インビザライン

インビザラインで矯正中もフッ素で虫歯予防は効果的?

インビザラインで矯正中もフッ素で虫歯予防は効果的?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

「インビザライン矯正中には虫歯にならないの?」
「マウスピースをはめていたら虫歯になりやすい?なりにくい?」

インビザラインでの矯正では1日に20~22時間マウスピースを装着しなければなりません。マウスピースに覆われた状態の歯も、残念ながら虫歯になってしまうことがあります。その場合にフッ素は効果がありますので、ご説明します。※当サイトではフッ化物、フッ素化合物を「フッ素」と表現しています。

矯正治療中もフッ素入りの歯磨き剤を使ってしっかりケアしよう

マウスピース矯正の治療中は虫歯にかからないように気をつけなければならないため、フッ素を効果的に使いましょう。虫歯予防の強い味方はフッ素で、歯磨き剤や洗口剤にフッ素が含まれている商品は人気です。

フッ素の3つの働き

フッ素の働き

1.歯の質を強化して歯を強くする

フッ素は歯のエナメル質を強化して酸によって溶かされにくい性質に変えることで、虫歯になりにくくします。

2.歯の再石灰化を促進する

酸性のものを食べたり虫歯菌が酸を出したりして、お口の中が酸性になると脱灰が起こり、エナメル質が溶かされます。その際にカルシウムやリンが唾液に溶け出しますが、フッ素はカルシウムやリンなどのミネラルが再び歯に取り込まれる再石灰化を促進します。

3.虫歯菌が酸を作るのを抑制する

フッ素はお口の中の虫歯菌の働きを弱めて、酸が作られるのを抑えます。虫歯は酸によって歯が溶かされますので、酸が作られないと虫歯になりにくくなります。

フッ素は自然界にある成分

フッ素はミネラルの一つで、魚介類や野菜、肉、お茶、塩などの殆どの食品に含まれています。ビタミンと同じく、毎日摂取しなければならない必須の栄養素でもありますので、毎日の食事で摂取できるように食事内容を意識しなければなりません。

フッ素はそれ単体で存在しているのではなく、フッ化ナトリウム、フッ化カルシウムなど、他の物質と結合した形で存在しています。

インビザライン治療中に虫歯になった場合に考えられる原因

インビザライン装着

インビザラインで矯正中に虫歯になってしまう方も一定数おられます。虫歯になった原因としては、「アライナーをつけていると口の中が乾燥しやすい」ということが考えられます。

インビザラインではアライナーと呼ばれるマウスピースを1日に22時間程度つけていただきますので、食事の時間以外は殆ど一日中マウスピースを装着しているということになります。

その結果お口の中が乾燥しやすくなり、唾液による様々な虫歯予防の効果が歯に届きにくくなってしまうということが起こります。

唾液には様々な働きがあります

1.再石灰化作用

虫歯菌が糖分をエサにして酸を出し、歯を溶かす時に、歯からカルシウムやリンなどのミネラルが唾液の中に溶け出します。唾液には溶け出したカルシウムやリンなどを歯に補給する働きがあり、これによって虫歯になりかけた歯を修復することが出来ます。これを再石灰化作用と呼びます。

2.清浄作用

唾液はお口の中の食べかすや細菌を洗い流す作用がありますので、唾液の量が減るとお口の中に食べかすや細菌が残ったままになり、虫歯菌などの増殖を招きます。

3.抗菌作用

唾液には抗菌作用があり、虫歯菌や歯周病菌などの繁殖を抑制します。

4.緩衝作用

毎食後のお口の中では、虫歯菌が歯についた食べかすなどの汚れをエサにして酸を作り出します。そのためお口の中が酸性に傾きがちになり、虫歯が発生しやすくなりますが、唾液内のイオンの働きで、お口の中が急激に酸性に傾かないようにしてくれます。

インビザライン治療中に虫歯になった場合はどうする?

虫歯

矯正治療の前には虫歯や歯周病の治療を済ませるのが一般的です。

しかしインビザラインでの矯正治療中に虫歯が出来てしまった場合は、虫歯の大きさによっては矯正治療を一時中断して虫歯治療を優先的に行う場合もあります。

虫歯治療によって歯の形が変わってしまい、今まで使っていたアライナーがフィットしなくなる場合があります。そうなるとアライナーを作り直さなければならず、矯正治療がその分だけ遅れることになります。

そのため、被せ物をして歯の形が変わるような治療は極力避けることになりますが、それも虫歯の進行具合次第です。

インビザラインでの矯正治療中は虫歯にならないように細心の注意を払う必要があります。

虫歯が出来やすいところは?

虫歯が出来やすいのは、主に歯と歯の間や歯が重なっているところです。

  • 歯並びが悪く歯が重なっているところ
  • 歯と歯の間の隙間
  • 一度虫歯治療をして詰め物や被せ物をした場所
  • 親知らず

歯の表面にも歯垢がつきますので、隅々まできれいにすることを心がけましょう。歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシを利用すると、普通の歯ブラシでは毛先が届かない部分もきれいに出来ます。

甘いものが好きな方や間食が多い方は虫歯になりやすいため、食後だけでなく間食の後も可能な限り歯ブラシを使いましょう。歯垢や糖をお口の中に残さないことが大切です。

歯磨き剤のおすすめは高濃度のフッ素配合のもの

フッ素入り歯みがき

虫歯予防のための歯磨き剤はフッ素入りのものがおすすめですが、中でも高濃度のフッ素が配合されたものが効果が高くおすすめです。※ただし、未就学児は誤飲の可能性を考慮して、フッ素濃度1000ppm以下の歯磨き粉をお使いください。

スーパーやドラッグストアで販売されている歯磨き剤の中にも、高濃度のフッ素が配合された薬用ハミガキがありますので、事前にメーカーのホームページで内容を確認してから購入されると良いでしょう。

フッ素を含んだハミガキジェルを歯ぐきに塗布するのもおすすめです。歯科医院でのみ販売を許可されている歯磨き剤もあります。かかりつけの歯医者の受付までお声かけください。

インビザライン矯正中のフッ素での虫歯予防に関するQ&A

Q

インビザライン治療中の虫歯予防にはフッ素が効果的ですか?

A

フッ素は歯の質を強化し、再石灰化を促進し、虫歯菌の活動を抑制する働きがあり、矯正治療中の虫歯予防に有効です。

Q

インビザライン治療中に虫歯になる原因は何ですか?

A

インビザラインのアライナー装着により口の中が乾燥しやすくなり、唾液の虫歯予防効果が低下することが原因です。

Q

インビザライン治療中に虫歯ができた場合、どのように対処すべきですか?

A

インビザラインでの矯正中は虫歯が大変出来やすい為、そのままにしておくと悪化する可能性があります。虫歯の大きさに応じて治療を行い、矯正治療を一時中断して虫歯治療を優先的に行うことも考えられます。

まとめ

歯のキャラクター

マウスピース矯正は虫歯になりやすいというデメリットがあります。インビザラインでの矯正治療中にかなり気をつけていても虫歯になってしまう方もおられます。

フッ素はエナメル質の修復を促進し、歯質を強化し、虫歯菌の働きを弱めるなど、優れた虫歯予防効果があることで注目されています。虫歯になりやすい方は、インビザラインでの矯正治療中の歯磨きをフッ素配合の薬用歯ミガキで毎日行うことで、虫歯になるリスクを減らすことが出来ます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

▶プロフィールを見る