リテーナーは矯正治療が完了してから歯列の後戻りを防ぐために付けるものです。リテーナーについてご説明します。
目次
リテーナーとは何ですか?
リテーナーは保定装置とも呼ばれています。矯正治療後に歯の後戻りを防ぐためにつけるもので、夜寝ている間のみつける場合と、昼間に外出先でもつける場合があります。一日の間にリテーナーをつけなければいけない時間やタイミングは、矯正担当医の判断で決まります。
歯並びが後戻りするということは、せっかくきれいに整った歯並びが、以前のガタガタに戻ってしまうということです。
リテーナーはどんな形をしているの?
リテーナーは主に透明なマウスピース型のソフトリテーナーと、プラスチックの床(しょう)が付いたクリアボウリテーナーという2種類があります。矯正装置と同じように、歯と口の上部にフィットするようにカスタムメイドされており、取り外し式になっています。
リテーナーは矯正治療を終えた人にとっては一般的なもので、子どもの床矯正やマウスピース矯正、大人の矯正においても矯正治療を終えて装置を外した後は、少なくとも矯正装置をつけていた期間の2倍程度の間はリテーナーを着用する必要があります。
大人の部分矯正治療では、前歯の裏側にワイヤーをレジンで接着するタイプのリテーナーを使用することもあります。こちらは固定式ですので、取り外し式のリテーナーのようにお手入れが要らず、違和感なく使えます。
なぜリテーナーを着用する必要があるの?
リテーナーをつける最も一般的な理由は、矯正治療が終了した時点での歯の位置を固定させ、歯がその位置に留まるのを助けるためです。
矯正装置を外してすぐの歯は、まだ歯の位置がしっかりと骨の中で固まっておらず、動きやすい状態になっています。何もつけないでいると後戻りを起こし、少しずつ元の歯並びに戻ってしまうということが起こります。そのため、矯正治療後はリテーナーを一定期間つけることによって、治療後の歯の位置を安定させなければなりません。
せっかく治療が終わってブラケットやアライナーなどの矯正装置を外すことが出来たのに、今後はリテーナーをつけなければいけないと聞いて、がっかりされた方もおられるかもしれません。しかし、美しくなった歯列をキープするためには、リテーナーをつけるのは大変重要なことです。
お子さんの場合は身体が成長するにつれて顎骨の大きさも変わり、歯の位置も動きます。そのためリテーナーをつけることで歯列の変化を防ぎます。
大人の場合はリテーナーをつけることで歯並びが元に戻ろうとするのを防ぎ、美しい歯列を今後とも維持することが出来ます。
リテーナーは一日にどれくらいの時間つける必要があるの?
リテーナーは食事、間食、歯磨きの際には外していただき、それ以外の時はずっと着用していただくことをおすすめしています。昼夜問わずつけていただくことで、より歯の位置を安定させることが出来ます。
リテーナーは何年くらいつけなければならないの?
一般的にリテーナーをつける期間は、矯正治療にかかった期間程度です。個人差はありますが、1~3年程度つけていただく場合が多いです。歯の後戻りを防ぐために、必ず矯正医の指示通りに使用してください。
リテーナーのお手入れ
お口の中には細菌や歯垢、食べ物の小さな粒子などがあり、歯磨きでそれらをきれいにします。リテーナーも同じく毎日きれいに洗ってケアをする必要があります。
リテーナーの中には歯磨き粉とブラシで擦ってはいけない種類もありますので、リテーナーを最初に受け取った時に担当医に必ず確認しましょう。リテーナーをうがい薬や入れ歯洗浄剤に浸しておけば、細菌を除去することもできます。
プラスチックのリテーナーは乾燥させすぎると割れることがあるため、お口の中に入れていないときは水に浸しておくことをおすすめします。プラスチックは変形しやすいので、お湯に入れることは厳禁です。
また、ワイヤーで出来たリテーナーは曲げないように気をつけましょう。
リテーナーはなくさないように注意しましょう
リテーナのケアに関する重要なことの一つは、リテーナをなくさないようにすることです。お口に入れていないときは必ず置き場所を決めて、持ち運ぶときはケースに入れましょう。
食事の時に外して紙ナプキンの上などに置き、うっかりそのまま置き忘れると、残飯と共に捨ててしまう場合があります。必ずケースに入れるようにしましょう。
まとめ
矯正治療が終わったのに引き続きリテーナーをつけるのは、面倒と感じる方もおられるかもしれませんが、治療後のきれいな歯並びをずっと維持するために、リテーナーは必ず必要なものです。矯正治療が終わっても、歯は後戻りします。矯正医の指示に従い、一定期間リテーナーをつけて歯のケアをしていきましょう。