インビザライン

インビザラインでの口ゴボ治療の可能性について

インビザラインでは口ゴボは治らないの?

口元全体がが前に出ている状態を口ゴボと呼びます。矯正治療のための装置の中でも人気のあるインビザライン(マウスピース型矯正装置)では、口ゴボは治るのか治らないのか、ご説明します。

インビザラインで口ゴボを治すメリット・デメリット

インビザライン アライナーとケース

今のところ奥歯も含めた全体的な矯正治療を行うことの出来るマウスピース矯正はインビザラインしかありません。他の名称、メーカーのマウスピース矯正は前歯だけの部分矯正に特化されたものです。

https://www.osaka-kyousei.com/column/274.html

インビザラインで口ゴボを治すメリット

インビザライン装着

インビザラインは透明なマウスピース型の矯正装置です。目立ちにくいため装着していても矯正していることがわからないのがマウスピース矯正の大きな特徴です。口ゴボの治療では抜歯を伴うケースになる可能性が高いのですが、抜歯した部分をマウスピースが覆うために、抜歯部分が目立ちにくいというメリットがあります。

抜歯を伴う矯正では、歯を大きく動かすことになります。インビザラインは歯にアタッチメントを取り付けるので歯に力がかかりやすく、歯を自在に動かせるという利点もあります。

インビザラインで口ゴボを治すデメリット

抜歯を伴う矯正では、抜歯した歯の大きさの分だけ前歯を後ろに移動しなければなりません。第一小臼歯一本分のスペースを動かさなくてはなりませんので、インビザラインのみで歯を動かそうとすると、治療期間が長くかかることと、歯が内側に傾くというリスクがあります。

そのため、ケースによってはワイヤー矯正との併用で矯正治療を行わなければなりません。ワイヤー矯正併用にするかどうかは、治療前に治療計画を作成する際に決定します。

インビザラインでは一日に22時間の使用が必要になります。決められた時間を守らないと計画通りに歯が動きません。また、インビザラインは他の種類のマウスピース矯正と違ってアタッチメントという突起を歯に付けて、歯にかかる力をコントロールします。アタッチメントは白色のレジンで出来ており歯の色に馴染みますが、何か所もつけるのは嫌だとおっしゃる方も稀におられます。

アタッチメントの説明

アタッチメントをつけずにインビザラインで治療をすると、アタッチメントをつけた場合と比べて歯が動きにくいため、治療期間が延びることになります。アタッチメントはインビザラインで理想通りに歯を動かしていくためには大変重要なものですので、メリットの方にも記載しています。

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アライナーとアタッチメント

口ゴボになる原因は?

口ゴボでお悩みの方の中には上の前歯だけが原因の出っ歯の方もおられますが、多くの方は骨格が前に出ているために出っ歯になり、同時に唇が前に突き出たような形になっています。

レントゲン写真

上下の顎の骨格自体が前方に出ている状態になっていますので、歯科矯正だけでは改善しないケースもあります。横顔で口ゴボがわかるだけでなく、前から見てもお口のまわりが出ていることがわかる場合は、少し重度といえるかもしれません。(上は実際の患者さんのレントゲン写真です。)

口ゴボになる原因は、出っ歯(上顎前突)であるといえますが、上の前歯だけが前方に突き出ている場合、上下の前歯が前方に突き出ている場合、指しゃぶりや舌で前歯の裏側を押す癖がある場合、または遺伝で骨格が前に出ている場合もあり、他にも様々な要因があります。

舌で下顎の前歯をおすと受け口になりますし、出っ歯だけでなく、叢生(ガタガタ)を伴っている場合もあります。

歯列だけを見れば綺麗な歯並びをしておられても横顔に審美的な問題があるのであれば矯正治療の対象になります

口ゴボの治療は歯を抜かなくてはいけないの?

口ゴボは歯が前に飛び出している状態ですので、第一小臼歯を抜歯することによってスペースを作ります。第一小臼歯の大きさは、女性が約7ミリ、男性が約7.5ミリです。小臼歯を抜いて出来たこのスペースを使って前歯を後ろに下げていきます。

少しの歯の重なりなら歯を抜かなくても矯正できるのですが、口ゴボの方は歯を大きく動かさなくては口元のラインが改善されません。

第一小臼歯を抜歯した後の治療は、具体的にはまず犬歯を第二小臼歯と接する位置まで移動させて、その後に前歯4本を後ろに下げていきます。

抜歯矯正は以前はワイヤー矯正か、ワイヤー矯正とインビザラインの併用で行われましたが、近年はインビザライン単独でも抜歯矯正が可能になりました。ただし、口ゴボの程度にもよりますので、ワイヤー矯正の併用が必要かどうか、カウンセリングで担当医と良く話し合ってお決めください。

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重度の口ゴボは輪郭整形(セットバック)で横顔がキレイになる

口ゴボ 術前術後

重度の口ゴボでは、顎の骨を下げない限り見た目はあまり改善されません。そのため、当院では輪郭整形(セットバック)と呼ばれる外科矯正を行っています。

前歯の引っ込む量が多い程、口ゴボはより改善されますので、骨を切って前歯を後ろに下げる方法は大変効果があります。

インビザラインでは口ゴボは治らないのかに関するQ&A

Q

インビザラインを使って口ゴボは治りますか?

A

インビザラインは透明なマウスピース型の矯正装置で、口ゴボの治療に使える可能性があります。ただし、上下顎の過成長による骨格性の口ゴボの場合、インビザラインでの矯正治療だけでは満足な治療結果が得られない場合があります。骨格性の場合は、外科手術の適応になります。

Q

口ゴボの治療に抜歯が必要なのですか?

A

口ゴボの治療には抜歯が必要で、第一小臼歯を抜歯してスペースを作り、前歯を後ろに移動させる方法が一般的です。ただし、抜歯の必要性は症状の重さに依存します。

Q

口ゴボが重度の場合、外科矯正はどのように行われるのでしょうか?

A

重度の口ゴボには外科矯正(セットバック)が必要で、顎の骨を切って前歯を後ろに下げる方法が有効です。当院ではセットバックを日帰り手術で行っており、全身麻酔が必要になります。

まとめ

歯のキャラクター

インビザラインでの口ゴボの治療についてご説明しました。口ゴボの矯正治療には殆どのケースで第一小臼歯の抜歯が必須になります。インビザラインでも出っ歯の治療は可能ですが、口元を大きく下げたい場合にはセットバック手術をご検討ください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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