インビザラインの適応症とは?治せる歯並び・難しいケースの基礎知識

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

インビザラインで自分の歯並びは治せるの?

インビザラインは軽度から中等度の歯並びの乱れに向いている矯正方法です。前歯のガタガタ、すきっ歯、軽度の出っ歯、矯正後の後戻りなどは、インビザラインで治療できる可能性があります。

一方で、重度の叢生、骨格的な出っ歯や受け口、大きな噛み合わせのズレがある場合は、インビザライン単独では難しいこともあります。その場合は、ワイヤー矯正や抜歯、アンカースクリュー、外科矯正などを組み合わせた方が、より安定した仕上がりを目指せるケースもあります。

インビザラインは「透明で目立ちにくい」「取り外しができる」というメリットがある一方で、すべての歯並びに万能な治療法ではありません。大切なのは、歯並びの名前だけで判断するのではなく、骨格・噛み合わせ・歯根の状態・装着時間を守れるかまで含めて診断することです。

この記事はこんな方に向いています

  • インビザラインで自分の歯並びが治せるか知りたい方
  • 出っ歯・叢生・八重歯・開咬・過蓋咬合などでお悩みの方
  • マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらが合うか迷っている方
  • インビザラインが難しいケースについて事前に知っておきたい方
  • 矯正治療で後悔しないために、適応症をきちんと理解したい方

この記事を読むとわかること

  1. インビザラインが向いている歯並びインビザラインで治療が難しいケース
  2. 出っ歯・口ゴボ・叢生・開咬・過蓋咬合への適応
  3. 銀歯・被せ物・インプラントがある場合の注意点
  4. インビザラインの適応を判断するときに大切なポイント

この記事では、インビザラインで治せる歯並びと難しいケースを、できるだけわかりやすく解説します。

 

目次

インビザラインが向いている歯並びは?

インビザラインが向いている歯並びは?の図解

インビザラインは、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かす矯正方法です。特に向いているのは、歯のガタつきやすき間、軽度〜中等度の出っ歯・受け口・開咬など、歯の移動量が比較的コントロールしやすい歯並びです。

たとえば、前歯の軽いガタガタ、歯と歯の間にすき間がある状態、過去の矯正後に少し後戻りしたケースなどは、インビザラインで対応しやすい傾向があります。見た目を気にせず矯正したい方や、食事・歯磨きのしやすさを重視する方にも向いています。

向いている歯並び 特徴
軽度〜中等度の叢生 前歯が少し重なっている、ガタガタしている
すきっ歯 歯と歯の間にすき間がある
軽度の出っ歯 前歯の突出が骨格ではなく歯の傾き中心
矯正後の後戻り 以前整えた歯並びが少し乱れてきた

ただし、重度の骨格的なズレ、大きな抜歯スペースの閉鎖、歯を大きく回転させる必要がある症例などは、インビザライン単独では難しいことがあります。

大切なのは、インビザラインに向いているかどうかは歯並びの見た目だけでなく、骨格・噛み合わせ・歯根の状態・装着時間を守れるかで決まるという点です。

インビザラインが難しいケースは?

インビザラインは多くの歯並びに対応できますが、すべての症例をマウスピースだけで治せるわけではありません。特に、歯を大きく動かす必要がある場合や、骨格的なズレが強い場合は難しくなることがあります。

代表的なのは、重度の出っ歯・受け口・開咬、強いガタガタ、奥歯の噛み合わせが大きくズレているケースです。また、歯を大きく回転させる必要がある場合や、抜歯後のスペースを大きく閉じる治療も、インビザライン単独では計画通りに進みにくいことがあります。

難しいケース 理由
重度の叢生 歯を並べるスペースが大きく不足している
骨格性の出っ歯・受け口 歯だけでなく顎の骨格に原因がある
重度の開咬 前歯を噛ませるために複雑な歯の移動が必要
大きな歯の回転 丸い歯や小さい歯はマウスピースで力をかけにくい
装着時間を守れない場合 1日20〜22時間の装着ができないと歯が動きにくい

「目立たない矯正がいい」という理由だけでインビザラインを選ぶのは危険です。歯並びによっては、ワイヤー矯正やアンカースクリュー、抜歯、外科矯正を組み合わせた方が、仕上がりが安定することもあります。

大切なのは、インビザラインができるかどうかよりも、希望する仕上がりに安全に近づける治療法かどうかです。治療前の精密検査で、噛み合わせ・骨格・歯根の状態まで確認して判断することが重要です。

インビザラインで横顔が改善できるケースと難しいケース

インビザラインで横顔はきれいになる?改善できるケースと難しいケースの図解

インビザラインは歯並びを整えるためのマウスピース矯正ですが、歯並びの改善によって横顔の印象が変わることがあります。特に出っ歯や口元の突出感がある方では、口元がすっきり見えるようになるケースがあります。ただし、すべての人の横顔が大きく変化するわけではなく、原因によって治療効果は異なります。

インビザラインで横顔が改善しやすいケース

症状 期待できる変化
出っ歯(上顎前突) 前歯が後ろへ移動し、口元の突出感が減る
口ゴボ(上下顎前突) 口元のボリュームが抑えられ、横顔のバランスが整う
ガタガタした歯並び(叢生) 口元が整い、自然な口元のラインになりやすい

特に軽度から中等度の出っ歯や口ゴボであれば、インビザラインでも改善が期待できます。

横顔の改善が難しいケース

次のような場合は、インビザラインだけでは十分な変化が得られないことがあります。

  • 上顎や下顎の骨格が大きく前後にずれている
  • 骨格性の出っ歯や受け口がある
  • 大きなスペース確保のため抜歯が必要になる
  • 顎の位置そのものに問題がある

このようなケースでは、ワイヤー矯正や外科矯正を組み合わせることが検討されます。

横顔で気になる「Eライン」とは?

横顔の美しさを判断する目安のひとつに「Eライン」があります。

Eライン=鼻先と顎先を結んだライン

一般的には、このライン上または少し内側に唇があるとバランスの良い横顔とされています。ただし、日本人は欧米人より顎が小さい傾向があるため、唇がやや前に出ていても自然な範囲です。

インビザライン治療の特徴

インビザラインでは、

  1. 光学スキャナー(iTero)で歯型をデジタル採取
  2. 3Dシミュレーション(クリンチェック)で歯の動きを確認
  3. アタッチメントを使って細かな歯の移動をコントロール

といった仕組みを活用しながら治療を進めます。

インビザラインは、出っ歯や口ゴボ、歯並びの乱れが原因で口元が前に出ている場合には、横顔の印象改善が期待できます。一方で、顎の骨格が原因となっているケースでは、マウスピース矯正だけで大きな変化を出すことは難しい場合があります。横顔の変化を希望する場合は、歯並びだけでなく骨格との関係も含めて診断を受けることが大切です。

詳しくはこちらのページをご覧ください。
インビザラインで矯正すれば横顔のラインはきれいになる?

出っ歯や口ゴボはインビザラインで改善できる?

口ゴボとは、横顔で見たときに口元全体が前に出て見える状態のことです。出っ歯、上下の前歯の突出、顎の骨格、舌の癖や指しゃぶりなどが原因になることがあります。見た目だけでなく、唇が閉じにくい、発音しにくい、噛み合わせが悪いなどの問題につながる場合もあります。

インビザラインで改善しやすいケース

口ゴボの原因 インビザラインの適応
軽度〜中等度の出っ歯 改善が期待できる
歯の傾きが原因 歯を後ろへ動かすことで改善しやすい
軽度の上下顎前突 症例によって対応可能
骨格の問題が大きい インビザライン単独では難しいことがある

インビザラインは透明なマウスピースを使い、歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。軽度から中等度の口ゴボであれば、前歯を後ろへ移動させることで、口元の突出感が和らぐ可能性があります。

 

治療が難しいケース

顎の骨格そのものが前に出ている場合や、歯を大きく後ろへ下げる必要がある場合は、インビザラインだけでは十分な改善が難しいことがあります。このような場合は、ワイヤー矯正との併用や、セットバック手術などの外科的治療を検討することがあります。

メリットと注意点

メリット 注意点
装置が透明で目立ちにくい 1日20〜22時間の装着が必要
食事や歯磨きのときに外せる 抜歯症例では治療期間が長くなることがある
iTeroで治療後のイメージを確認できる アタッチメントが必要になることが多い
ワイヤー矯正より痛みが少ない傾向がある 大きな歯の移動はワイヤー併用が必要な場合がある

インビザラインで口ゴボが改善できるかは、原因が歯にあるのか、骨格にあるのかによって変わります。歯の傾きや軽度から中等度の出っ歯が原因であれば改善が期待できますが、骨格的な突出が大きい場合は外科矯正やセットバック手術が必要になることもあります。まずは精密検査で原因を確認し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

口ゴボとインビザラインの関係はこちらで詳しく解説しています
インビザラインでは口ゴボは治らないの?

叢生・八重歯はインビザラインで治せる?

叢生・八重歯は、歯並びのガタガタの程度や顎のスペースによっては、インビザラインで治療できる場合があります。 特に軽度〜中等度の叢生であれば、マウスピースで歯を少しずつ動かし、歯列を整えられる可能性があります。

ただし、すべての叢生・八重歯がインビザライン向きというわけではありません。八重歯は犬歯が本来の位置から外れて生えている状態で、歯を並べるためのスペース作りが重要になります。スペースが不足している場合は、IPRと呼ばれる歯と歯の間をわずかに削る処置や、奥歯を後ろに動かす治療、場合によっては抜歯が必要になることもあります。

状態 インビザラインでの対応
軽度のガタガタ 対応しやすいことが多い
中等度の叢生 IPRや奥歯の移動を併用する場合がある
犬歯の大きなズレ 難易度が上がる
重度の叢生 抜歯やワイヤー併用が必要なことがある
骨格的な問題がある インビザライン単独では難しい場合がある

インビザラインは目立ちにくい反面、歯を大きく回転させたり、埋もれた犬歯を大きく動かしたりする治療は苦手なことがあります。少し辛口に言うと、「八重歯もマウスピースで簡単に治る」と決めつけるのは早いです。

大切なのは、治療前に精密検査を受け、インビザライン単独で可能なのか、抜歯やワイヤー矯正の併用が必要なのかを確認することです。叢生・八重歯は見た目だけでなく、歯磨きのしにくさや虫歯・歯周病リスクにも関係するため、早めに相談すると治療選択の幅が広がります。

開咬はインビザラインで治せる?

開咬(かいこう)とは、奥歯を噛んだときに前歯が接触せず、上下の前歯の間にすき間ができる噛み合わせです。前歯で食べ物を噛み切りにくくなったり、発音しにくくなったりするほか、口呼吸による虫歯や歯周病のリスクが高まることもあります。

開咬の主な原因

  1. 舌で前歯を押す癖(舌突出癖)
  2. 指しゃぶりや長期間の哺乳瓶使用
  3. 口呼吸の習慣
  4. 顎の骨格や成長バランスの問題

開咬は歯並びだけでなく、生活習慣や骨格が関係していることも少なくありません。

インビザラインで改善が期待できるケース

開咬の状態 インビザラインの適応
軽度の開咬 対応できる可能性が高い
歯の傾きや位置が原因 改善が期待できる
舌癖がある開咬 癖の改善と併用で対応可能
中等度〜重度の開咬 慎重な判断が必要
骨格的な問題が大きい開咬 難しい場合がある

歯の位置や傾きが主な原因であれば、インビザラインで前歯の接触を回復できるケースがあります。

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治療が難しいケース

次のような場合は、インビザライン単独では十分な改善が難しいことがあります。

  1. 上下顎の骨格差が大きい
  2. 噛み合わせ全体のズレが大きい
  3. 前歯と奥歯の接触バランスが崩れている
  4. 舌癖や口呼吸などの原因が改善されていない

このようなケースでは、ワイヤー矯正や外科的治療が検討されることもあります。

治療中に大切なこと

開咬の治療では歯を動かすだけでなく、原因への対策も重要です。

  1. 1日20~22時間以上の装着時間を守る
  2. 舌癖や口呼吸を改善する
  3. 定期的に噛み合わせを確認する
  4. 必要に応じて治療計画を調整する
  5. 開咬を放置するリスク

開咬をそのままにすると、

  • 奥歯への負担が増える
  • 顎関節への負担が大きくなる
  • 歯の摩耗が進む
  • 虫歯や歯周病のリスクが高まる

などの問題につながることがあります。

開咬は原因によってインビザラインで改善できる場合があります。特に軽度から中等度で、歯の位置や傾きが主な原因のケースでは有効な選択肢となります。一方で、骨格的な問題が大きい場合や重度の開咬では、他の矯正方法を併用することもあります。開咬は見た目だけでなく噛む・話すといった機能にも影響するため、原因を正確に診断したうえで適切な治療法を選ぶことが大切です。

開咬の適応についてはこちらをご覧ください。
開咬はインビザラインで治りますか?適応できるケースと注意点を解説

過蓋咬合はインビザラインで治せる?

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、噛み合わせたときに上の前歯が下の前歯を深く覆ってしまう状態です。重度になると下の前歯がほとんど見えなくなり、歯や顎に負担がかかることがあります。

過蓋咬合を放置するリスク

  1. 歯がすり減ったり欠けたりしやすくなる
  2. 歯周病や虫歯のリスクが高まる
  3. 顎関節症の原因になることがある
  4. 発音や食事に影響が出る場合がある

見た目だけでなく、お口の機能にも関わる噛み合わせです。

インビザラインで治療できるケース

軽度から中等度の過蓋咬合であれば、インビザラインによる改善が期待できます。

適応しやすいケース 理由
歯の位置や角度が原因 歯の移動で改善できる可能性が高い
軽度〜中等度の過蓋咬合 マウスピースでコントロールしやすい
奥歯の高さ調整が有効な場合 噛み合わせ全体を整えられる
顎間ゴムを併用できる場合 上下の歯のバランスを改善しやすい

インビザラインでの治療方法

インビザラインでは次のような方法で過蓋咬合の改善を目指します。

  1. 奥歯の高さを調整して噛み合わせを浅くする
  2. 前歯の傾きを整える
  3. 顎間ゴムを使って上下の歯の位置を調整する
  4. アタッチメントで歯の動きを補助する
  5. 対応が難しいケース

次のような場合は、インビザライン単独では十分な改善が難しいことがあります。

  • 顎の骨格に大きな問題がある
  • 重度の過蓋咬合
  • 歯だけではなく骨格のズレが原因になっている
  • 大きな歯の移動が必要になる

症例によってはワイヤー矯正や外科矯正を組み合わせることもあります。

治療を成功させるポイント

  1. 1日20〜22時間以上装着する
  2. アライナー交換のスケジュールを守る
  3. 顎間ゴムなどの補助装置を正しく使う
  4. 定期的に診察を受ける

過蓋咬合はインビザラインでも改善できるケースがあります。特に歯の位置や傾きが主な原因で、顎の骨格に大きな問題がない場合は有力な選択肢となります。一方で、重度の過蓋咬合や骨格的な問題がある場合は、他の矯正方法を検討することもあります。治療方法を決める際は、噛み合わせの状態を詳しく調べたうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

詳しくはこちらをご覧ください。
インビザラインで過蓋咬合は治りますか?

インビザラインでの治療が難しいケースとは?

インビザラインは、透明なマウスピースで歯を少しずつ動かす矯正方法です。軽度から中等度の出っ歯、ガタガタした歯並び、すきっ歯、軽度の開咬などには対応しやすい一方で、すべての歯並びに適応できるわけではありません。

インビザラインが難しいケース

症例 難しい理由
重度の歯のねじれ マウスピースだけでは回転のコントロールが難しい
重度の出っ歯 前歯を大きく後ろへ下げる必要がある
重度の開咬・過蓋咬合 噛み合わせ全体の調整が必要になる
重度の叢生 歯を並べるスペースが大きく不足している
骨格性のズレ 顎の位置や大きさの問題は歯の移動だけでは改善しにくい
インプラントや骨性癒着歯 物理的に動かせない歯がある

難しい場合の対処法

  1. ワイヤー矯正を併用する
  2. ミニスクリューなどの補助装置を使う
  3. 抜歯やIPRで歯を並べるスペースを作る
  4. 外科矯正を検討する
  5. 補綴治療と組み合わせて噛み合わせを整える

インビザラインだけでは難しい場合でも、他の治療法と組み合わせることで対応できるケースがあります。

治療計画で大切なこと

インビザラインでは、クリンチェックというソフトで歯の動きをシミュレーションします。ただし、画面上の計画と実際の歯の動きが完全に一致するとは限りません。歯には動きやすい部分と動きにくい部分があるため、途中で治療計画の修正が必要になることもあります。

インビザラインは目立ちにくく便利な矯正方法ですが、重度の不正咬合や骨格的な問題、動かせない歯があるケースでは単独治療が難しい場合があります。大切なのは、インビザラインにこだわりすぎず、自分の歯並びに合った方法を選ぶことです。精密検査を受け、必要に応じてワイヤー矯正や外科矯正、補助装置を組み合わせることで、より適切な治療計画を立てやすくなります。

難しいケースについてはこちらで詳しく解説しています。
インビザラインでの治療が難しいケースはあるの?

銀歯や被せ物があってもインビザラインはできる?

「銀歯があるとインビザラインはできないのでは?」と心配される方もいますが、多くの場合は治療可能です。インビザラインは歯列全体を覆うマウスピースで歯を少しずつ動かしていくため、銀歯やセラミックの被せ物があっても治療できるケースが多くあります。

銀歯・被せ物がある場合

状態 インビザラインの可否
銀歯の被せ物 多くの場合可能
セラミックの被せ物 多くの場合可能
詰め物がある歯 多くの場合可能

被せ物の材質によって大きく制限されることは少なく、歯全体の状態を確認したうえで治療計画を立てます。

ブリッジがある場合

ブリッジは複数の歯が連結されているため、そのままでは歯を個別に動かせないことがあります。

  1. ブリッジを一度切り離して矯正を行う
  2. 矯正後に新しいブリッジを作製する
  3. 場所によってはブリッジを残したまま治療できることもある

対応方法はブリッジの位置や範囲によって異なります。

インプラントがある場合

インプラントは顎の骨としっかり結合しているため、矯正治療で動かすことはできません。

そのため、

  1. インプラントはそのまま残す
  2. 周囲の天然歯を動かして歯並びを整える
  3. インプラントの位置を基準に治療計画を立てる

といった方法で対応します。

また、歯を失った部分がある場合は、先に矯正治療を行うことでスペースを調整できることもあります。将来的にインプラントを検討している方は、先に矯正相談を受けると選択肢が広がる場合があります。

インビザラインの治療の流れ

インビザラインでは、

  1. iTeroでお口の中を3Dスキャン
  2. クリンチェックで歯の動きをシミュレーション
  3. 治療計画に基づいてマウスピースを作製
  4. 1〜2週間ごとに新しいマウスピースへ交換

という流れで治療を進めます。

銀歯やセラミックの被せ物があっても、インビザラインによる矯正治療は可能なケースが多くあります。一方で、ブリッジやインプラントがある場合は治療計画に工夫が必要です。特にインプラントは動かせないため、周囲の歯をどのように動かすかが重要になります。被せ物や補綴物があるからといって矯正をあきらめる必要はなく、まずは精密検査で現在の状態を確認することが大切です。

銀歯や被せ物がある場合の注意点はこちらをご覧ください。
銀歯の被せ物があるけどインビザラインは可能?

歯ぎしりがあってもインビザラインはできる?

歯ぎしりや食いしばりの癖があっても、インビザラインによる矯正治療ができる場合があります。ただし、歯ぎしりの強さによってはアライナー(マウスピース)に大きな負担がかかるため、通常よりも注意が必要です。

歯ぎしりがインビザラインに与える影響

インビザラインのアライナーは約0.5mmと薄く作られています。そのため、強い歯ぎしりが続くと次のような問題が起こることがあります。

影響 内容
アライナーの破損 割れたりヒビが入ることがある
アライナーの摩耗 表面がすり減りやすくなる
治療計画への影響 歯が予定通りに動きにくくなる場合がある
歯や顎への負担 矯正力以外の力が加わることがある

インビザライン治療中の工夫

歯ぎしりがある場合でも、次のような対策で治療を進められることがあります。

  1. アライナーの状態を定期的に確認する
  2. ヒビや変形があれば早めに受診する
  3. 必要に応じてナイトガードを併用する
  4. 睡眠環境やストレス管理を意識する
  5. 担当医と相談しながら治療計画を調整する
  6. アライナーが壊れた場合

アライナーが破損したときは、自己判断せずに歯科医院へ連絡することが大切です。

一般的には、

  • ひとつ前のアライナーを装着する
  • 次のアライナーへ進める
  • 新しいアライナーを再製作する

などの方法で対応します。

歯ぎしりによるお口への影響

歯ぎしりや食いしばりは、矯正治療以外にもさまざまな影響を与えます。

  • 歯のすり減り
  • 知覚過敏
  • 詰め物や被せ物の破損
  • 歯の欠けや破折
  • 歯周病の悪化
  • 顎関節症
  • エラ張り
  • 頭痛や肩こり

歯ぎしりがあってもインビザライン治療が可能なケースはあります。しかし、アライナーの破損や摩耗のリスクが高くなるため、通常よりも細かな管理が必要です。歯ぎしりが軽度であれば工夫しながら治療を進められることが多い一方、長年続く強い歯ぎしりがある場合は、ワイヤー矯正など他の治療法が適していることもあります。まずは歯ぎしりの程度を含めて診断を受け、自分に合った治療方法を選ぶことが大切です。

詳しくはこちらをご覧ください。
歯ぎしりしていてもインビザラインで矯正は可能?

インビザラインの適応は「歯並びの名前」だけでは判断できない

インビザラインが適応できるかどうかは、「出っ歯だからできる」「開咬だからできない」と単純に決まるものではありません。

大切なのは、次のような点を総合的に見ることです。

  1. 歯をどの方向へどれくらい動かす必要があるか
  2. 顎の骨格に問題があるか
  3. 抜歯が必要かどうか
  4. 奥歯の噛み合わせに大きなズレがあるか
  5. 歯周病や虫歯、被せ物の状態は問題ないか
  6. 装着時間を守れる生活スタイルか
  7. 歯ぎしりや食いしばりの影響が大きいか

矯正治療で大切なのは、精密検査をもとに、インビザラインでできること・できないことを正確に見極めることです。

よくある質問

Q1. インビザラインはどんな歯並びに向いていますか?

軽度から中等度のガタガタ、すきっ歯、軽い出っ歯、矯正後の後戻りなどに向いています。
歯の移動量が比較的少なく、マウスピースでコントロールしやすい症例では治療できる可能性があります。
ただし、最終的には精密検査で判断することが大切です。

Q2. インビザラインで治療が難しいのはどんなケースですか?

重度の叢生、骨格的な出っ歯や受け口、大きな噛み合わせのズレがあるケースは難しくなることがあります。
また、歯を大きく回転させる必要がある場合や、抜歯スペースを大きく閉じる治療も慎重な判断が必要です。
無理にインビザラインだけで進めるより、ワイヤー矯正などを併用した方がよい場合もあります。

Q3. 出っ歯や口ゴボはインビザラインで改善できますか?

歯の傾きや軽度から中等度の出っ歯が原因であれば、インビザラインで改善できる可能性があります。
前歯を後ろへ動かすことで、口元の突出感がやわらぐケースもあります。
ただし、顎の骨格そのものが原因の場合は、外科矯正など別の治療が必要になることもあります。

Q4. 銀歯や被せ物があってもインビザラインはできますか?

銀歯やセラミックの被せ物があっても、インビザラインができるケースは多くあります。
ただし、ブリッジは歯が連結されているため、動かし方に制限が出ることがあります。
インプラントは動かせないため、周囲の歯をどう動かすかを含めて計画を立てます。

Q5. インビザラインの適応はどうやって判断しますか?

歯並びの名前だけでなく、骨格、噛み合わせ、歯根の状態、虫歯や歯周病の有無などを確認して判断します。
さらに、1日20〜22時間の装着を守れるかどうかも大切なポイントです。
見た目だけで「できる・できない」と決めず、精密検査で確認しましょう。

まとめ

  インビザラインは適応を見極めれば心強い選択肢

インビザラインは、目立ちにくく、取り外しができる便利な矯正方法です。軽度から中等度の歯並びの乱れ、出っ歯、開咬、過蓋咬合、矯正後の後戻りなど、さまざまな症例に対応できる可能性があります。

一方で、骨格的な問題が大きいケースや、歯を大きく動かす必要があるケース、噛み合わせのズレが強いケースでは、インビザラインだけでは難しい場合もあります。

インビザラインで満足できる結果を目指すためには、「自分の歯並びが適応症なのか」を正しく診断してもらうことが大切です。見た目の歯並びだけでなく、横顔、口元、噛み合わせ、被せ物、歯ぎしりの有無まで確認したうえで、自分に合った治療方法を選びましょう。

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