インビザラインは透明なマウスピースを付け替えることで歯を動かして歯並びを整える矯正方法です。インビザラインの治療中に知覚過敏になるリスクについてご説明します。
目次
インビザラインとは?
インビザラインはアメリカのアライン・テクノロジー社が開発した歯並び矯正のための装置の一つで、「マウスピース型カスタムメイド矯正装置」という種類になります。
マウスピース(アライナー)は透明な樹脂で作られており、10日~2週間程度で新しいアライナーに交換しながら、少しずつ歯を動かしていきます。
1日に22時間の装着が必要で、食事と歯磨き以外はずっとつけたままにする必要がありますが、透明で目立たないため、人気のある矯正装置です。
知覚過敏はどんな症状?
知覚過敏は虫歯と違って一時的な痛みが起こります。歯に冷たい物が触れたり、歯ブラシが当たったり、風が当たるとしみる場合は、知覚過敏が疑われます。
知覚過敏が起こっている時の歯は、歯の表面のエナメル質が削られて、エナメル質の内側にある象牙質が露出していることが考えられます。
歯茎が退縮を起こして歯根部分の象牙質が露出している場合も、同様に知覚過敏が起こります。
インビザラインでの矯正治療で知覚過敏になるのはどんな場合?
アライナーで歯に強い力がかかったとき
インビザラインでの治療は比較的知覚過敏にはなりにくいのですが、歯に矯正力が強くかかった時に、稀に知覚過敏を起こすことがあります。
知覚過敏の症状が長く続く時は、痛み止めの薬を服用したり、しみる箇所にしみ止めの薬を塗ったり、しみる場所をレジン(歯科用プラスチック)で覆ったりします。
ディスキングで歯を削った時
抜歯せずに歯を動かす場合で、歯を動かすためのスペースがない場合は、前歯の両端のエナメル質の部分をわずかに削ってスペースを作ります。これをディスキングといいます。(スライス、IPRという呼び方もあります。)
削るのはエナメル質の範囲内ですので、通常は知覚過敏が起こることはありませんが、元々エナメル質が擦り減って薄くなっていたりすると、知覚過敏を起こすことがあります。
歯がしみて辛い場合は、痛み止めの薬の服用や、しみ止めの薬の塗布、レジンで埋めるなどの処置を行います。
アタッチメントを外した時
インビザラインでの治療は歯にアライナーを付ける他、歯の表側にアタッチメントと呼ばれる白いレジンの突起を付けます。アタッチメントの形状には種類があり、歯に力をかける向きによって数種類の中から選びます。
アタッチメントを外す際は、歯科医師が歯面から削り取りますので、その際にエナメル質の表面が傷つき、知覚過敏を起こす恐れもあります。
歯磨きをやり過ぎた時
インビザラインの治療中は、食事や間食時には必ずマウスピースを外して行い、食事が済んだら歯を磨いて、アライナーを再度装着します。
一日に何度も歯みがきをしたり、力を入れて歯ブラシで歯をゴシゴシ擦った場合に、エナメル質が少し擦り減ることがあります。歯ブラシは軽い力で小刻みに動かしましょう。
まとめ
インビザラインはワイヤー矯正に比べると弱い力で歯を動かすため、知覚過敏を起こすことはあまりありません。しかし絶対に知覚過敏を起こさないわけでもありません。知覚過敏が起こって度々しみる場合は、痛み止めの薬の服用や歯面にしみ止めの薬を塗布したり、歯の表面をレジンで薄くカバーしたりといった処置を行います。