歯が2列に生えて二重歯列になっていると、見た目が悪いこともありますが、虫歯や歯周病になりやすいという問題があります。二重歯列は部分矯正で治るかどうかご説明します。
目次
どうして二重歯列になるの?原因を教えて
歯が前後に二重に生えて二重歯列になってしまう原因は、主に二つ考えられます。
- 顎が小さくて歯が並ぶためのスペースが足りなかった
- 乳歯が抜ける前に永久歯が生えてしまった
顎が小さくて歯が並ぶためのスペースが足りなかった
顎が小さいと全ての歯をきれいに一列に並べるためのスペースが足りません。そのため、歯並びがガタガタになったり、歯が斜めに生えたり、二重歯列になるということが起こります。
成長期の子供は顎骨も成長途中ですので、矯正装置を使って顎を大きく成長させます。
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてしまった
乳歯から永久歯への生え替わりの際に、乳歯がまだ抜けきっていないのに永久歯が生えてきてしまい、前後に乳歯と永久歯が並んで生えている二重歯列という状態になることがあります。
この場合は、乳歯を抜歯すると永久歯が乳歯があった場所に移動してきます。うまく移動して来ない場合は、矯正治療が必要になります。
二重歯列は部分矯正で治せる?
部分矯正は主に前歯の歯並びだけを2~8本程度治します。そのためプチ矯正とも呼ばれています。
矯正治療で歯を動かす場合、歯を動かすためのスペースが必要です。そのため、部分矯正では歯の側面を0.25ミリ~0.5ミリ程度削ってスペースを作ります。これをディスキング(スライス)といいます。
ディスキングによって出来たスペース分だけは歯を動かすことが可能で、それ以上スペースが必要な場合は、全体矯正となり、抜歯が必要になります。
ディスキングによってスペースを作る部分矯正は、ガタガタの歯や前歯のスペース不足が3ミリ以内なら可能です。しかし二重歯列では、2本の歯が殆ど前後になるくらいに重なっていますので、ディスキングによって出来たスペースだけでは足りません。
そのため、二重歯列を部分矯正で治すことは、理論上難しいということになります。
子供の場合は顎を大きくするための床矯正を行って、歯列弓を拡大すれば歯を並べるためのスペースを作ることが出来ますが、これも部分矯正の適用外となります。
二重歯列は保険がきくの?
矯正治療は病気ではなく歯並びの見た目を治すために行いますので、基本的には保険適用外です。
二重歯列をそのままにしておくと虫歯や歯周病などの病気を引き起こす原因になりますが、それでも保険適用にはなりませんのでご注意ください。
部分矯正で治る範囲と治らない範囲
まとめ
矯正治療のためには歯を動かすスペースが必要ですので、二重歯列になってしまった場合は、歯1本分くらいのスペースが必要になり、部分矯正では治すことが出来ません。
歯の重なりが少しの場合や、ガタガタの程度が軽度の場合は、部分矯正でも治療が可能かもしれません。一度矯正の初診相談で検査をお受けいただくと、部分矯正の適用かどうかははっきりします。