裏側矯正

裏側矯正中でも安心!噛みやすい食べ物&避けたいメニュー

裏側矯正は咀嚼しにくい? 噛みやすい食べ物とは?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

「裏側矯正って食べづらい…」と感じている方へ。
でもご安心ください。痛みが強いときや装置に慣れていない時期でも、
食べやすいメニューやちょっとした調理の工夫で、食事のストレスは大きく減らせます。

この記事では
裏側矯正で食べづらくなる理由
咀嚼しやすいおすすめの食べ物リスト
装置に優しい調理のコツ
をわかりやすくご紹介します!

裏側矯正は咀嚼しにくい?

食事中

裏側矯正は歯の裏側にブラケットとワイヤーを付けます。そのため、装置を付けた状態で噛むと、上の歯の裏の装置が下の歯に当たってしまい、噛みにくくなる場合があります。

舌が矯正装置に当たったり、お口の粘膜に矯正装置が当たったりして、傷が出来て口内炎になる方もおられます。そうなると食べ物がしみたり、噛む度に気になったりします。

装置が当たって痛い場合や、どうしても噛みにくい場合は、早めに歯科医院にご相談下さい。

朝食におすすめな食べやすいもの

裏側矯正をしていると、朝は特に「口内が痛くて、あんまり噛みたくない…」って日もありますよね。そんなときでも、負担少なくエネルギー補給できる朝食メニューをまとめてみました。

おすすめ朝食リスト

  • バナナ → 柔らかくて甘みもあり、サッと食べられて満足感も◎
  • ヨーグルト → 冷たさで痛みも和らぎやすく、消化も良好
  • 豆腐入り味噌汁 → 温かさと柔らかさの最強タッグ。ワカメも細かく刻んで◎
  • スクランブルエッグ → ふんわり食感で咀嚼ストレスほぼナシ
  • スムージー → 野菜や果物もまとめて摂れる救世主(でも繊維多めのものは裏ごし推奨)

ひと工夫:具材を細かくする or 具なしスープで流動食っぽく調整するのも手!

お昼の外食で選びやすいメニュー

外出中や職場のランチタイムでも、「なるべく装置に優しいものを選びたい…!」そんなあなたに、外食で比較的安全&満足できるメニューをご紹介。

外食でおすすめのメニュー:

  • 親子丼・玉子丼 → 柔らかさの極み。鶏肉も小さめで食べやすい
  • ミートソーススパゲティ(細麺) → ミンチ肉が中心で安心感アリ(でも麺は短く)
  • とろとろ系カレー → スプーンで食べられて噛む力いらず。具が大きい場合は潰してOK
  • オムライス → 中のご飯がケチャップで柔らかく、ふわふわ卵が守ってくれる
  • うどん(温) → 細め、やわらかめの麺をチョイスして。ざるうどんよりかけうどん派推奨

避けたい外食メニュー例:硬いパンのサンド系、ハンバーグでも“鉄板系”は要注意!

コンビニで買える柔らかいもの

コンビニごはんも選び方次第で矯正中でもストレスフリー。
忙しい時の味方になる、装置に優しい系アイテムはこちら。

おすすめコンビニ食材:

  • 茶碗蒸し:たんぱく質もとれる最強スムース系。温めて胃も喜ぶ
  • ロールキャベツ(煮込み系):トロッと煮込まれたタイプなら咀嚼ストレスほぼゼロ
  • スープパスタ(カップ入り):柔らかく煮込まれた麺は神。冷めると硬くなるので注意
  • プリン・ゼリー・ヨーグルト系:痛みMAX時のレスキューごはん
  • スープジャー系商品(コンビニスープ):具が小さくて飲みやすい

注意ポイント:「噛まずに飲む系」に頼りすぎると栄養バランスが偏るので、歯ごたえのあるものも時々は食べましょう。

NGメニューリスト

「これだけは避けたい or 工夫して!」という食材や料理もチェックしておきましょう。

NGメニュー例 理由
お餅・キャラメル 装置にくっついて外れのリスク大
ナッツ・せんべい・バゲット 噛む力が必要&装置に衝撃を与えやすい
するめ・ビーフジャーキー 長時間咀嚼が必要で顎への負担も重め
糸こんにゃく・えのき・麺類 装置に絡まりやすく掃除が大変
生野菜(繊維の多い系) 水菜・ネギ・ニラなどは絡みやすい&切れにくい

  ひとことアドバイス:「どうしても食べたい!」ときは小さくカット or 加熱調理で柔らかくしてから食べると◎

裏側矯正で食べにくい食べ物・気をつける食べ物

裏側矯正の装置が外れたり壊れたり、装置に絡まりやすい食べ物はどのようなものでしょうか。

1.装置が外れる、壊れる

餅

歯にくっつきやすいお餅やキャラメルなどは装置にもくっつき、噛んでいる間に装置が外れてしまうことがあります。

他には、硬い食べ物も力を入れて噛まねばなりませんので、装置が外れたり壊れたりすることがあります。硬い食べ物の例としては、ピーナッツなどのナッツ類や、バゲット、おせんべい、するめ、りんご、ステーキなどです。これらの食品は避けていただくか、小さく切ったり調理を工夫したりしてお召し上がりください。

2.装置にからまる

水菜

繊維質の多い野菜等は、装置に絡まってしまい、取るのに苦労します。水菜、ニラ、ネギなどの野菜や、野菜以外にもえのきや糸こんにゃく、麺類は絡まりやすいため、細かく切って召し上がるか、矯正装置がついている間は避けていただいた方が良いでしょう。

また、矯正治療中は歯が動いていますので、歯と歯の間に隙間が空いて、食べ物が挟まりやすくなります。上記の絡まりやすいもの以外に、肉やお刺身も装置に絡まったり歯の間に挟まりやすいのでご注意ください。

矯正治療中で痛みが強かったり、うまく噛めない時におすすめの食べ物

裏側矯正では、1~2ヶ月に一度の来院時に、ワイヤーを付け替えます。ワイヤーの交換をすると1~3日程度痛みを感じることがありますので、その際には出来るだけ柔らかい食事を選びましょう。

やわらかい食べ物

おかゆ

噛むと痛みがあるときには、柔らかい食べ物がおすすめです。具体的には、雑炊やおかゆ、柔らかめに煮たうどん、豆腐、卵料理、ひき肉を使った肉料理、野菜を柔らかく煮込んだスープなど。

食事がかなり辛い時に一時的に食べる物としては、スムージーやヨーグルトやプリン、ゼリーなどがあります。

調理の仕方を工夫しよう

料理治療中は、あまり強く噛まずに食べられるように柔らかく煮込んだ料理がおすすめです。

しかし、柔らかい食べ物ばかりでは歯ごたえがないために飽きてしまいます。更に、消化のためにはしっかりと噛んで唾液を出すことも大切です。

装置に慣れて痛みが引いて来たら、少しずつ普段の食事に近いものも混ぜて、様々な歯ごたえのものを食べてみましょう。

ただし、あまり硬い食べ物は、噛んだ時に装置が外れたり壊れたりする場合がありますので、硬すぎる食べ物は避けましょう。

裏側矯正で咀嚼しにくい理由

装置を歯つけた後、ものが噛みにくくなる理由は主に次のような点にあります。

1. 装置が舌に触れるため

裏側矯正は歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着します。そのため口内が少し狭くなり、ブラケットとワイヤーが舌に触れやすいため、舌の動きが制限されて、食べ物が噛みにくくなることがあります。

舌は食べ物を歯で噛みやすい位置に動かすのに重要な役割を果たしているので、この動きの制限は咀嚼に影響を与えます。

2. 装置への慣れが必要

裏側矯正を始めたばかりの時期は、装置が口内で異物感となりやすいため、普段とは異なる感覚に慣れる必要があります。慣れるまでの間は、ものが噛みづらく感じることが多いです。

3. 噛み合わせの変化


治療で歯が動いていく過程で、噛み合わせが変化し、上下の歯が上手く当たらなくなることが起こります。噛み合わせの変化により、咀嚼がしにくく感じることがあります。

4. 装置による不快感

装置が舌や口内の粘膜に触れることで、刺激や痛みを感じることがあります。この不快感が気になり、噛む動作に集中しにくくなることもあります。

これらの理由から、裏側矯正を始めたばかりの頃は食事の際に噛みにくい等の不便を感じることがありますが、多くの場合、時間が経つにつれてこれらの問題に慣れ、咀嚼に関する不快感は徐々に減少していきます。どうしても噛みづらい時は、矯正担当医に相談し、装置の調整を行ってもらうことで改善することがあります。

まとめ

歯のキャラクター

裏側矯正の装置を歯に付けてすぐや、ワイヤーを付け替えたりする調整した後は、痛みや違和感が出やすく咀嚼しにくくなります。そのため、硬い食べ物はさけて柔らかめの食べ物を召し上がってください。次第に装置に慣れてきて痛みも減ってきますので、そうなったら少しずつ普段の食事に近づけていきましょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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