部分矯正は主に前歯を動かして歯並びの一部のみを整える治療で、短期間で治療が終了するのが特徴です。部分矯正が短期間で歯を動かせることについてご説明します。
部分矯正とは?
部分矯正は、全体の歯並びやかみ合わせではなく、部分的に気になる部分の歯並びだけを治す治療です。
部分矯正で治療可能なのは軽度の出っ歯やすきっ歯、ガタガタ、受け口などに限られます。軽度の不正咬合なので歯を大きく動かす必要がなく、治療期間が短くて治療費も抑えられるのが特徴です。
部分矯正に使う矯正装置は、ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正などです。
前歯だけの部分矯正の治療期間は?
部分矯正では、主に前歯の気になる部分だけを動かして歯並びを改善します。歯を大きく動かすことがないため、部分矯正は歯全体を動かす全体矯正(全顎矯正)よりも治療期間が短くなります。
早い方で3ヶ月程度、長い方でも1年程度で治療が可能です。
部分矯正の中でも期間が違う理由は、元々の歯並びが比較的整っているかどうかによります。僅かなすきっ歯など、ほんのすこし歯を動かすだけの場合は、治療期間が短くなりますが、歯の重なりがある場合は、少し期間が長くなります。
前歯は奥歯よりも早く動くの?
前歯と奥歯では歯の形が全く違っており、歯の根の数も違います。
前歯の歯根は1本だけですが、奥歯の歯根は2~4本あります。歯根の数の違いが、歯の動きやすさの違いに関係しています。
前歯の方が奥歯と比べて動きやすいので、主に前歯を動かす部分矯正の治療期間は、奥歯を動かす場合と比べて短期間になります。
歯はどのくらいの力で動くの?
矯正歯科治療では、歯に力をかけることで位置を動かしていきますが、強い力をかければ早く動くというものではありません。歯が動く時には、歯を支えている骨が溶けたり、新しい骨が出来たりといったことが起こっていますので、大きな力をかけ過ぎてはいけません。
前歯を動かすためには、100g~150g程度の力をかけます。そして、奥歯の場合は、200g~300gの力をかけるのが歯の移動のためには良いとされ、最適矯正力と呼ばれます。
歯が動きやすい人と動きにくい人ってあるの?
もっとも歯が動きやすいのは、成長期の子供です。歯の周囲の組織が柔らかいため、少し力をかけるだけで歯が動いてしまいます。
子供の時期に指しゃぶりや舌で歯を押す癖があると、出っ歯になりやすくなります。子供の歯は動きやすいため、ちょっとした癖で悪くなってしまう代わりに、矯正すれば治るのも早いです。
大人の場合は、健康で新陳代謝が活発な方は、骨が吸収されたり、新しく出来たりするサイクルが早くなり、歯がよく動きます。
まとめ
歯全体を動かす全体矯正が2~3年程度かかるのに対して、部分矯正は3ヶ月~1年程度で治療を終えることが出来ます。これは、部分矯正では主に前歯を動かし、前歯は奥歯よりも動きやすいということと、そもそも部分矯正では軽度の不正咬合しか治せないという理由によります。
部分矯正で治療が可能かどうかは、歯科医院で矯正のカウンセリングを受けて矯正担当医に診断してもらいましょう。