歯科矯正全般

矯正治療の期間は大人と子供でどれくらい違うの?平均治療期間の違い

矯正治療の期間は大人と子供でどれくらい違うの?

「矯正治療って、大人の方が時間がかかるって本当?」「子供のうちに始めた方が早く終わるの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?

歯並びやかみ合わせを整える矯正治療は、見た目だけでなく、かみやすさやお口の健康にも大きく関わってきます。ただし、治療にかかる期間は一人ひとり異なり、特に「大人と子供」で違いがあるのは事実です。

本記事では、矯正治療における年齢ごとの平均的な治療期間の違いや、なぜそのような差が出るのかをわかりやすく解説します。「いつ始めるのがベストなのか」「期間を短くするにはどうすればよいのか」といった疑問にもお答えしますので、矯正を考えている方やお子さんの矯正を検討中の保護者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

矯正治療は大人と子供でどれくらい期間が違うの?

大人と子どもでどれくらい期間が違うの

矯正治療を検討する際、「子供の方が早く終わるのでは?」「大人になってからだと時間がかかる?」といった不安を抱く方は多くいらっしゃいます。実際、年齢によって治療期間に差が出るのは事実です。本記事では、大人と子供それぞれの平均治療期間やその違いの理由について詳しく解説します。

大人と子供では矯正の平均治療期間に違いがあります。その理由をわかりやすく解説します。

大人と子供の矯正治療の平均期間の違い

年齢層 治療期間の目安 特徴
子供(第1期) 約6ヶ月〜1年半 成長期を活かしてあごのバランスを整える
子供(第2期) 約1〜2年 永久歯が生え揃った後の本格的な矯正
大人 約1年半〜3年 骨の硬さや既存の不正咬合の影響を受けやすい

なぜこのような差が出るのか?

成長の有無
 → 子供はあごが発育中のため、骨の成長を利用して歯の位置やあごの形を整えることができます。
 → 大人は骨が完成しているため、歯の移動にはより慎重な力の調整が必要です。

歯や骨の柔軟性
 → 子供の骨や歯周組織は柔らかく、動きやすいため治療がスムーズに進みやすい傾向があります。
 → 大人は骨が固くなっており、同じ動きをするにも時間がかかることがあります。

生活環境の違い
 → 大人は仕事や家事などで装置の管理が難しくなる場合があり、治療のペースが落ちることもあります。

平均期間は目安、でも個人差に注意

矯正治療の期間は、あくまで目安であり、患者さん一人ひとりの状態によって大きく異なります。たとえば、同じ年齢層でも不正咬合の程度や装置の種類、歯磨き習慣などによっても治療の進み具合は変わってきます。

そのため、まずは現在のお口の状態をしっかり確認し、治療計画を立てることが重要です。「平均」だけで判断せず、自分に合ったペースで無理なく進めていきましょう。

治療期間の違いによって起こる、見逃せないリスクとは?

治療期間の違いによって起こるリスク

治療期間が長くなればなるほど、患者さんの負担も大きくなります。特に大人の場合、仕事や生活への影響、歯周病リスクなどが関係するため、治療を始めるタイミングはとても重要です。

治療が長引くと、生活や健康への影響が出る可能性もあります。

治療期間が長引くことで考えられるリスク

モチベーションの低下:見た目の変化がすぐに感じられないと、途中で中断する人も。

歯周病のリスク:特に大人は歯ぐきが弱くなっているため、矯正中の歯磨き不足による歯周病が起こりやすくなります。

被せ物や詰め物の調整が必要になることも:既存の被せ物や詰め物が矯正に干渉する場合、作り直しが必要になることがあります。

治療期間が延びるほどトラブルのリスクも増えるため、正しい理解と早めの対処が大切です。

年齢によって異なる矯正の特徴と治療の進み方

子供と大人では、あごの成長や骨の柔らかさなど、矯正治療の進行に大きな違いがあります。年齢に応じた治療法が選ばれ、期間にも影響を与えます。

成長期かどうかで、矯正治療の進み方に違いが出ます。

子供と大人の矯正の特徴の違い

  1. 子供の矯正(第1期治療) → あごの成長を利用できるため、短期間で効果が出やすい。
  2. 大人の矯正 → 成長が止まっているため、歯の移動に時間がかかる傾向がある。
  3. 骨の硬さ → 子供は骨が柔らかく移動しやすいが、大人は骨が硬いため、ゆっくり動かす必要がある。
  4. 治療の目的 → 子供は予防的・将来の歯並びを整える目的が多く、大人は審美・機能回復が中心。

その結果、同じ歯並びのケースでも、大人の方が治療期間が長くなることがよくあります。

治療期間の平均を知って、計画的にスタートしよう

具体的な平均治療期間を知っておくことで、予定やスケジュールの管理がしやすくなります。仕事や受験、結婚式など、大事なイベントを考慮して治療を始めることが重要です。

平均的な治療期間を知って、無理のないスケジュールで矯正を進めましょう。

矯正治療の平均期間の目安

子供の矯正(第1期):6ヶ月~1年半
→ 成長期を活かして歯並びやあごのバランスを整える

子供の矯正(第2期):1年~2年
→ 永久歯が生えそろってからの本格矯正

大人の矯正:1年半~3年
→ 歯の動きがゆっくりなため、治療期間が長くなりやすい

※症例や装置の種類によって変動がありますが、一般的に大人の方が治療期間は長くなる傾向があります。

治療期間を短くするためにできる工夫とは?

矯正治療の期間を短くしたいと考える患者さんは多いですが、自己判断による早めの終了は危険です。正しいケアと協力で、結果的に治療をスムーズに進めることができます。

協力的な姿勢と正しいケアで、治療期間の短縮も可能です。

治療期間をスムーズに進めるためのポイント

  1. 歯磨きを徹底する:歯垢を残さず、歯ぐきを健康に保つことで、トラブルなく治療が進行します。
  2. 通院を守る:定期的なチェックと調整は治療を正確に進めるために不可欠です。
  3. 装置の使用時間を守る:マウスピース矯正などは患者さんの装着時間が仕上がりに直結します。
  4. 歯科医師とのコミュニケーション:疑問や不安は早めに解消し、スムーズな連携を。

しっかりとしたセルフケアと歯科医院との信頼関係が、治療期間の短縮につながります。

まずは歯科医院での相談から始めましょう

年齢や症状によって治療期間は異なります。実際にどのくらいの期間がかかるかは、専門的な診断を受けてみないとわかりません。まずは信頼できる歯科医院で、現状の確認と最適な治療計画を立てましょう。

治療期間は人それぞれ。まずは専門医に相談を。

「自分の場合はどれくらいかかるのだろう?」

「子供の矯正を始めるベストなタイミングは?」

こうした疑問は、実際にお口の中を見てみないと、正確な答えは出せません。

歯科医院での初回相談では、こんなことがわかります

  • 歯並び・かみ合わせの状態
     → 矯正が必要かどうか、またどの程度の不正咬合があるのかを確認します。
  • 治療方法の選択肢
     → ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、自分に合った治療法の提案を受けられます。
  • おおよその治療期間と費用
     → 個人の状態に合わせて、期間の目安や治療費について説明があります。

治療を始める時期のアドバイス
 特に子供の場合は、成長のタイミングを見ながら治療の開始時期を調整することが多いです。

相談に行くこと=治療を始めることではありません

「相談に行ったらすぐに治療が始まってしまうのでは…」と不安になる方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。まずはカウンセリングで現状を把握し、しっかりとした説明を受けてから判断すれば大丈夫です。

わからないことをそのままにせず、専門家に直接聞いてみることで、治療への不安や迷いもぐっと減らすことができます。

治療期間の違いに悩む方こそ、「相談すること」から始めましょう。
あなたやお子さんにとってベストなタイミングと方法を、プロの視点で一緒に見つけていくことが、納得のいく矯正治療への第一歩です。

まとめ

あなたやお子さんにとって最適なタイミングを見つけましょう

矯正治療は「子供のうちに始めた方がいい」と聞くと、大人の方は「もう遅いのでは…」と不安に感じるかもしれません。一方で、お子さんの矯正についても「今すぐ始めるべきか」「どれくらいかかるのか」と迷ってしまうこともあるでしょう。

でもご安心ください。矯正治療は、大人でも子供でも始めることができますし、それぞれに合ったペースで進めることができます。たしかに平均的な治療期間には違いがありますが、それは「どちらが良い・悪い」ではなく、「その人に合った方法がある」ということなのです。

矯正治療に不安や疑問があるのは当然のこと。まずは専門の歯科医師に相談して、自分やお子さんのお口の状態をしっかり知ることが、安心して一歩を踏み出すための第一歩です。

大切なのは、未来の自分やお子さんのために、今できる選択をすること。
焦らず、でも確実に。あなたにとってベストなタイミングで、矯正治療を始めてみませんか?

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。歯科医師免許取得後、医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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