歯科矯正全般

矯正治療でよくあるトラブルとその対策法をやさしく解説!失敗しないためのガイド

矯正治療でよくあるトラブルとその対策法をやさしく解説!

矯正治療には「トラブル」はつきもの?

「歯並びをキレイにしたい」「将来のために不正咬合を改善したい」――そんな前向きな思いで矯正治療を始めたのに、
「痛くてつらい」「装置が壊れてしまった」「口内炎ができてしまった」
といったトラブルに見舞われて、不安や後悔を感じてしまう患者さんも少なくありません。

矯正治療は、見た目の美しさだけでなく噛み合わせや健康にも良い影響をもたらす大切な医療行為ですが、治療中にさまざまな困りごとが起きるのも事実です。
しかし、それらのトラブルの多くは、あらかじめ知っておくことで予防や早期対応が可能です。

この記事では、「矯正治療中に起こりやすいトラブル」と「その対策法」について、患者さんの視点でわかりやすく解説していきます。
「これから矯正を始める方」も、「今まさに治療中の方」も、ぜひ参考にしてみてください。

矯正治療中に起こりやすい代表的なトラブルとは?

代表的なトラブル

矯正治療では多くの患者さんが何らかのトラブルを経験します。代表的なものには、装置の痛み、口内炎、歯磨きの難しさ、装置の破損や脱落などがあります。それぞれの症状には原因があり、対策を知っておくことで安心して治療を進めることができます。

矯正中のトラブルには痛みや装置の不具合があり、事前に知っておくことが大切です。

よくあるトラブルの例

装置による痛みや違和感
 → 矯正装置を装着した直後や、調整後の数日は歯が動き始めるため、締め付けられるような痛みやズキズキする違和感を覚えることがあります。これは歯が移動する際に生じる正常な反応ですが、個人差があります。数日で治まることが多いですが、痛みが強い場合は市販の鎮痛薬や冷たい飲み物などで対応できます。

口内炎
 → ワイヤーやブラケットなどの装置が唇や頬の内側の粘膜にこすれて、口内炎ができることがあります。特に装置に慣れるまでの間は頻繁に起こりやすいトラブルです。粘膜を保護する専用のワックスを使ったり、刺激の少ないうがい薬を活用することで症状を緩和できます。

歯磨きのしにくさ
 → 矯正装置があることで、歯と歯の間や装置の周囲に歯垢がたまりやすくなり、丁寧な歯磨きが必要になります。しかし、うまく磨けずに虫歯や歯肉炎を引き起こすケースもあります。歯間ブラシやタフトブラシなどの補助器具を使い、必要に応じて歯科衛生士からの歯磨き指導を受けることが大切です。

装置の脱落・破損
 → 硬いものや粘着性のある食べ物を噛んだり、強く歯をぶつけたりすると、ワイヤーが外れたりブラケットが外れることがあります。無理に自分で戻そうとせず、外れたパーツを清潔な容器に保管し、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。破損を防ぐために、食事やスポーツ時の注意も重要です。

これらのトラブルは矯正治療中によく見られるものですが、いずれも適切な対応を取れば重症化せずに済むことが多いです。事前に知識を持ち、セルフケアと歯科医院との連携を意識することで、安心して治療に取り組めます。

トラブルを放置するとどうなる?日常生活や口腔内への影響

小さなトラブルでも放置すると大きな問題につながることがあります。例えば痛みを我慢すると歯の動きに支障が出たり、装置の破損を放置すると治療の遅れにつながります。早期の対応がとても重要です。

小さな異変でも放置せず、早めに対応することが大切です。

トラブル放置によるリスク

  1. 痛みの長期化や治療中断
  2. 虫歯・歯周病の進行
  3. 治療期間の延長
  4. 装置の破損による再装着費用の発生

その結果、心身のストレスが増し、矯正治療自体がネガティブな体験になってしまうこともあります。

よくあるお悩みエピソードから見る、トラブルの実例

トラブルの例

実際の患者さんの声を通して、どのような場面でトラブルが起き、どのように解決されたかを知ることが、安心材料になります。

他の患者さんの体験談は、自分の不安解消のヒントになります。

体験エピソード

高校生のAさん(ワイヤーの痛み) → 「最初の1週間が本当に辛かったけど、冷たい飲み物で楽になったよ」

30代女性Bさん(口内炎) → 「粘膜保護ワックスを使ったら、すぐに楽になった!」

40代男性Cさん(装置脱落) → 「急に装置が外れて焦ったけど、歯科医院ですぐに対応してもらえて助かった」

このようなエピソードからも、トラブルの多くは一時的なもので、適切な対処で解消できることがわかります。

トラブルごとの対策と予防のポイント

多くのトラブルには事前にできる予防策があります。日々の歯磨きや食生活の工夫、医院との連携がカギになります。

予防と早期対応がトラブルを防ぐ最善策です。

トラブル別の対策

痛みや違和感の対処法
 →冷たい飲食物や市販の鎮痛剤で軽減。長引く場合は歯科医院へ相談。

口内炎の予防と対策
 →粘膜保護ワックス、うがい薬を併用。装置の調整も必要な場合あり。

歯磨きしにくさの改善
 →歯間ブラシ、ワンタフトブラシを使用。歯科衛生士による指導もおすすめ。

装置の脱落・破損時の対応
 →すぐに医院へ連絡。勝手に戻さず、持参して来院を。

患者さん自身の工夫と、歯科医院との連携で、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

安心して矯正治療を受けるためにできること

矯正治療は歯科医院と患者さんが一緒に進める共同作業です。トラブルを想定し、定期的な健診やセルフケアを習慣にすることで、よりスムーズな治療が実現します。

治療成功には「正しい知識」と「定期的な健診」が欠かせません。

安心のためのポイント

  1. 事前に起こりやすいトラブルを確認
  2. 分からないことは遠慮せず質問
  3. 定期的な健診を欠かさず受ける
  4. トラブル時の連絡先を確認しておく

その結果、心の余裕を持って治療に取り組むことができ、満足度の高い矯正治療につながります。

違和感があったら我慢せず、まずは相談を

我慢せず、まずは相談を

どんなに小さな違和感でも放置せず、まずは歯科医院に相談することが大切です。早期発見・早期対処が、矯正治療を成功に導くカギになります。

不安を感じたら、すぐに相談することが最良の対策です。

矯正治療は決して「痛みを我慢して耐える」ものではありません。何かあればすぐに伝えることが、より快適で確実な治療を実現します。

まとめ

正しく知って、正しく対処すれば矯正治療はもっと安心に

矯正治療中に起こるトラブルは、決して珍しいものではありません。
痛みや口内炎、装置の破損、歯磨きのしづらさなど、誰にでも起こりうる問題です。しかし、それぞれの原因と対策をあらかじめ知っておくことで、大きな不安やトラブルを回避することができます。

特に大切なのは、以下の3つです:

  1. 不調や違和感を我慢せず、早めに歯科医院に相談すること
  2. 毎日の歯磨きや食生活に気を配り、トラブルを予防すること
  3. 定期的な健診を受けて、口腔内の状態を確認すること

矯正治療は、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや将来の歯の健康にもつながる大切なステップです。少しの知識と注意で、より快適で満足度の高い治療が実現できます。わからないことがあれば、遠慮せずに歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。

「矯正をしてよかった!」と思える未来のために、安心して一歩を踏み出してください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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