インビザラインはマウスピース矯正の装置の名称ですが、インビザラインで治療すれば、横顔の口元のラインはきれいになるのでしょうか? インビザラインで横顔が美しく出来るかどうかについてご説明します。
目次
横顔の口元のラインの悩みとは?
横顔の口元のラインでお悩みの内容は以下の3つの方が多いです。
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(下顎前突)
- 上下の顎が出ている(上下顎前突)
横から見た口元のラインのことはE-ラインと呼ばれ、横顔を見た見た場合に、鼻の先と顎の先を結んだ線のことをいいます。
インビザラインでこれらを治すことは可能?
インビザラインは歯の矯正を行うための装置です。出っ歯や受け口等を治療して突出していた歯の向きが変わることで、横顔のラインがきれいになる可能性があります。
インビザラインで治らない場合はある?
1.骨格性の出っ歯や受け口の方
インビザラインでこれらのお悩みが治らない場合は、骨格性の出っ歯や受け口、上下の顎が出ている場合です。
例えば出っ歯の方で、上顎の過成長のために上顎が前に出ている場合は、外に向いている前歯の角度を内向きに変えたとしても、顎骨の位置がそのままですので、横顔を見ると、上顎が前に出ている状態のままということがあります。
受け口も同様に、下顎が過成長している場合は、歯並びだけを治しても、横顔を見ると下顎は前に出たままということがあります。
骨格が原因の出っ歯、受け口等は、外科矯正の適用となります。
2.抜歯が必要な場合
出っ歯や受け口の程度によっては、歯を大きく動かさなければならない場合があります。歯列矯正では、歯を動かすためにはスペースが必要ですので、スペースが足りない場合は前歯の両側を僅かに削るか、小臼歯を抜歯してスペースを作ります。
前歯の両サイドを削る方法をディスキングといいますが、ディスキングでは大きなスペースは出来ませんので、スペースが足りない場合は抜歯になります。
インビザラインで抜歯矯正をすると、歯を大きく動かすため、治療期間がかなりかかり、ワイヤー矯正の方が早く治るということになります。
インビザラインでの歯列矯正とは?
インビザラインはアメリカのアライン・テクノロジー社が1999年に開発したマウスピース矯正です。
マウスピース矯正では、透明なマウスピースを歯に装着して少しずつ歯を動かしていき、歯列をきれいに整えていきます。
マウスピースは、最初の不正咬合から歯並びがきれいになるまでの間の段階をソフトで作製して、途中の段階のものが何枚にもわたって作成され、1~2週間程度でマウスピースを交換していくことで、歯が動いていく仕組みです。
マウスピース1枚あたり0.2~0.25mm程歯を動かすことが出来るように設計されていますので、抜歯して歯を大きく動かす場合はマウスピースの枚数が多く必要で、治療期間も長くなります。
光学スキャナーiTero(アイテロ)
インビザラインではマウスピース製作のために歯の方とりが必要になりますが、iTero(アイテロ)という光学スキャナーを使うことで、従来のシリコン等を使った歯型取りは不要になりました。
iTeroは小型のカメラを歯にあてて歯の形を3Dのデータにし、ソフトに取り込みます。
クリンチェックは3Dで歯の動きを確認できる
iTeroでスキャンしたデータをクリンチェックと呼ばれるソフトに読み込まれ、実際に歯をどのように動かしていくか、治療計画を立てます。
アタッチメントで歯を自在に動かす
クリンチェックと共に、インビザラインならではの特徴が、アタッチメントと呼ばれる、歯の表面に付ける突起物です。アタッチメントには歯を動かすために力をかけたい方向によって種類があり、矯正担当医は、アタッチメントを付ける歯や付けるタイミングを、画面上で見ながら決定します。
アタッチメントは、クリンチェックの結果作成されるテンプレートを用いて、レジンという歯科用プラスチックで歯科医師が歯に付けていきます。マウスピースの方も、歯にアタッチメントが付いた状態の形状に作製されます。
まとめ
インビザラインで横顔のラインがきれいに整うかどうかは、不正咬合が起こっている理由にもよりますので、必ずインビザラインで可能とはいえません。横顔のラインをきれいにしたい方は、矯正担当医と良くご相談の上、矯正装置や方法をお決めください。