小児矯正

小児矯正はどうして一期と二期にわかれているの?

小児矯正はどうして一期と二期にわかれているの?に

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

小児矯正は一期治療と二期治療に分かれています。一期と二期はどう違うのか、どうして2つに分かれているのかについてご説明します。

小児矯正とは?

矯正治療は、小児矯正と成人矯正の2つに大きく分けることができます。子どもが受けるのが小児矯正で、大人が受けるのが成人矯正ですが、小児矯正は1期治療と2期治療の2つに分けられます。そして、1期治療を主に小児矯正と呼び、2期治療は成人矯正に分類されることもあります。

  • 1期治療(骨格矯正)…3~12歳(乳歯、乳歯と永久歯の混合期)→顎の骨を整える
  • 2期治療(歯列矯正)…10歳以降(永久歯期)→歯を整える

一期治療について

一期治療の目的

小児矯正の一期治療の主な目的は、顎骨の成長を促すことです。上の顎の幅が狭いと、将来的に永久歯がきれいに並びきらず、ガタガタの乱ぐい歯になることが予想されます。そうなる前に、拡大床という矯正装置を用いて顎を大きく成長させて、永久歯を隙間なくきれいに並べるためのスペースを作ります。

このように、小児矯正の一期治療では、歯並びの乱れを整えるのではなく、永久歯が並ぶためのしっかりとした土台を作るために、顎を発育させる治療を行います。

一期治療を受ける年齢は?

小児矯正の一期治療は、6~7歳頃までに開始するのが一般的です。この年齢は、乳歯から永久歯へ交換する時期であり、顎が成長する時期でもありますので、歯並びの異常を治す上での適齢期となります。

それ以降では前歯の永久歯が良くない状態のまま位置が固定されてしまったり、生え変わりのために奥歯がぐらつき始める年齢になってくるため、矯正装置が安定しにくい場合があります。

6~7歳で歯列にデコボコやズレがある場合、まだ生えてきていない歯も顎の中の位置や方向が悪化していく場合が多いです。手遅れになる前に早めの相談をお勧めします。

二期治療について

二期治療の目的

二期治療では歯にブラケットと矯正用ワイヤーを装着して、歯を1本1本、正しい位置へと移動させていきます。より目立たない矯正装置を希望されるお子さんには、マウスピース矯正装置による二期治療も行っています。透明なマウスピースを使った歯列矯正は、目立たないので、とても人気のある最新の矯正方法です。

二期治療を受ける年齢は?

二期治療は、一般的に12歳頃から開始します。この頃になると、永久歯が生えそろい、顎の骨の発育もピークを超えています。歯並びを細かく整えていくのに適した時期となります。

小児矯正のメリット・デメリット

小児矯正のメリット(大人の矯正との比較)

  1. 子供は骨が柔らかいので歯が早く並ぶ
  2. 大人よりも痛みが少ない
  3. 顎の成長を抑制して受け口や出っ歯になるのを防ぐことができる
  4. 顎の成長を促して顎を大きく出来る
  5. 自分に自信を持ち、笑顔が素敵になる

デメリット

  1. 子供の協力が得られない場合は治療がスムーズに進みにくい
  2. 顎の成長を抑制、または促す場合は矯正治療期間が長くなることがある

小児矯正が一期と二期に分かれている理由に関するQ&A

Q

小児矯正が一期と二期に分かれている理由は何ですか?

A

小児矯正が一期と二期に分かれている主な理由は、治療の目的と患者の年齢に関連しています。一期治療は顎の成長を促して適切な大きさにするために行われ、二期治療は歯列矯正の段階的な治療です。

Q

一期治療の主な目的は何ですか?

A

一期治療の主な目的は、顎骨の成長を促し、将来的に永久歯が正しく一列に並ぶ土台を作ることです。歯並びの乱れを修正するのではなく、顎の発育を支援します。

Q

二期治療の主な目的は何ですか?

A

二期治療の主な目的は、歯を正しい位置に移動させて歯列を整えることです。これにより、歯の見た目と噛み合わせが改善されます。

まとめ

歯のキャラクター

子供の矯正治療の目的は、永久歯が全てきれいに生え揃うように、顎をしっかりと成長させるためのものです。これが小児矯正の一期治療です。顎が小さいと永久歯が正しく並ばずにガタガタや八重歯になってしまうことが多いのです。永久歯がきれいに生え揃う前に、一期治療で土台である顎の成長を促しましょう。

https://www.jpao.jp/15news/1525trendwatch/vol13

 
この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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