セラミック矯正は、矯正装置で歯を動かすのではなく、セラミックの被せ物によって歯並びをきれいに見せる治療法です。セラミックの被せ物の寿命はどれくらいの期間保つことができるかについてご説明します。
目次
セラミックの歯の寿命を縮める原因とは
セラミックの矯正を行いたい場合に、セラミックの歯の寿命を縮める原因をご紹介します。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり・食いしばりの癖をお持ちの方は、永久歯の場合も歯が弱くなる原因になります。対合歯(上と下の歯)が常に当たる状態では、歯冠が削れてしまうためです。無意識下である就寝中に歯ぎしりを行うと、セラミッククラウンは割れる可能性があります。
歯磨きが行き届いていない
歯ブラシでのブラッシングやフロスなどの補助装置による歯間・歯周ポケットの清掃が上手にできていなければ、通常の歯でも虫歯になります。セラミックの表面はツルツルしていて汚れがつきにくいのですが、歯と歯茎の間に汚れがたまったままになると、虫歯や歯周病が起こる可能性があります。
固い食べ物などの強い衝撃
ナッツ類やおせんべいなどの固い食べ物を思いっきり噛むと、セラミックの歯は欠けを起こすケースがあります。
セラミック矯正を長持ちさせるには
セラミックの表面は歯垢などの汚れが付着しにくいという特長がありますが、ケアせずに放っておくとセラミックと歯茎の間に汚れが溜まり、虫歯や歯周病の原因になります。
セラミックの被せ物を長もちさせるため、毎日の正しいセルフケアに加えて、数ヶ月おきに歯科の定期健診を受け、その際にプロのクリーニングを受けることをおすすめします。歯科医院での歯のクリーニングでは、歯周ポケット内の歯垢や歯石も落とすことが出来ますので、セラミックを長くもたせるためには必ず定期健診を受けるようにしましょう。
セラミックによる矯正とは
セラミックの矯正とは、歯を動かすのではなく、歯を削り、セラミックを被せることで綺麗な歯列の見た目にする治療法です。軽度の歯の重なり・すきっ歯(正中離開)、軽度の出っ歯(上顎前突)など部分的な矯正を行いたい方に向いています。セラミック矯正以外の方法では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正があります。
セラミック矯正での被せ物の種類には、オールセラミック、ジルコニアセラミック、セレッククラウン、ラミネートべニアなどがあります。オールセラミックやジルコニアセラミックは、ケアをしっかり行えば、数十年という長い期間保つことが可能です。
セラミックによる矯正は、歯に装置をつける矯正と違い、通院回数が少なく、短期間で終わるメリットがあります。一方で歯を削って人工の歯を被せるため、歯の寿命を縮める可能性があるというデメリットがあります。
セラミックの被せ物の種類
オールセラミック
被せ物の歯(クラウン)がすべてセラミック(陶器)で作製され、天然の歯と同様の白さや透明感があり、経年劣化がありません。歯垢(プラーク)や食べかすが歯に付着しにくく、汚れによる二次むし歯が起こりにくいのが特徴です。噛む強度がジルコニアセラミックと比べると弱く、硬い食べ物や衝撃で割れる可能性もあります。
ジルコニアセラミック
ジルコニアは人工ダイヤモンドと言われるほどの硬度を誇ります。そのジルコニアを裏打ちし、表面にセラミックを焼き付けたジルコニアセラミックは、審美性が高く、強度を誇ります。噛み合わせる力が強い奥歯のみではなく、前の歯にも使用することができます。
セレッククラウン
CAD/CAMという機械が削りだしたセラミックの歯です。歯科技工士が作製した歯に比べれば審美性は劣り、セラミックの歯を被せるための土台が透けて見える場合があります。ただ、オールセラミックに比べ、安い料金でセラミック矯正を行うことができます。
セラミック以外の矯正とは
セラミック矯正以外の矯正治療の方法は以下のようなものです。
マルチブラケット装置
ワイヤー矯正
歯の表側に白いブラケットを装着し、銀色のワイヤーを通すことで歯を動かす矯正方法です。お口を開けるとワイヤーが目立つこと、通院回数が多く、保定装置を含めて終了するまで長い時間がかかるというデメリットはありますが、矯正の費用は安いというメリットがあります。
裏側矯正(舌側矯正)
歯の裏側にブラケットを装着し、ワイヤーを通し歯を動かす矯正方法です。人前でお口を開けても周囲の人に矯正中と気づかれないメリットはありますが、矯正の費用が高く保定装置を含めて終了するまで長く期間がかかるというデメリットがあります。
マウスピース矯正装置
インビザライン
当院では主にインビザラインという装置を使用しています。マウスピース矯正はアライナー(マウスピース)を交換することで歯列を整える矯正方法です。
アライナーは透明で取り外しができ、今まで通り噛むことが可能というメリットはありますが、1日22時間以上という装着時間を怠ると歯は治療計画通りに動きません。食後には歯磨きとアライナーの洗浄が必要で、面倒と感じる方もおられます。
セラミック矯正の場合の被せ物の寿命に関するQ&A
セラミックの被せ物の寿命はどれくらいですか?
セラミックの被せ物の寿命は、ケアや使用状況に依存します。オールセラミックやジルコニアセラミックなどは、適切なケアをすると数十年持つことができます。
セラミックの歯の寿命を縮める原因は何ですか?
セラミックの歯の寿命を縮める原因には、歯ぎしり・食いしばり、歯磨きの不十分、固い食べ物などの強い衝撃があります。
セラミックの被せ物を長持ちさせるためのケア方法は?
セラミックの被せ物を長持ちさせるためには、毎日の正しいセルフケアと定期的な歯科健診が重要です。プロのクリーニングもおすすめです。
まとめ
患者様ご自身の日々の歯みがきや、クリニックへの定期健診の回数により、セラミックによる矯正の寿命は短くなるか、長くなるか大きく変わります。食いしばりや歯ぎしりなどはご自分で気づかなくても、歯科治療で指摘されることもあります。
歯に関するお悩みやセラミック矯正へのご希望がありましたら、ドクターやスタッフへご相談ください。患者様のお口の状態を診断し、最適と思われる治療計画をご提案いたします。当院を含め、カウンセリングは無料で行っている医院が多いので、ご利用ください。