
「インビザラインって痛くないんじゃないの…?でも、なんかズキズキするし不安…」
そんな風に感じている方、多いと思います。でも大丈夫。インビザラインの痛みは、ちゃんと理由があって、その多くは一時的なもの。この記事では、「なぜ痛いのか?」から「どう対処すればいいのか?」まで、歯科医の視点でやさしく解説します!
目次
どんな時に痛くなりやすいの?よくある5つの原因

インビザラインは「痛みが少ない矯正」といわれていますが、ゼロではありません。特に次のようなタイミングで痛みを感じやすいんです。マウスピース矯正特有の痛みについてご説明します。
→歯が動き始める最初の数日は特にズキズキしがち。このタイプの痛みは2~3日か、長くても1週間でおさまります。新しいアライナーに替える度にこうした痛みを感じるかもしれません。
→歯と骨の間に力が加わり、軽い炎症が起こってるサイン。アライナーを装着して歯が動いてくると、歯と骨の間にある組織に力がかかって炎症が起こるため痛みを感じます。 鎮痛剤を服用して一時的に痛みを和らげるという方法もありますが、鎮痛剤によって歯の動きが悪くなるため、出来れば鎮痛剤は控えた方が良いです。
→フチのカドが当たって痛みになることも。アライナーが変形してしまって歯から浮いている時に、アライナーの辺縁が歯肉に当たって痛みを起こすことがあります。 こうした痛みの場合は必ず担当医に連絡しましょう。
→製造時にエッジが荒れていたり、浮いていたりする場合。ごく稀にですが、アラインテクノロジー社から納品されたインビザラインのアライナーが研磨不足で辺縁の一部が滑らかになっておらず、歯肉を傷つけることが実際にあります。 アライナーが歯茎に当たって痛い場合は、早めに歯科医院に連絡し、研磨してもらいましょう。
→久々に装着したらキツくて痛い…これ、良くあることです!インビザラインは1日22時間以上の装着が推奨されます。これよりも短いと、歯が僅かに後戻りをしてしまい、治療計画通りに歯が動かない可能性があります。数時間~数日間もアライナーをつけていなかった場合は、後戻りが大きくなり、次にアライナーを歯に付けた時に、アライナーが合っていないために、しめつけられるような痛みが発生するリスクがあります。
その痛み、どれくらい続く?目安の期間はコレ!

「この痛み、いつまでガマンすればいいの!?」って思うよね。
だいたいの目安はこんな感じ
新しいアライナーの痛み → 2〜3日、長くても1週間以内
装着中の違和感 → 初期は数日〜1週間程度で慣れる人が多い
ずーっと続く強い痛み → 1週間以上あるなら歯科医院へ!
どんどん軽くなるならOK、逆に悪化してるなら即相談!
我慢しなくてOK!痛みをやわらげるセルフケア5選
無理せず快適に過ごせるように、次のような対策を試してみて!
→血管を収縮させて、ズキズキ感がスッと軽くなります。
[jin_icon_number12square size=”20px”] 柔らかめの食事にシフト!
→おかゆ・スープ・豆腐・煮物・スクランブルエッグなどがおすすめ
→ロキソニンなど、胃に優しいタイプを少量に。習慣化はNG!
→雑菌の繁殖や炎症悪化を防ぐため、歯磨き&洗浄はしっかりね
→鋭いフチや段差があれば、無理せず歯科医院へ連絡!
この痛みは普通?受診すべき“危険サイン”チェック!
以下のような症状があれば、「ガマンしちゃダメ!」即相談しましょう。
鋭い痛みが1週間以上続く
アライナーが浮いていて明らかにフィットしてない
歯茎が腫れてきた/出血してる
口内炎が悪化して話しにくい
噛み合わせがズレて食事が困難に
インビザラインは微調整も可能なので、我慢するより相談の方が絶対に早く楽になります!
ワイヤー矯正より本当に痛くないの?
結論:痛みは確実に少ない傾向アリ!
なぜなら…
ワイヤー矯正 → 強い力で一気に動かすから痛みが出やすい
インビザライン → 少しずつ毎回0.25mmだけ動かすから、じわじわ系の痛み
もちろん個人差はありますが、「ズキズキ感」や「違和感」は軽めで済む人が多数。
「ワイヤー矯正は怖いけど、インビザラインならいけるかも…」って方が、実はかなり多いんです。
インビザラインが痛い時のセルフケア

「インビザライン、地味に痛い…」そんな時、ムリせずにできるセルフケア方法をご紹介します。どれも簡単なので、焦らずできることから試してみてくださいね。
- 圧力による痛みに対しては、冷たい食べ物や飲み物で一時的な鎮痛効果を得るか、痛みがひどい場合は鎮痛剤を使用することがあります。
- アライナーの装着時間を守ることで、歯をアライナーからの圧力に慣れさせることが重要です。
1. やさしく冷やして痛みをクールダウン
アライナーを交換した直後など、歯や歯茎にズキッとした違和感があるときは、冷たい飲み物や冷やしたタオルなどで優しく冷やしてあげましょう。
一時的に血管が収縮することで、痛みが和らぎやすくなります。ただし、氷をガリガリ噛むのはNG! 歯にダメージを与える可能性があるので避けてくださいね。
2. やわらかい食べ物にシフトチェンジ

→ 硬いものは歯にガツンとくるので避けて、スープ・おかゆ・煮物がおすすめ!
痛みがある時に硬いものや噛みごたえのある食事をすると、歯への刺激が強くなってツラく感じることがあります。そんな時は、おかゆ・スープ・煮込み料理・スクランブルエッグなど、噛まずに食べられる系にチェンジがおすすめ。
「食べるのもつらい…」と感じたら、無理せずやわらか系で優しく乗り切りましょう。
3. 市販の鎮痛薬で無理せずサポート

→ どうしても我慢できない時は、ロキソニンなどの胃に優しいタイプを。使いすぎはNG!
インビザラインでの痛みはワイヤー矯正よりは軽いもので、通常は鎮痛剤を飲むほどではありません。そのためお薬を服用される場合は、医院で処方する強い鎮痛剤よりも、ドラッグストア等で市販されている胃にやさしいタイプの鎮痛剤をお勧めします。
ただし、鎮痛剤を服用すると歯が動きにくくなるという見方もあります。歯科医師によって意見が分かれるところですので、気になる方は主治医に質問しましょう。
大きな痛みを感じる場合や、1週間以上も続く場合は、必ず担当医にご相談ください。必要に応じてマウスピースを僅かにカットするなどの改善処置を行うことがあります。また、理由によっては治療計画を作り直し、アライナーを再度作製することもあります。
痛みの原因によって的確な対処を行い、痛みが緩和され、患者さんが途中で放棄しないでマウスピース矯正を続けられるようにしていきます。
4. アライナーが当たって痛い時は“ガマンしない”で相談を!
もし、アライナーのフチが歯ぐきに食い込んでるような鋭い痛みがある場合、それは「ただの慣れ」ではなくアライナーの不具合や適合の問題かもしれません。
アライナーの端が鋭い・引っかかる
明らかに浮いてる or しめつけが異常に強い
1週間以上、痛みが続いてる
↑こんなときは、すぐに歯科医院に連絡して相談しましょう!
ムリして使い続けるのは逆効果です。必要に応じてアライナーの再調整やカットなどの対応をしてくれるので、ご安心を◎
矯正治療中の痛みの対処
インビザライン矯正は、患者さんの不正咬合の度合いによって治療期間や歯にかかる痛みが違います。全体矯正では2~3年かかる方が多いため、歯が動く際の痛みの管理についてきちんと知っておきましょう。
1. 正しい方法で装着することと洗って清潔な状態で使うこと
アライナーは、1日22時間以上装着することが推奨されています。更に、食事や歯磨きの際には取り外す必要があり、歯もアライナーも綺麗に洗ってから再装着することが望ましいです。
また、1枚のアライナーを1~2週間使い続けるため、日々のお手入れを怠らないことが重要です。正しい使用とケアによって、痛みや不快感を最小限に抑えることができます。
2. 定期的な歯科健診
歯科医師による定期的なチェックアップは、矯正の進行状況を監視し、必要に応じて調整を行うために重要です。これにより、予期せぬ痛みや問題を早期に発見し、対処することができます。
矯正治療中の痛みは、治療の進行とともに徐々に軽減されることが多いです。しかし、長期間続く場合や、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、速やかに歯科医師に相談することが大切です。
マウスピース矯正「インビザライン」について

そもそもインビザラインって、どうやって歯を動かしてるの?
実はこの仕組みが、“痛みの出方”にも関係してくるんです。
インビザラインは、アメリカにあるアライン・テクノロジー社が開発した、取り外しができる透明なマウスピース型装置を使った治療法です。同じような種類のマウスピース矯正は他にもありますが、前歯の部分矯正だけでなく全体矯正にも使えて、複雑な不正咬合にも対応できるという面で優れているのがインビザラインです。
歯のガタガタや八重歯(叢生)の症例で歯列にお悩みの方や、接客業等のお仕事でワイヤーの矯正装置が付けられない方などに最適な治療法です。
まず矯正歯科で検査をし、iTeroかシリコンで歯型を取ります。そのデータを元に患者さんの独自のマウスピースを作製します。マウスピースは1枚あたり約0.25ミリ歯を動かします。不正咬合の程度によってマウスピースを何枚使うかが決まります。
歯型のデータを3Dで画面で見ながら治療計画を立てますので、矯正治療完了までの歯の動き方を実際に画面上で見ることができます。
そのゴールに向けて、患者さんはアライナーと呼ばれるマウスピースを一日22時間以上装着していただくことになります。定期通院の際にクリニックでドクターと歯の動きをチェック、調整しながらアライナーを交換していくことにより、徐々にきれいな歯並びに近づけていきます。
まとめ
インビザラインの痛みは“怖くない”!
インビザラインでも痛みはあるけど、だいたい2〜3日で落ち着く軽めのものが多い
正しいセルフケアでグッとラクになる!
強い痛みや1週間以上続く時は、早めに相談でストレス軽減!
ワイヤー矯正に比べて、痛みは少なめ&ストレス少なめなのが魅力!
不安な時は、無理せず歯科医院に聞いてOK。
インビザライン矯正、ムリなく続けてキレイな笑顔をゲットしよう!