インビザライン

インビザラインの治療中に食べ歩きは出来る?

インビザラインの治療中に食べ歩きは出来る?

食べ歩きは、生活の中での楽しみの一つです。インビザライン治療中でも食べ歩きは可能なのか、食べ歩きをする際に気を付ける点などについてご説明します。

インビザライン治療の基本ルール

インビザライン

インビザライン治療を成功させるためには、いくつかの基本ルールを理解しておきましょう。これらのルールは、よりスムーズに歯を動かして理想の歯並びへと近づけるためのものです。

1. 毎日22時間以上の装着

  • インビザラインは、1日22時間以上装着することが推奨されています。これにより、計画された治療プログラムに沿って歯が動き、歯並びが改善されます。
  • 食事や歯磨きの際にのみマウスピースを外し、それ以外の時間は必ず装着するようにしましょう。

1日22時間以上の装着が必要な理由

インビザラインが1日に22時間以上の装着を必要とする理由は、歯の移動を治療計画通りに進めるためです。

1. 連続して歯に圧力をかけるため

インビザラインは、特定の歯に対して軽い圧力をかけ続けることで、歯を少しずつ移動させていきます。この圧力をかけ続けるということが重要で、マウスピースを装着しないと圧力がかからないために、歯が動きません。1日22時間以上の装着は、この連続的な圧力を保つために必要です。

2. 治療が計画に沿って進むようにするため

インビザライン治療は、個々の患者に合わせてカスタマイズされた治療計画に基づいて進んでいきます。治療計画は、患者さんがマウスピースを指定された時間装着していることを前提として作成されます。装着時間を守らないと、治療計画通りに歯が動きません。

3. 治療計画通りの期間で治療を終えるため

指定された装着時間を守ることで、歯が動く期間期間を正確に予測することが可能になります。装着時間が足りない場合は、治療期間の延長や計画通りに歯が動かないという結果をもたらす可能性があります。

4. 歯と周囲の組織の適応

歯を移動させる時には、歯の動きに従って歯根の周囲の骨組織が壊され、再形成する必要があります。マウスピースを装着し続けることによって、この適応プロセスがスムーズに進み、歯が新しい位置に安定しやすくなります。

装着時間と治療成果の関係

・装着時間が短い場合

装着時間が足りないと歯の移動が遅れるだけでなく、治療効果を低下させる原因となります。マウスピースの装着時間が足りないせいで歯が期待通りに動かない場合、追加の治療や調整が必要になることがあります。

インビザライン治療の装着時間が長いのは、治療効果を確実にするためのものであり、美しい歯並びに整えていくための重要なポイントです。

装着時間が守れなかった時はどうする?

カレンダー

外食の時間が長くなり、インビザラインの装着時間が足りなくなった場合は、次のアライナーに付け替えるまでの日数をいつもより長く取ります。旅行などの間、装着時間が何時間くらい足りなかったかを合計で考えて、アライナーの交換までを延長する日数を決めましょう。

2. 定期的なマウスピースの交換

  • 歯科医師の指示に従って、定期的にマウスピースを交換します。1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換します。
  • 交換のタイミングは、治療計画に基づいているため、正確に守ることが大切です。

3. 適切なお手入れ

  • マウスピースは、毎日洗う必要があります。食事の後や就寝前に、マウスピースを清潔な水で洗い、柔らかいブラシで優しくブラッシングしましょう。
  • 歯磨き粉はマウスピースを傷つける可能性があるため、使用しないようにしましょう。

4. 食事中のマウスピースの取り外し

  • 食事中は必ずマウスピースを取り外してください。食事中にマウスピースを装着すると、マウスピースが損傷したり、清潔に保つことが難しくなります。
  • 食事中は、専用のケースにマウスピースを保管することをお勧めします。

5. 定期的に歯科医師のチェックを受ける

  • 治療の進行状況を確認し、治療計画通りに治療が進んでいるかを確認するために、定期的に歯科医師の診察を受けることが大切です。
  • 治療中に不明点や不安がある場合は、歯科医師に相談しましょう。

注意点

  • インビザライン治療中で、歯に痛みが出ている時は、硬い食べ物を避けましょう。
  • 色素の強い飲食物は、歯を着色させ、歯からマウスピースにも色がうつる可能性があるため、注意が必要です。

インビザライン治療中のこれらの基本ルールを守ることで、より効果的でスムーズな治療が可能になります。

インビザライン治療中に食べ歩きを楽しむためのポイント

女性

食べ歩きを楽しむためには、マウスピースの適切な取り扱いが必須です。まず、食事前には必ずマウスピースを取り外し、専用ケースに保管しましょう。また、食べやすく、かつ清掃が容易な食品を選ぶことも大切です。例えば、柔らかい食品や流動食などがおすすめです。

1. 食べ歩き中のインビザラインの取り外しと再装着

  • インビザラインは取り外しが可能ですが、食事中は必ず外してください。外したインビザラインは、専用のケースに入れて衛生的に保管しましょう。
  • 食後は、口の中を水ですすぎ、インビザラインを再装着する前にも清潔に保つことが大切です。外出中であっても、出来るだけ食後の歯磨きとインビザラインの洗浄を行うことが好ましいです。

2. 食べ歩き中の食べ物の選び方

  • インビザライン治療中に食べ歩きを行う場合は、粘着質で歯にくっつきやすい食べ物を避けましょう。粘着性の食べ物は歯に残りやすく、そのまま歯磨きせずに再度インビザラインを装着すると、虫歯の原因になるためです。食後の歯磨きとマウスピースの洗浄が可能な場合は、粘着質で歯に残りやすい食べ物を食べても大丈夫です。

3. 色の濃い飲み物はマウスピースの着色に注意

  • 飲み物の飲む場合は、水などの透明な飲み物以外はマウスピースを外しましょう。飲み物を飲んだ後に歯磨きを行えない場合は、水を飲んで口内を軽くすすぎます。
  • 食べ歩きをする際には、色の薄い食品を選ぶか、色素の強い食品を食べた後は、速やかに口をすすぐことが大切です。
  • 色の濃い飲み物の場合、ストローを使うとマウスピースが着色しにくいかと思われがちですが、やはり着色は起こりますので注意しましょう。

4. 携帯用ケアキットを持ち歩く

  • 携帯用の小さな歯ブラシや歯磨き粉、インビザライン専用のクリーナーを持ち歩くことで、どこでもケアが可能になります。
  • 食べ歩きをした後は、できるだけ早く歯を磨き、インビザラインも洗って清潔に保つようにしましょう。

5. 疑問があれば歯科医に相談する

  • インビザライン治療中の飲食に関して何か不安な点があれば、早めに相談し、治療に支障が出ないようにしましょう。

インビザライン治療中でも、これらのポイントを押さえることで、食べ歩きを楽しみながら治療を続けることができます。食事は楽しみの一つです。インビザライン治療を成功させつつ、美味しい食べ物を心から楽しんでください。

食べ歩き中のマウスピースのお手入れ方法

インビザライン一式

食べ歩き中でも、インビザラインのケアを怠ってはいけません。食事の後は、水で口をすすぎ、可能であれば歯を磨いてマウスピースもきれいに洗ってから装着しましょう。また、外出時には携帯用のケアキットを持参すると便利です。

1. 食事前の取り扱い

食べる前には必ずマウスピースを取り外し、清潔な専用ケースに保管してください。ケースを使うことでマウスピースを衛生的に保つことができます。

2. 食後の口のケア

食後は、口の中を水で軽くすすぎます。可能であれば、軽く歯磨きをして食べ物のカスを取り除き、マウスピースを装着する前に口内を清潔に保ちましょう。

3. マウスピースの清掃

マウスピースを再装着する前に、水で軽くすすぐことをお勧めします。柔らかい歯ブラシで優しくブラッシングするとよいでしょう。普通の歯磨き粉の使用はマウスピースを傷つける可能性があるため、避けるようにしましょう。

4. 携帯用ケアキットの活用

携帯用の小さな歯ブラシや、口をすすぐための水、マウスピースを清潔に保つための専用ケースを常に携帯しましょう。ケアのための歯ブラシなどを常に携帯することで、どこでも簡単にお口やマウスピースのケアを行うことができます。

5. マウスピースの乾燥

洗浄後にマウスピースを専用容器に保管する時は、マウスピースを自然乾燥させることが大切です。直射日光を避け、清潔な布やティッシュペーパーの上に置いて乾かしましょう。

すぐに再装着する場合は、マウスピースが濡れたままで歯に装着しても大丈夫です。

6. 定期的にマウスピースを丁寧に洗う

週に一度程度、マウスピース専用のクリーニングタブレットを使用して丁寧にマウスピースの洗浄を行うと良いでしょう。マウスピースに付着した細菌や汚れを効果的に除去できます。

注意点

マウスピースは熱に弱いため、熱いお湯を使っての洗浄は避けましょう。また、強い力でブラッシングしたり、通常の歯磨き粉を使って擦ると、マウスピースの表面に傷がつくことがあります。

インビザラインのマウスピースをきれいに洗浄することで、お口の中を清潔に保ち、食べ歩きを楽しみながらも、治療を快適に進めることが出来ます。

まとめ

インビザライン治療中も食べ歩きを十分に楽しむことは可能です。治療の基本ルールを守りつつ、食事前後のマウスピースの適切な管理や、食後のお口のケア、食品の選択など、少しの注意と準備をすることで、日常生活における楽しみを我慢することなく治療を続けることができます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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