矯正したのに後戻り!舌癖の改善

矯正したのに後戻り!舌癖の改善

歯列矯正をしたのに後戻りして歯並びが再び悪くなってしまうということが稀に起こります。「子供の頃に矯正治療をしてきれいな歯並びになったのに、また歯並びが悪くなってきた」という方の中には、舌癖などのクセが原因の方もおられます。

矯正したけど後戻り。舌癖のせい?

矯正の治療後は歯列が元の位置に戻らないように、リテーナー(保定装置)を2~3年間つけて頂きます。リテーナーをつける期間は歯科医師によって様々ですが、平均すると2~3年間というケースが多いです。歯並びが戻ってしまうのを予防するために、もっと長い年数リテーナーをつけ続けることをおすすめする場合もあります。

矯正後に歯列が後戻りしてしまった方で多いのは、リテーナーの装着期間を何年も過ぎてから、つまり子供時代に矯正をしていたけれど大人になったら少しずつ歯が元に戻ってきたというケースです。

「時間もお金もたくさんかかったのに、クリニックがしっかり配慮してくれなかったせいでは?」と担当の歯科医師に対して不満を持たれることもありますが、実は、日常的な習慣の中に、歯の後戻りを引き起こす原因があります。今からご紹介する舌癖(ぜつへき)と呼ばれる悪いクセ、皆さんは行っていませんか?

舌癖とは?

舌で歯を押す癖

舌癖、ぜつへきと読みます。
文字通り、舌の癖で、本来存在すべき位置に舌がないということです。

どのような癖が多いかと言いますと、気づかないうちに歯の間から舌が出る癖、舌を歯の裏側にぴったりつけて常に前歯の裏側から前へ押し続ける癖、口呼吸などで唇の締まりが悪いなど、様々なケースにこの舌癖が関係しています。そのため、出っ歯や開咬などの歯列のみならず、発音にも影響を及ぼすと言われています。

舌癖の種類

・上の前歯を舌で押す
・下の前歯を舌で押す
・上下の歯を舌で押す
・歯の間から舌を出す

無意識のうちにこのように舌で歯を押し続けると歯の位置が移動して、結果として悪い歯並びになってしまいます。

舌癖の原因

指しゃぶり

指しゃぶり

指しゃぶりをしている時は、指を上顎につけて舌を指の下につけた状態になります。これによって舌の筋肉のバランスが崩れ、ツバの飲み込み方もおかしくなります。

親の悪い癖を真似る

親の悪い癖をまねる

親が口を開けてテレビを見たり、食事の時に音を立てていたりすると、子供は親のしていることをそのまま真似て悪い習慣を覚えてしまいます。

唇を噛んだり吸ったりする癖

常に唇を噛んだり吸ったりしていると、舌位置がおかしくなります。

食べ物を噛まずに飲み込む

噛まずに飲み込む

離乳食が始まる時期におかしな食べ方を覚えてしまうと、それが習慣として身についてしまいます。

お口の中での舌の正しい位置はどこ?

正しい舌の位置

写真の白い丸の部分がスポットです。
この丸の位置に舌をつけるようにすると、正しい位置に置くことが出来ます。

舌が前歯に触れないようにしながら上顎にぴったりと付くように置きます。
スポットの位置に舌をずっと置くのが難しい方は、日ごろから少し舌の位置が下がり気味になっています。今後はなるべく気を付けて、舌を上顎のスポットの位置につくようにしましょう。

舌がスポットの位置にあると、舌の力で歯を押して歯列を乱すことはありませんし、唾液の蒸発を防いで免疫を強化することに繋がります。

舌癖が理由の後戻りは自分で治せるの?

後戻りした歯並びについては、自分自身で方法を見つけてなんとかしようとはせず、まず矯正歯科へ相談しましょう。歯は思いもかけない力で、大きく動くこともあります。

費用が惜しいからと、患者様ご自身で強い力で無理やり歯や歯ぐきを押さえつけると、デメリットしかありません。歯が揺れて噛み合わせが悪化したり、歯髄と呼ばれる歯の神経を痛めてしまうトラブルを起こす可能性があるからです。必ず医院を受診し、担当医に保定装置を再作製してもらい、歯を正しい位置に戻す処置をしてもらいましょう。

前歯数本が前に出てきたり、歯列がガタついたりという場合は、部分矯正を行えば再びきれいな歯並びに戻すことが出来ます。
部分矯正が適応されるケースの場合は、担当医から治療計画や治療費についてのお話があると思いますので、矯正の再治療を行うことも視野に入れていただけると、美しい歯並びにより近づきます。

舌癖そのものを治す方法

もし、舌癖が深刻な状態の場合、MFTと呼ばれる口腔筋機能療法というトレーニングを欠かさず行うことも一つの方法です。時間をかけて訓練を行う事により、舌癖を改善し、舌や頬の筋肉などを正常な位置へ戻すことが可能です。

MFT(口腔筋機能療法)とは、舌癖を改善するために開発されたお口の周りの筋肉を鍛えるトレーニング方法で、主に矯正歯科で行われています。

舌の位置を正しくすることで舌や唇の筋肉をしっかり使えるようになり、正しい飲み込み方や正しい発音が出来るようになります。その結果、舌で前歯の裏側を押す癖がなくなり、歯並びを悪くしないということに繋がります。

舌癖に関するQ&A

Q:歯並びが悪いのは舌癖か原因なのかどうすればわかりますか?

A:舌癖のある方の代表的な特徴は以下の通りです。
・出っ歯、反対咬合、開咬等の歯列の異常がある。
・「サシスセソ」が「タチツテト」に近い発音になる。
・口呼吸になっている。
・口を開けてものを食べている。
・ストローを横向きに唇で挟んで、口の横から水を注ぎます。正常な舌の位置では、水を飲む時に舌がストローの上に来ます。
これ以外にも舌癖を診断するポイントはありますので、ぜひ一度矯正歯科にご相談の上、診断を受けてみて下さい。

Q:トレーニングをするだけで歯並びは改善しますか?

A:トレーニングは舌の悪いクセを治し、正しい舌の使い方と位置を覚えるためのものです。
舌癖が治ると舌で歯を押すことがなくなるので、今以上に歯並びが悪くなることは避けられますが、既に出っ歯などの不正咬合になってしまっている場合はトレーニングの他に矯正装置を着けての治療が必要になります。

まとめ

舌癖

いかがでしたか。
今回は、舌癖が原因で矯正した歯並びが後戻りする場合があるということをお伝えしました。せっかく歯医者で正しい位置に歯を移動させても、少しの悪いクセで戻ってしまうことがあるので注意が必要です。

クセを続けている限り、お口に対してメリットは一つもないという事が、ご理解いただけたのではないでしょうか。「これ、私も普段しているクセだ」と思われた方はできるだけ改善するように注意すると、歯並びの悪化を防ぐことができます。

また、矯正治療後の歯列の後戻りには他の原因もありますので、以下の記事もあわせてお読みください。

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