よくある質問

矯正中に歯が痛い時のフロスはどうすればいい?

矯正中のフロスが痛いのはどうすればいい?

ワイヤー矯正や裏側矯正の場合、食後の歯磨きは行いにくいものです。歯ブラシのみでは矯正装置に挟まった食べかすなどを除去しにくいため、タフトブラシや歯間ブラシも使っておられる方が多いと思います。今日は矯正治療中のデンタルフロスの使用についてご説明します。

矯正中に歯が痛い時のフロスはどうすればいい?

矯正の装置をつけていると、フロスを歯と歯の間に通すことが難しいです。しかしオーラルケア不足になると歯と歯の間などに歯垢がついたままになって虫歯や歯周病を起こしやすくなります。

特に矯正装置の調整後に一時的に痛みが出ている場合で、デンタルフロスの糸を歯間に通すことが難しい場合、一時的にデンタルウォッシュを併用するという方法もあります。

歯の痛みが気にならなくなれば、フロスを通すようにしましょう。お口のケアとしてはフロスがより安心でき、痛む原因となるトラブルを未然に防ぐことができます。

●デンタルウォッシュ
マウスウォッシュによりぶくぶくうがいを行うと、口内を衛生的に保つことが可能です。デンタルウォッシュの薬用成分が口腔内に浸透することにより、唾液分泌が減る睡眠時などに有効的です。

矯正を開始するまでの流れと矯正中の痛みについて

噛み合わせの悩み

矯正中の痛みをご説明する前に、まず、矯正を始めるまでの一般的な流れをご案内します。

矯正治療を開始するまでの流れ

歯科医院で矯正治療を受診するまで、通常、下記のような流れとなります。

不正咬合の種類は、出っ歯(上顎前突)・受け口(反対咬合)・口が閉じられない(開咬)・八重歯や歯のガタガタ(叢生)・噛み合わせが深い(過蓋咬合)など様々で、程度の違いがあります。歯科医師やスタッフがカウンセリングの際に患者様のお悩みをきちんと伺い、お口の状態を診断します。

治療計画(ワイヤー矯正、マウスピース矯正のいずれに適してメリット・デメリットがあるのか)や、期間、費用などの提示を受け、患者様が綺麗な歯並びを目指そうと決意されれば、いよいよ歯科矯正の診療を開始します。

矯正治療中の痛みについて

矯正中の痛みは、矯正を始める際の心配事の一つと言えます。痛いと感じるかどうかはそれぞれ個人差があります。ワイヤーの装着をして間もない時、歯が動いて正しい位置に歯が並ぶよう隙間を作っている時、頬の内側など口内にワイヤーの先が当たった時など痛みはケースバイケースです。矯正開始直後に食事をされて、上下の前歯で食べ物を小さく噛む、そして奥歯でさらに細かくすりつぶす際に痛みを感じやすい方が多いです。

矯正用の柄付きフロスについて

矯正治療の際に使用するフロスと、通常の歯みがきの際に使用するフロスは違う場合があります。使用するたびにフロスを切るタイプでは特に変わりはありませんが、柄付きのタイプの場合は矯正用と普段用と形状が異なります。

プラティパス・カモノハシ型矯正用フロッサーという製品を一例としてご紹介します。

矯正用ワイヤーと歯頚部(歯茎から見えている部分と歯茎に埋まっている部分の境目を指します)の間についている歯垢や汚れを落とせます。フロスのついている端と端が同じ厚みではなく、片方が薄い設計になっています。特徴的な形をしているため、ワイヤーに当たらないように設計されています。

ワイヤーの下を潜らせてフロッシングを行うことが可能です。反対側についているフロスピックでブラケットの周辺のプラークを取り除くこともできます。

通常のフロスを矯正中に使う場合

先程は矯正用のフロスの話をいたしましたが、ワイヤー矯正中に、矯正用ではないデンタルフロスが使えないというわけではありません。柄付きのホルダータイプではなく、糸巻きタイプでワックス有りのデンタルフロスならば、矯正中の歯間にも使用できます。

ワイヤーを潜らせなければならないため、コツがつかめるまでの間は1本1本の歯にフロスを通すのに時間がかかるかしれませんが、慣れてしまえば簡単に通せます。

全ての歯にフロスを通すのが大変な場合は、通しやすい前歯だけでもなるべく通すようにしましょう。

矯正中に歯が痛い時のフロスの方法に関するQ&A

Q

矯正中に歯が痛い時のフロスはどうすればいい?

A

矯正装置による痛みが一時的な場合、デンタルウォッシュを併用することで一時的な解決策が提供されます。痛みが和らいだら、通常のフロスを使用して口内ケアを行うことが重要です。フロスは歯の間の歯垢を効果的に除去し、痛みの原因となるトラブルを予防します。

Q

矯正中の痛みはどのように感じられますか?

A

矯正中の痛みは、個人差があり、ワイヤーの装着直後や歯の移動中、食事中に特に感じることがあります。痛みはケースバイケースで異なりますが、食事中に前歯で食べ物を噛む際や奥歯で細かく食べ物を砕くときに痛みを感じることが多いです。

Q

矯正中に通常のデンタルフロスを使うことはできますか?

A

矯正中に通常のデンタルフロスを使うことは可能です。初めて使用する際には慣れが必要で、全ての歯にフロスを通すのは時間がかかるかもしれませんが、前歯だけでも通すようにしましょう。

まとめ

歯のキャラクター

矯正用にフロスを通すことができない程の痛みが長期的に続く状況でしたら、ドクターやスタッフへご相談ください。口内炎になれば、ワイヤーに保護する素材を接着させる対処法を行いますし、少し矯正の力がかかり過ぎて歯が動く場合は、ワイヤーの調整を行い弱める対応を行います。

ワイヤー交換の際には、クリーニングを受けましょう。定期的に歯医者で大切な歯や歯肉、粘膜の健康を保つことが、虫歯や抜歯、炎症などのトラブルの予防にもつながります。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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