矯正をしようかどうか悩んでる方から「矯正治療中は口臭がしますか?」というご質問を頂いています。
歯並びが悪いために歯がきれいに磨けなかったり、または口呼吸をしている患者さんは、口の中が乾燥しているためにもともと多少の口臭がある場合があります。
そんな方も含めて、「矯正治療中は口臭がするのか?」「口臭を改善するにはどうしたらいいのか?」ということをご説明します。
口臭の原因は口の中にある?
口臭がする患者さんを、何人か拝見したことがありますが、実は口臭がある方は少ないです。
そもそも口臭というのは、何が原因なのでしょうか? 口臭は原因が口の中にあったり、胃の中にあったりします。
それ以外は、精神科のドクターがおっしゃるには、口臭がないのに口臭がする自臭症の方が一番多いそうです。
歯科的な観点で言うと、口臭の原因は胃の中にあるのではなく、やはり口の中にあります。
口臭の一番の原因は歯肉炎
口臭の一番の原因は歯肉炎です。矯正治療中は歯肉炎になりやすいです。
歯肉炎が進んだら、昔で言う歯槽膿漏(歯周病)になって骨が溶けてきます。当院の矯正患者さんでそこまで歯周病が酷い方はおられませんが、治療中に歯肉炎になってしまうということはあります。
他の原因としては、矯正治療とは直接関係ありませんが、虫歯になってしまって、歯の神経が死んで腐ってしまって臭うということもあります。
また、虫歯自体が口臭の原因になることもあります。
それ以外には舌が口臭の原因になります。舌に汚れがついてて口臭がしたりとか、原因はたくさんあります。
しかし、矯正治療と直接関係があるとしたら、やはり歯肉炎が原因です。
この歯肉炎というのは文字通り、歯肉=歯茎の炎症で歯茎に限局した炎症のことをいいます。
矯正治療中の歯肉炎を防ぐには
歯茎は軟組織といって軟らかい組織です。
歯肉炎が進んで骨までいってしまうと、歯みがきだけでは治らなくて本格的な歯周病治療が必要になりますが、歯肉炎は歯みがきだけで治ります。
ワイヤー矯正の場合
矯正治療中にどうして歯肉炎になるのかというと、ワイヤー矯正では歯にブラケットをつけて、そこにワイヤーを通して歯を動かしていくのですが、このワイヤーとブラケットの部分には食べかすがたくさん残ります。
患者さんが矯正装置をつけた状態での歯みがきに慣れてきたら、この汚れは取れるようになりますし、ついていたら気持ちが悪いので
患者さんはがんばって取るようになられるのですが、奥歯の方は、どうしても汚れが取れにくく、歯茎が炎症を起こしてしまって口臭がする場合もあります。
口臭を発生させないためには、歯科衛生士さんに歯磨きのやりかたを教えてもらうことです。
口臭だけで済んだらまだいいのですが、食べかすが詰まってしまって治療中に歯と歯の間が虫歯になる方が、残念ながらおられます。
せっかく矯正して歯並びが綺麗になっても、虫歯になってしまっては困りますので、しっかりと歯磨きをして頂きたいと思います。
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小児矯正(プレート)の場合
子どもの矯正は取り外しができるタイプの装置を使うことが多いです。
お子さんはあごが小さいために歯並びが悪くなることが多いので、あごを大きくするためにプレートと呼ばれる取り外し式の装置を使います。
プレートは、装置の中央にあるネジを毎日少しずつ広げていくことで、お子さんの歯列を左右に大きくします。この装置はプラスチックの樹脂で出来ているため、樹脂は吸水性があるのでどうしても臭いがつきやすいです。
吸水性のある装置は装置自体に臭いがつきますので、専用の洗う薬剤で洗うことで臭いは防げます。
まとめ
矯正治療中には口臭がする可能性があるので、きちんと歯磨きをして歯肉炎ににならないようにしましょう。
歯みがきがきちんと出来ていれば虫歯も防げます。「歯磨きがきちんと出来れば口臭の心配はない」ということになります。