「インビザラインの説明を受けたとき、“クリンチェックで治療計画を立てますね”と言われて、正直よく分からなかった…という方も多いのではないでしょうか?
“何をチェックされるの? 自分の歯、本当にキレイになるの?” そんな疑問にお答えします!」
目次
クリンチェックとは?インビザライン治療の設計図!
インビザラインではコンピュータ画面上に歯のデータを読み込ませ、現在の不正咬合からきれいな歯並びに変わるまでをシミュレーションします。そのためのソフトの名称が「クリンチェック」です。このソフトを用いてインビザラインの治療計画を立てるまでの流れを総称してクリンチェックとも呼びます。
クリンチェックでは1つのマウスピースで歯を動かす量を0.15mmから0.25mmで調整して治療計画を設計します。このように小さな動きであるため、他の矯正装置に比べると歯が動く際の痛みが少ないという特徴があります。
歯の動きが見える!?クリンチェックでできること

インビザラインでは、実際に治療を始める前に、どのように歯が動いていくかを、ソフト上で確認することが出来ます。
ワイヤー矯正ではこのように画面上で3Dで歯が動いていく様子を見ることは出来ません。クリンチェックはインビザライン独自のソフトウェアで、現在の状態から歯並びが整って行く様子を3D画像で見ることが出来ます。
クリンチェックの前にはiTeroと呼ばれる光学スキャン装置でお口の中をスキャンし、そのデータを元に歯の動きを確認していきます。
クリンチェックでは現在の歯型データからAIが計画を作成しますが、実際の治療ではAIのデータをもとに担当医が修正を加えて、更に良い仕上がりになるようにします。
歯が動く様子の画面は患者さんも見ることが出来ますので、それを見ながら担当医の説明を聞き、現在の不正咬合が完全にきれいな歯並びになるまでのイメージをつかんでから開始することが出来ます。
AIと医師のWチェック!クリンチェックのスゴさとは

クリンチェックの役割は、画面上で複数の治療計画を立てられることです。
例えば、抜歯した場合の治療計画と、非抜歯の場合の治療計画を立てて、ソフト上で歯の動きを確認し、どちらがより美しい仕上がりで無理のない計画かを担当医が判断します。もちろん抜歯か非抜歯かについては患者さんのご希望もあるため、しっかりと話し合って計画を決定してから行っていきます。
更に、クリンチェックでは歯をどのように動かすのか、アタッチメントの種類やつける場所を担当医が自由に決定することが出来ます。アタッチメントはインビザラインでの矯正治療中に患者さんの歯の表面に付けるレジンの突起で、アタッチメントによって力の向きが変わり、効果的に歯を動かすことが出来ます。
また、歯を動かすためのスペースを作るために歯の両端を僅かに削る処置(IPR スライス、ディスキングともいう)をすることがありますが、そのタイミングや削る量をAIが決めてくれます。その後、担当医が微調整を加えて最終的な計画が出来上がります。
このように、クリンチェックのおかげで治療計画が綿密にたてられるようになり、治療期間中も画面で歯の動きを見られることで矯正治療の全体の動きがより具体的に患者さんにもわかりやすくなりました。
クリンチェックはドクターが作成後、アラインテクノロジー社のエンジニアが一件ごとに確認する流れとなっていますので、より安心な内容となっています。
クリンチェックはどんな画面?

クリンチェックでの治療計画作成後、データをアライン社に送るとマウスピースが製作され、約二週間で歯科医院に届きます。
途中で変更もOK?治療中のクリンチェック活用法

実際に治療が始まってからは、矯正治療がどこまで進んでいるか、当初の計画通り進んでいるかの確認をクリンチェックのソフトを使用して行うことが出来ます。
画面には、アライナーが何枚目であるかと、それに対応する治療計画上の歯の状態が3Dで確認できるようになっています。
インビザライン
インビザラインは1日に22時間以上(担当医によっては20時間以上、または20時間程度と説明を受ける場合もあります。)装着しなければなりませんので、それを守れていないと計画通りに歯が動かないため、アライナー(マウスピース)がはまらなくなってしまいます。
また、稀にアライナーを必要時間はめていても、計画通りに歯が動かないことがあります。その場合には理由を分析し、クリンチェックを確認して治療計画の変更を行い、追加のアライナーを作製して新しく届いたアライナーで治療を進めていくことが出来ます。
クリンチェックの内容に関するQ&A
インビザラインのクリンチェックとは何ですか?
クリンチェックは、インビザライン治療をスタートする前に「歯がどんな風に動いて、最終的にどんな歯並びになるのか」を3Dアニメーションで確認できるソフトウェアです。
例えば、前歯が出ているのが気になっていた患者さんが、クリンチェックの画面で“徐々に前歯が引っ込んでいく様子”を見て「こんな風に変われるんだ!」とモチベーションが上がった、というケースもあります。
また、歯科医師はこのソフト上で抜歯をするプラン/しないプランの比較もでき、患者さんと相談しながらベストな治療方法を選べるようになっています。
iTero光学スキャン装置はどのように使用されますか?
iTero(アイテロ)は、お口の中をスキャンする高精度なカメラです。粘土のような型取りが苦手な方でも、負担なく数分でスキャンできます。
たとえば、以前に「嘔吐反射があって型取りが苦手だった」という患者さんは、iTeroならスムーズにデータ取得できて「これなら安心して任せられる」と言ってくださいました。
スキャンされたデータは、クリンチェックに反映されて、歯の動きのシミュレーションや治療計画に活用されます。
インビザライン治療中にクリンチェックを使用する理由は何ですか?
治療がスタートしてからも、クリンチェックは「進捗チェック」と「再調整」のために使います。
たとえば、アライナー(マウスピース)をちゃんと装着していたはずなのに、「ある日、次のマウスピースがうまくはまらない…」ということがありました。
その時は、治療計画と実際の歯の動きにズレが出ていたため、再スキャン&クリンチェックの見直しを行い、「追加アライナー(リファインメント)」を作成してリカバリーできました。
このように、途中での微調整が可能なので、安心して治療を進められるのがクリンチェックの強みです。
まとめ

このように、クリンチェックは今やインビザラインでの矯正治療には欠かせないものになりました。患者さんにとっても、ご自分の矯正治療のゴールがはっきりと確認できることで、治療へのモチベーションアップにつながることが期待できます。