歯の正中線のずれは矯正すれば治る?

正中線のずれは矯正すれば治る?

お顔の中心線と上下の歯の真ん中がずれている正中線のずれについて、ずれが起こる原因や治し方をご説明します。

正中線とは

正中線画合っている

前歯の中心線のことを正中線といいます。左右の1番の歯の間の線が、上下でぴったりと合って一直線に伸びている状態のことをいいます。

上下の歯の正中線が合っているだけでなく、歯の正中線がお顔の中心線の上に来ていることが大切です。

正中線のずれとはどんな状態?

正中線画合っていない・ずれている

上下の歯を噛み合わせた時に、上の歯と下の歯の正中線がぴったりと合わない歯並びを、正中線のずれといいます。歯並びは悪くないのに、正中線だけがずれているというケースもあります。

正中線はどうしてずれてしまうのでしょうか? ずれると見た目以外に何か不都合があるのでしょうか?

正中線がずれる原因

噛み合わせが正しい位置にあるとき、上下の歯の正中線はぴったりと合い、歯並びは左右で対称になります。正中線がずれている場合は次のような原因が考えられます。

歯の大きさが左右対称になっていない

人間のお顔や身体は、微妙に左右対称になっていません。ぱっと見た感じではわかりませんが、よく見るとほんの僅かですが左右の眉の形や眼の大きさ、笑うときの口角の上がり方など、左右で違いがあります。

歯も同じように、左右で殆ど同じように見えますが、ほんの少しの違いが正中線のずれに繋がることがあります。しかし多少の非対称は一般的にどなたにもあることですので、大きくずれていてご本人の悩みとなっていない限りは、あまり気にしすぎる必要はありません。

歯並びが悪い

左右どちらか一方だけに八重歯があったり、歯が少し重なっているなど、歯の位置や角度によって顎をずらして噛んでいる場合に、正中線はずれてしまいます。また、親知らずが片方だけに生えていたり、埋伏歯や先天性欠如歯があって歯の本数が左右で異なる場合に、正中線がずれます。

正中線のずれに加えて叢生、出っ歯、受け口などの不正咬合がある場合は、全体的な歯列矯正での歯の移動が必要になる場合もあります。

あごの骨が左右対称になっていない

頭蓋骨に対して上顎、下顎もしくは、両方がずれたり歪んでいる場合に、顎全体のバランスが悪くなって歯並びにも歪みが生じます。頬杖をつく癖があったり、片方の奥歯が悪くて良い方の歯ばかりで噛んでいる場合も、正中線のズレが起こる原因となります。

正中線がずれているのは治療した方がいいの?

正中線が上下の歯でぴったり合っているのが理想的ですが、ほんの少しのずれで、噛み合わせが悪くなっていない場合は治療しなくても問題はないでしょう。

また、かなり大きく正中線がずれている方は、歯並びや顎の骨に問題がある場合が多いため、そのまま放置すると顎関節症を発症することもあります。何かの症状が出ていて少しでも異常を感じたら、ひどくなる前に歯科医院にご相談ください。

正中線のずれの治療方法

では、正中線がずれていて気になる場合はどうやって治せば良いのでしょうか。あごが成長途中の子どもと、あごの成長が終わっている大人とでは、正中性のずれの原因によっては治療方法が異なる場合があります。

子供の場合(1期治療)

奥歯(第一大臼歯)が永久歯に生え変わったタイミングで、奥歯のみ噛み合わせにずれがある場合には、ずれを治してあげないと顎がそのままいびつに成長する可能性があります。子供の顎はどんどん成長していきますので、早めに治療を始めることをおすすめします。

大人の場合

顎のずれが軽度の場合は、ワイヤー矯正で上下の歯にブラケットの矯正装置を取り付けて不正咬合を治していきます。歯の裏側に装置をつける裏側矯正や、マウスピース型矯正装置を利用して治療することも可能です。

顎の骨のずれが大きい場合は歯の矯正治療だけでは完全に治すことが出来ませんので、外科矯正(外科手術)を行うことで骨格をなおすという方法があります。しかし外科矯正は本来不正咬合を治すためのものですので、顎骨のずれの改善には限界があります。

まとめ

正中線がずれている場合は、原因によってどのように整えていくかが変わってきます。一人ひとりのお顔が違うように、歯の形や歯並びも違います。そのため正中線のずれの原因を正確に診査・診断を行い、矯正担当医が解決方法をご提案します。