アライナーがはまらなくなると、その時点の歯並びに合わせて再度アライナーを作り直さなければなりません。新しいアライナーがお手元に届くまでの間は、一つ前のアライナー(きちんとはまる状態のもの)をつけていただくことになります。

それでもどうしても装着時間を守れない場合は、その患者さんにはインビザラインのようなマウスピース矯正ではなく、固定式のワイヤー矯正が合っているかもしれません。矯正治療の途中で装置を変更する場合は、当院の規定によりインビザライン矯正での治療費を精算したうえで、新しくワイヤー矯正の治療費をご負担いただくことになります。

アライナーを管理出来なくてインビザラインを中断

アライナーを紛失したり、壊れてしまったりしてインビザラインでの治療がなかなか進まない患者さんもおられます。アライナーを紛失したり壊れたりした場合は、紛失したアライナーと同じものを作成して到着を待つ間に一つ前のアライナーを使っていただくか、または紛失したアライナーを飛ばして次のアライナーを装着することで対処します。

アライナーを紛失したり壊れたりすると、治療計画通りに治療が進まず、足踏みした状態になってしまうことが多いため、頻繁に紛失したり壊れたりしないように気を付けていただく必要があります。

インビザライン治療を途中で完全にやめてしまう場合

上記のような理由でインビザラインを一時中断される方もおられる反面、完全に治療をやめてしまわれる方もおられます。インビザラインでの矯正歯科治療では、理想的な歯並びになるまでどのように歯を動かしていくのかを事前に設計して、アライナーをつけかえることで少しずつ歯を動かしていきます。

そのため治療を中断してしまうと歯並びが中途半端な位置のままになってしまい、一時的に噛みあわせが悪くなったり、正中線が合っていないことも考えられ、その結果食事がしにくかったり、話しづらいということもあるかもしれません。また、歯は元の位置に戻ろうとしますので、徐々に後戻りを起こして元の不正咬合に戻ってしまいます。

そのため、出来る限り矯正治療は最後まで続けていただきたく思います。

まとめ

インビザラインでの矯正治療を中断したい、または中断した場合、どのようなことが起こるかについてご説明しました。矯正治療は綺麗な歯並びをゴールとして少しずつ歯を動かしていくため、途中でやめることにはデメリットしかありません。やむない理由はあるにせよ、出来る限り治療を続けてきれいな歯並びを手に入れていただきたく思います。