裏側矯正で喋りにくいのはいつまで?発音・滑舌を改善するコツを解説

執筆・監修:大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋


裏側矯正で喋りにくいのはいつまで?

裏側矯正は歯の裏側に矯正装置をつけるため、表側から装置が目立ちにくいことが大きなメリットです。その一方で、装置をつけた直後は舌がブラケットに触れ、発音しにくさや滑舌の変化を感じる方がいます。

結論からいうと、裏側矯正による喋りにくさは、舌が装置のある状態に慣れるにつれて徐々に改善していくことが多いです。ただし、慣れるまでの期間には個人差があります。

特にサ行・タ行・ナ行・ラ行など、舌先を前歯の裏側や歯ぐき付近へ近づけて発音する音は影響を受けやすくなります。

大切なのは、無理に早く話そうとすることではありません。
「早く話す練習」よりも、まず「正確に話す練習」から始めることが、裏側矯正中の発音に慣れるためのポイントです。

この記事では、裏側矯正で喋りにくくなる理由、慣れるまでの期間、発音しにくい音、喋り方のコツ、仕事や大切な予定がある方の注意点まで詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  1. 裏側矯正で喋りにくくなる理由
  2. 滑舌への影響がどのくらい続くのか
  3. 発音しにくくなりやすい音
  4. サ行・タ行などを発音するコツ
  5. 自宅でできる発音練習
  6. 接客・営業・電話対応など仕事中の対策
  7. 結婚式・面接・プレゼン前に治療を始める際の注意点
  8. 喋りにくさが改善しない場合の相談目安

裏側矯正では「装置が見えにくい」というメリットに注目しがちですが、治療方法を選ぶときには、見た目だけでなく普段どれくらい話す生活をしているかまで考えることが大切です。

 

目次

裏側矯正で喋りにくくなるのはなぜ?

裏側矯正で喋りにくくなるのはなぜ?の図解

裏側矯正では歯の裏側にブラケットとワイヤーがあるため、発音するときに舌が触れる場所や、舌を動かせる空間が治療前と変わります。そのため、装置をつけた直後は舌の動きがぎこちなくなり、特に舌先を使う音が発音しにくくなることがあります。舌の筋力が弱くなったのではなく、「装置がある状態での新しい舌の動き」にまだ慣れていないことが主な理由です。

歯の裏側に装置がつくことで、舌が触れる位置や動かし方が変わるため、一時的に喋りにくくなります。

私たちは普段、話すたびに舌の位置を細かく意識しているわけではありません。

しかし発音するときには、舌先や舌の側面を歯や歯ぐき、上顎の近くへ移動させながら、空気の流れを細かく調整しています。

裏側矯正を始めると、この場所にブラケットやワイヤーが加わります。

そのため、

  1. 舌がブラケットに当たる
  2. 舌を置く位置が治療前と変わる
  3. 舌を動かせる空間が狭く感じる
  4. 空気の通り道が変化する
  5. 舌を装置から避けようとして不自然な動きになる

といった変化が起こります。

裏側矯正では表側矯正より発音への影響が出やすいことが、これまでの臨床研究や系統的レビューでも報告されています。

ただし、これは「舌が弱くなった」という意味ではありません。
治療前にはなかった装置が口の中に加わったため、脳と舌が新しい環境に順応している途中と考えるとわかりやすいでしょう。

裏側矯正で喋りにくくなる主な理由

裏側矯正による発音の変化には、一つではなく複数の要因があります。
原因を理解しておくと、「滑舌が悪くなったまま戻らないのでは」と過度に心配せずに済みます。

原因 起こりやすい変化
歯の裏側にブラケットがある 舌先が装置に触れやすくなる
舌を動かせる空間が変わる 治療前と同じ舌の動きがしにくくなる
舌を装置から避けようとする 本来とは異なる位置で発音してしまう
空気の流れが変わる サ行などが不明瞭に感じることがある
舌に違和感や痛みがある 無意識に舌の動きを小さくしてしまう

装置そのものをなくすことはできませんが、舌は少しずつ新しい環境に対応していきます。
そのため、装着直後の喋りにくさだけを見て「裏側矯正は自分には無理だった」と判断せず、まずは変化をみながら慣らしていくことが大切です。

発音への影響は、ブラケットの形状や装置の設計によって異なる可能性も報告されています。

裏側矯正の喋りにくさはいつまで続くの?

裏側矯正をつけた直後は発音しにくさを感じることがありますが、舌が装置に慣れるにつれて徐々に改善する方が多いです。ただし、数日でほとんど気にならなくなる方もいれば、数週間以上かけて慣れる方もいます。発音への影響には装置の形状、舌の動かし方、もともとの歯並びなどによる個人差があります。

多くの場合は徐々に慣れていきますが、「何日で必ず治る」とは言い切れません。

裏側矯正を始めた方が最も気になるのは、「このまま喋りにくかったらどうしよう」という点ではないでしょうか。

多くの場合、装置をつけた直後が最も違和感を感じやすく、その後は会話を重ねるうちに舌が新しい位置へ順応していきます。

ただし、
「1週間たてば全員元通り」
「2週間で必ず治る」
というものではありません。

裏側矯正による発音への影響については、装着直後だけでなく1か月以降にも変化が確認された研究があります。
したがって、治療開始前には、「慣れるまでには個人差がある」
と考えておく方がよいでしょう。

装置をつけてから喋りにくさはどう変わる?

喋りにくさの変化には個人差がありますが、おおまかなイメージを持っておくと安心です。
以下は治療開始後の一般的な経過を理解するための目安です。

時期 感じやすいこと 意識したいこと
装着直後 舌が装置に当たる、発音が不明瞭に感じる 無理に速く話さず、ゆっくり発音する
数日程度 少しずつ舌の動かし方が分かってくる 苦手な単語を声に出して練習する
1~数週間 会話中の違和感が減ってくる方が多い 音読や日常会話を続けて慣らす
長く改善しない場合 特定の音だけ言いにくい、装置が強く当たる 担当医に装置や舌の状態を確認してもらう

早く慣れたいからといって、長時間無理に発声練習をする必要はありません。
日常会話そのものが練習になりますので、舌に傷や強い痛みがなければ、少しずつ会話を続けながら慣れていきましょう。

裏側矯正ではどの音が発音しにくくなるの?

裏側矯正では、舌先を前歯の裏側や歯ぐき付近へ近づけたり接触させたりして発音する音に影響が出ることがあります。日本語ではサ行・ザ行・タ行・ダ行・ナ行・ラ行などで違和感を感じる場合があります。特にサ行は空気の流れを細かく調整して作るため、装置による変化を感じやすい音の一つです。

サ行・タ行・ナ行・ラ行など、舌先を使う音で発音しにくさを感じることがあります。

すべての音が同じように話しにくくなるわけではありません。
裏側矯正では特に、前歯付近へ舌を近づける音で変化を感じやすくなります。

サ行・ザ行

  • サ行は、舌と前歯付近の間に細い空気の通り道を作って発音します。
  • 裏側に装置があることで空気の流れが変わり、「し」「す」などが聞き取りにくく感じる場合があります。

タ行・ダ行

  • 「た」「て」「と」などは舌先を上の前歯付近の歯ぐきへ接触させて発音します。
  • 装置によって舌が当たる場所が変わると、慣れるまで発音しにくく感じることがあります。

ナ行

  • ナ行も舌先を前方の歯ぐき付近へ当てる音です。
  • そのため装着直後は、普段とは違う位置で舌を動かす必要が出ることがあります。

ラ行

  • 日本語のラ行は、舌先を素早く接触させて発音します。
  • ブラケットへの接触を無意識に避けることで、発音がぼやける場合があります。

裏側矯正の発音に関する臨床研究でも、特に /s/ 音などについて変化が評価されています。

裏側矯正で喋りやすくするコツはあるの?

裏側矯正で喋りやすくするには、速く話す練習よりも、ゆっくり正確に発音する練習から始めることが大切です。苦手な音を含む日常的な単語を繰り返したり、短い文章を音読したり、自分の声を録音して確認したりする方法があります。装置を避けようとして舌の位置を必要以上に変えないこともポイントです。

「速く話す」より、「ゆっくり・正確に話す」ことから始めましょう。

おすすめしたいのは次の5つです。

1.普段より少しゆっくり話す

  • 裏側矯正をつけた直後に速く喋ろうとすると、舌が新しい位置へ追いつかず、かえって発音が乱れやすくなります。
  • 会話のスピードを少し落とし、一音ずつはっきり発音することを意識しましょう。

2.苦手な音を含む「普段使う言葉」を練習する

早口言葉から始める必要はありません。

例えばサ行が苦手なら、

「すみません」
「先生」
「承知しました」
「失礼します」

など、自分が普段よく使う言葉を練習してみましょう。

仕事中に使う会社名や商品名、自分の名前などを練習するのもおすすめです。

3.短い文章を音読する

  • 新聞や本、スマートフォンの記事などを1日数分声に出して読んでみましょう。
  • 最初は速さを競わず、聞き取りやすく話すことを意識します。

4.スマートフォンで録音する

自分が話している最中は、どの音が不明瞭なのか意外と分かりにくいものです。

録音して聞き返すと、
「サ行だけ聞き取りにくい」
「思ったより普通に話せている」
など、客観的に確認できます。

数日おきに録音して聞き比べると、改善も確認しやすくなります。

5.装置を避けようとしすぎない

  • 「舌を絶対にブラケットへ当てないようにしよう」と意識しすぎると、かえって舌が本来とは違う位置へ動き、不自然な発音になることがあります。
  • 目的は装置を完全に避けることではありません。

装置がある状態で、自分にとって話しやすい舌の動きを少しずつ覚えることが大切です。

これらに共通するのは、舌を強く鍛えることではなく、新しい口腔内の環境に舌を順応させることです。

サ行やタ行が言いにくいときは、どう練習すればいい?

発音しにくい音がある場合は、単音から始め、単語、短い文章、通常の会話という順番で練習すると取り組みやすくなります。最初から早口言葉に挑戦するより、苦手な音をゆっくり明瞭に発音する方が、装置のある状態での舌の位置を覚えやすくなります。

単音から単語、文章へと段階的に練習しましょう。早口言葉は最後で構いません。

例えばサ行が苦手なら、「さ・し・す・せ・そ」を一音ずつゆっくり発音します。

次に、
「先生」
「すみません」
「相談します」
など短い言葉へ進みます。

慣れてきたら、「先生に相談してみます」といった短い文章にしてみましょう。

タ行の場合も同じです。

大切なのは、
単音 → 単語 → 短い文章 → 普通の会話
という順番です。

早口言葉は、普通の文章が自然に話せるようになってからでも遅くありません。
「滑舌を良くしなければ」と思うと、つい速く言う練習をしたくなりますが、裏側矯正の装着直後は反対です。

まず正しい音を作れることを優先し、そのあとで会話の速度を戻していきましょう。

接客・営業・電話対応など仕事で話す人はどうすればいい?

営業、接客、教師、講師、電話対応など、仕事で話す時間が長い方でも裏側矯正は検討できます。ただし装着直後には発音への影響が出る可能性があるため、よく使う言葉を事前に練習したり、重要なプレゼンの直前を避けて装置をつけたりするなど、生活予定まで含めて治療開始時期を考えると安心です。

話す仕事の方は、装着直後の予定まで考えて治療開始日を決めるのがおすすめです。

裏側矯正には、「矯正装置が外から見えにくい」という大きなメリットがあります。

そのため、

  • 営業職
  • 接客業
  • 教師
  • 講師
  • 医療職
  • 電話対応が多い仕事
  • 人前に立つ仕事

など、見た目を気にされる方から選ばれることがあります。

ところが、ここには一つ注意点があります。
装置を見せたくない方ほど、人前で話す機会が多い場合があるということです。

見た目のメリットだけで裏側矯正を決めるのではなく、発音への一時的な影響についても知っておくことが大切です。

仕事で話す方ができる対策

仕事で話す時間が長い方は、日常生活とは少し違った準備をしておくと安心です。
装置をつける前からできることもあります。

場面 おすすめの対策
電話対応 普段より少しゆっくり、語尾まではっきり話す
営業・接客 挨拶や商品名など頻繁に使う言葉を事前に練習する
プレゼン 資料を一度声に出して読み、言いにくい単語を確認する
講師・教師 長時間話して舌に痛みが出ないか確認しながら慣らす
重要な予定 装置をつける時期を事前に担当医へ相談する

治療開始日は歯科医院側の都合だけで決めるものではありません。
患者さんの仕事や行事も矯正治療の大切な条件です。発音を特に重視する仕事をしている方は、カウンセリング時にそのことも伝えてください。

結婚式・面接・プレゼンの直前に裏側矯正を始めても大丈夫?

裏側矯正を始めること自体は可能でも、装着直後には発音の変化や舌の違和感が出る可能性があります。そのため、結婚式、面接、講演、動画撮影、重要なプレゼンなど「普段以上に話し方を気にする予定」が近い場合は、装置をつける時期について事前に担当医へ相談することをおすすめします。

大切な予定がある場合は、装着直後と重ならないよう開始時期を相談すると安心です。

矯正治療では「何月から治療を始めるか」が軽視されがちですが、裏側矯正では意外と重要です。

例えば、

  • 結婚式
  • 就職・転職の面接
  • 大切な商談
  • 社内プレゼン
  • 講演会
  • 動画撮影
  • 発表会

などを控えている場合です。

装置をつけた翌日に必ず喋れなくなるわけではありません。
しかし、どの程度発音に影響するかを事前に正確に予測することもできません。

そのため、発音が特に重要になる予定がある場合には、「この日に大切な予定があります」と担当医へ伝えてください。

私たちは、矯正装置の種類だけでなく、患者さんの仕事や予定まで含めて無理のない治療開始時期を考えることも、治療計画の一部だと考えています。

裏側矯正は表側矯正やマウスピース矯正より喋りにくいの?

発音への影響はどの矯正装置でも起こる可能性がありますが、裏側矯正は舌が直接触れる歯の裏側にブラケットがあるため、表側矯正より喋りにくさを感じやすい傾向があります。マウスピース矯正でも装置による厚みや空気の流れの変化で、一時的に発音しにくく感じることがあります。

舌側に装置がある裏側矯正は、表側矯正より発音への影響を感じやすい傾向があります。

どの矯正装置にも特徴があります。

裏側矯正だけを「喋りにくい装置」と考えるのではなく、

  • 見た目
  • 発音
  • 違和感
  • 清掃のしやすさ
  • 自分で取り外せるか

などを総合して選ぶことが大切です。

裏側矯正と表側矯正を比較した研究では、裏側矯正の方が発音の難しさを感じやすい傾向が報告されています。

矯正装置による発音への影響の違い

装置を選ぶ際には、見た目だけでなく日常生活への影響も比較してみましょう。
発音については、おおむね次のような特徴があります。

矯正方法 発音への影響 主な理由
裏側矯正 装着直後に感じやすい 舌が触れる歯の裏側にブラケットがある
表側矯正 裏側矯正より影響が小さい傾向 舌側にブラケットがない
マウスピース矯正 一時的に違和感を感じることがある 歯を覆う厚みや空気の流れが変わる

どの治療法がよいかは、発音だけでは決まりません。
人前で話す機会が多い方は、その点を歯科医師へ伝えたうえで、見た目や適応する歯並び、費用、治療期間なども含めて比較するとよいでしょう。

裏側矯正の喋りにくさを改善するために舌を鍛えた方がいいの?

裏側矯正による発音の変化は、単純に舌の筋力が不足して起こるものではありません。装置によって舌の接触位置や動かし方が変わることが大きな要因です。そのため、強い舌の筋力トレーニングを行うことより、音読や会話などを通して新しい口腔内環境に舌を慣らしていくことを優先します。

「舌を鍛える」より、「装置がある状態での舌の動きに慣れる」ことを優先しましょう。

以前は、裏側矯正で喋りにくいときに「舌を鍛えればよい」と考えられることもありました。

しかし、裏側矯正をつけた直後に喋りにくくなる主な理由は、舌の筋肉が弱くなったことではありません。
装置によって、舌が触れる場所と動く空間が変わったことが大きく関係します。

そのため、

  1. 短い文章を読む
  2. 日常会話を続ける
  3. 苦手な音だけゆっくり練習する
  4. 自分の声を録音する

といった、発音そのものに慣れる練習を優先してよいでしょう。

なお、発音への影響はブラケットの形状などによっても異なる可能性が報告されています。

喋りにくさが長く改善しない場合は歯科医院へ相談した方がいい?

発音への影響には個人差があるため、数週間経っても多少の違和感が残ること自体だけで異常とは限りません。ただし、装置が舌に強く当たる、舌に傷ができる、ワイヤーが刺さる、発音がまったく改善しない、仕事や日常生活に大きな支障が出ている場合には、担当医に相談してください。

強い痛みや舌の傷、装置の異常、長く続く強い発音障害がある場合は相談しましょう。

次のような場合には歯科医院へご相談ください。

  1. ブラケットが舌に強く当たって痛い
  2. 舌に傷や口内炎が繰り返しできる
  3. ワイヤーの端が舌に刺さる
  4. 装置が外れている
  5. 長期間たっても発音がほとんど改善しない
  6. 喋りにくさで仕事や日常生活に強い支障がある

単に「まだ慣れていない」のか、装置に調整が必要なのかは自分では判断しにくいことがあります。

遠慮せず担当医へ伝えてください。

喋りにくいことで治療期間・費用・通院回数は増えるの?

発音しにくいこと自体が、通常は矯正治療期間を長くする原因になるわけではありません。ただし、ブラケットやワイヤーが舌に強く当たり、装置の調整が必要になった場合には予定外に受診していただくことがあります。発音だけを理由に追加費用が必ず発生するものではありませんが、医院の料金体系によって異なるため事前確認が必要です。

喋りにくいだけで治療期間が延びるわけではありませんが、装置の調整が必要なら臨時受診する場合があります。

裏側矯正の発音への影響は、基本的には「装置に慣れる過程で生じる問題」です。
そのため、「滑舌が悪くなったから歯が動かなくなる」というものではありません。

一方で、

  • ワイヤーが突出している
  • ブラケットが外れた
  • 舌が傷ついて会話できない

などのトラブルがある場合には、調整が必要になることがあります。

費用や通院回数については医院によって異なりますので、治療開始前に「装置のトラブルによる臨時受診の費用」について確認しておくと安心です。

裏側矯正の発音についてよくある質問

Q1.裏側矯正をすると必ず滑舌が悪くなりますか?

必ずではありません。
装置をつけた直後に発音の変化を感じる方はいますが、その程度には個人差があります。
特に舌先を使う音では違和感を感じやすくなります。

Q2.何日くらいで普通に喋れるようになりますか?

数日から数週間で慣れていく方が多いですが、「○日で必ず元通りになる」とは言い切れません。
装置の種類や舌の動きなどによって個人差があります。

Q3.特に言いにくくなる音はありますか?

サ行・ザ行・タ行・ダ行・ナ行・ラ行など、舌先を前歯の裏側や歯ぐき付近へ近づける音で違和感を感じることがあります。
特にサ行は空気の通り道が変わるため、変化を感じやすい音の一つです。

Q4.営業や接客の仕事でも裏側矯正はできますか?

治療自体は可能です。
ただし装着直後には発音に影響が出ることがあります。
人前で話す仕事をされている方は、重要な予定と装置の装着日が重ならないよう、治療開始時期について担当医へ相談しておくと安心です。

Q5.早口言葉を練習すると早く慣れますか?

最初から早口で話す必要はありません。
まずは苦手な音をゆっくり発音し、単語、短い文章、通常の会話へと段階的に進める方が取り組みやすいでしょう。

Q6.裏側矯正を外せば発音は元に戻りますか?

装置そのものによる舌への影響はなくなります。
ただし、治療によって歯並びや噛み合わせも変化するため、発音の感じ方には個人差があります。

気になる場合は治療終了後にも担当医へご相談ください。

まとめ|裏側矯正中は「早く話す」より「正確に話す」ことから慣らしましょう

裏側矯正では歯の裏側にブラケットとワイヤーがあるため、装着直後は舌の位置や動かし方が変わり、喋りにくくなることがあります。

特に、

  • サ行・ザ行
  • タ行・ダ行
  • ナ行
  • ラ行

など、舌先を使う音では違和感を感じることがあります。

ただし、これは舌の筋力が弱くなったからではありません。
これまで何もなかった歯の裏側に装置が加わり、舌が新しい環境に適応している途中だからです。

多くの場合は、日常生活で会話を重ねるうちに少しずつ慣れていきます。

喋りやすくするためには、

  1. 少しゆっくり話す
  2. 苦手な音だけ練習する
  3. 短い文章を音読する
  4. スマートフォンで自分の発音を録音する
  5. 装置を避けようとして舌の位置を変えすぎない

といった方法を試してみましょう。

ここで大切なのは、「早口言葉ができるようになること」ではなく、「相手に伝わるように話せること」です。

特に営業、接客、教師、講師など、人前で話すことの多い方の場合、「外から矯正装置を目立たせたくない」という理由で裏側矯正を希望されることがあります。

一方で、そのような方ほど発音への影響も重要になります。

私たちは、矯正装置を選ぶ際には「見えるか・見えないか」だけではなく、患者さんが普段どのような仕事をし、どのような場面で話すことが多いのかまで含めて考えることが大切だと考えています。

結婚式や面接、大切なプレゼン、講演などが近い場合には、治療そのものを諦める必要はありません。

ただ、装置をつけるタイミングを少し工夫できることもあります。
矯正治療は長期間続くものだからこそ、歯並びだけではなく、仕事や生活との付き合いやすさも大切です。

「仕事で毎日電話をします」
「人前で話すことが多いです」
「来月、大切なプレゼンがあります」

といったことも、カウンセリングで遠慮なくお話しください。

そして、装置をつけてしばらく経っても強い喋りにくさが続く、舌に傷ができる、ワイヤーが当たって痛いといった場合には、我慢せず担当医へ相談しましょう。

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