マウスピース

マウスピース矯正しながら運動してもOK?

マウスピース矯正しながら運動してもOK?

歯並びが悪くマウスピース矯正に興味を持っていても、毎日運動をしているので矯正に影響がないか疑問に思う方もおられます。今日は装置を歯につけたままで運動を行えるかということについてご説明します。

スポーツをしていますが、マウスピース矯正は出来ますか?

「スポーツをしているけれど、矯正治療を始めたい…」「ぶつかった時に装置が壊れないか心配…」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんね。実は、スポーツをされている方にはマウスピース矯正(インビザラインなど)が適していることが多いのです。その理由についてご説明します。

1. 歯にブラケットやワイヤーをつけないので安全性が高い

ワイヤー矯正の場合、スポーツ中に口元に衝撃が加わると、ブラケットが唇や頬の内側を傷つけてしまうことがあります。しかし、マウスピース矯正は透明なプラスチック製なので、もし顔にボールが当たったり、接触プレーがあったりしても、口内を傷つけるリスクが少ないのです。

特に、コンタクトスポーツ(サッカー、バスケットボール、ラグビーなど)をされている方にとっては、大きなメリットになりますね。

2. 取り外しができるので、競技に合わせて調整可能

マウスピース矯正の最大の特徴は、自由に取り外しができることです。

  • 試合や練習中に違和感がある場合は、一時的に外すことができる
  • 公式戦など、どうしても外したいタイミングでも調整可能

ワイヤー矯正の場合、外せないので違和感を抱えたまま競技を続ける必要がありますが、マウスピース矯正なら状況に応じて柔軟に対応できるのがポイントです。

3. スポーツ用のマウスピースと併用しやすい

コンタクトスポーツや格闘技などでは、歯を守るためにマウスガード(スポーツ用マウスピース)の装着が推奨されています。マウスピース矯正なら、矯正用マウスピースを外し、スポーツ用のマウスガードに交換することが可能です。

ただし、マウスピース矯正は1日22時間以上の装着が必要なので、試合や練習の時間を考慮しながら、矯正のスケジュールを調整することが大切です。

4. 衝撃による破損や装置のズレが少ない

ワイヤー矯正の場合、激しいスポーツをしていると装置が曲がったり外れたりすることがあります。そうなると、その都度歯科医院で調整が必要になります。

一方で、マウスピース矯正はシンプルな構造なので、外的な衝撃による破損が少なく、トラブルが起こりにくいのもメリットです。

スポーツをしていてもマウスピース矯正は可能 ただし注意点もあります

スポーツをしながらマウスピース矯正をする場合、いくつか注意点があります。

  • 装着時間を守る(1日20時間以上)
  • 水分補給時は糖分を含む飲み物を避ける(スポーツドリンクは虫歯リスクが高くなるため)
  • 試合中は外してもOKだが、終わったらすぐ装着する

この点に気をつければ、スポーツと矯正治療を両立することができます。

マウスピース矯正して運動できるスポーツとは

インビザライン装着

矯正治療中に運動を行いたい場合、マウスピース矯正ならばまだ可能性が高いです。ランニングなどの口元に影響のない運動でしたら問題ありません。しかし、球技の場合は治療中にはおすすめできない競技があります。

顔にボールが当たるスポーツはNG

バレーボール、バスケットボール、サッカー、ホッケーなどは、特に顔にボールが飛んできやすい競技です。ボールが顔に当たると、衝撃が大きいので、マウスピース矯正でもあまりおすすめできません。ボールの衝撃で装置が壊れて口の中を怪我する可能性があるからです。

体が当たるスポーツはNG

アメフト、ラグビー、ボクシング、柔道などは、体が強くぶつかる競技です。ボディコンタクトの多い競技については、上記と同様で口腔内のけがの恐れがあります。また、歯をぐっと噛みしめる事も多いため、噛みしめによりマウスピースの破損の危険性があります。

運動をするときの注意点

運動を行う際の注意点があります。矯正用のマウスピースは、スポーツ用のマウスピースとは厚みや強度が違います。あくまでも歯並びを整えるための装置であり、口元を噛みしめる強い力に対応できるようには作られていません。

また、矯正用のマウスピースは、歯にピッタリ沿っているので、唾液の自浄作用が歯には届きません。つまり、普段よりも虫歯になりやすいというデメリットがあります。運動を行うと体のみではなく精神面も緊張が増すので、緊張状態で唾液の分泌が減り、ますます口腔内の虫歯リスクが上がります。

飲み物を飲むときに注意しよう

通常、運動をすると汗をかきますので、水分補給が必須です。水ではなく、スポーツ飲料で水分補給をされる人が多いですが、スポーツ飲料は糖分や酸が多い飲み物です。虫歯予防、着色予防の点からも、マウスピースを装着しながら飲む場合は、水を飲むようにしましょう。

装置を外して飲む場合は、スポーツ飲料でも構いませんが、必ず飲んだ後に口をゆすぐか、歯磨きなどのオーラルケアを行ってください。

歯列矯正用のマウスピースとスポーツ用のマウスピースをどのように使い分ければいいですか?

「マウスピース矯正をしているけれど、スポーツ時にマウスガードも必要…どうやって使い分ければいいの?」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。実は、歯列矯正用のマウスピース(インビザラインなど)とスポーツ用のマウスピース(マウスガード)は、適切に使い分けることが大切なのです。それぞれの役割と、使用のポイントをご説明しますね。

1. それぞれのマウスピースの役割とは?

まずは、歯列矯正用とスポーツ用のマウスピースの違いを確認しておきましょう。

歯列矯正用マウスピース(インビザラインなど)

  • 透明なプラスチック製で、歯を正しい位置に移動させる役割
  • 1日20時間以上の装着が推奨されている
  • 食事や歯磨きの際に取り外し可能

スポーツ用マウスピース(マウスガード)

  • ボクシングやラグビーなど、衝撃から歯を守るための装置
  • 分厚く、クッション性がある素材で作られている
  • 歯にフィットし、強い衝撃を受けても歯が欠けたり折れたりするのを防ぐ

このように、それぞれのマウスピースには異なる役割があるため、スポーツ中はスポーツ用のマウスガードを使用するのが基本です。

2. スポーツ中のマウスピースの使い方

「では、スポーツをする時にどうすればいいの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。スポーツ中は、以下のように使い分けるのがベストです。

試合や練習中は、矯正用マウスピースを外し、スポーツ用マウスガードを装着する
 → ぶつかったときの衝撃を吸収し、歯を守るために必要

練習や試合が終わったら、すぐに矯正用マウスピースを装着する
 → 1日22時間以上の装着が必要なため、長時間外したままにならないようにする

スポーツ後は、できるだけ早く矯正用マウスピースを装着することで、矯正の効果をキープしやすくなります。

3. スポーツ時に気をつけるべきポイント

スポーツをしながら矯正治療を進める場合、いくつかの注意点があります。

マウスピースを装着している間は水以外の飲み物は避ける
 → スポーツドリンクには糖分が含まれており、虫歯のリスクが高まるため注意!

マウスピースの衛生管理を徹底する
 → スポーツ後は汗や唾液が付着するため、しっかりと洗浄することが大切

矯正用マウスピースを持ち歩くケースを用意する
 → スポーツ用マウスピースをつける際に、矯正用マウスピースを無くさないように専用ケースに入れて保管する

このように、矯正治療とスポーツを両立するには、適切なタイミングでの使い分けが重要です。

矯正治療とは

矯正治療種類

矯正治療の装置の種類は、大きく分けるとワイヤー矯正と、マウスピース型装置の2つに分かれますが、歯科医院の治療方針や、歯科医師の専門分野により、取り扱っている装置が異なるケースがあります。

子供が乳歯の段階で行う場合、混合歯列期に行う場合、永久歯が生え揃い成人になってから行う場合など、時期も様々ですが、今日は永久歯が生えそろってからの矯正という前提でご説明します。

歯を部分的に動かすか、歯全体や噛み合わせまで考慮して動かすかなど、歯を動かす範囲によって、料金は違います。部分矯正ならば治療期間は早く終わります。

保険適用外のため、トータルフィー制度を導入している医院、都度管理費が発生する医院などクリニックごとに違いがあるため、治療前にしっかりと確認しておきましょう。

ワイヤー矯正の特徴

ワイヤー矯正の種類には、歯の表側にワイヤーとブラケットをつける表側矯正と、歯の裏側にブラケットを装着する裏側矯正(舌側矯正)があります。

ワイヤー矯正は、治療期間が短く済むことが多く、費用が少し安いというメリットがあります。殆どの不正咬合に対応出来ることも大きな特徴です。

マウスピース矯正の特徴

マウスピース矯正は、当院ではインビザラインというカスタムメイドの装置を使用します。透明なプラスチック製で、食事の度にご自身で取り外しが可能なため普段通りの食事が出来、金属アレルギーの方にも向いています。

また、1日22時間以上の装着が必要で、食事と歯磨きの時以外はつけたままになります。マウスピースに薬剤を入れて装着することで歯のホワイトニングを同時に行えます。

まとめ

歯のキャラクター

歯のお悩みは千差万別です。受け口(反対咬合)、上と下の歯に隙間がある(開咬)、咬み合わせが深い(過蓋咬合)、すきっ歯(正中離開)などお悩みを抱えていて、運動をされるという方も一定数いらっしゃると思います。歯並びや噛み合わせが改善すると、パフォーマンスが上がるということも言われています。カウンセリングで歯のお悩みがある方はスタッフやドクターに質問し、相談してみましょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

▶プロフィールを見る