歯列矯正では、出っ歯による横顔のコンプレックスを解消させることが出来ます。横顔がきれいになる出っ歯の矯正治療についてご説明します。
目次
横顔の美しさを示すEラインとは?
Eラインとは横顔の美しさの基準となるもので、顔を真横から見た時の、鼻と顎先の先端を結んだラインのことをいいます。
Eラインの上に上下の唇が乗っている、または、ラインの内側に収まっているのが、美しい横顔といわれています。
ただし、Eラインは欧米人の横顔を基準として提唱されたものですので、日本人にはそのまま当てはまりにくいともいえます。
矯正治療で出っ歯を引っ込める方法
歯列矯正で出っ歯を引っ込めて横顔のコンプレックスをなくすには、主に3つの方法があります。
- ワイヤー矯正
- 裏側矯正
- マウスピース矯正
ワイヤー矯正
一番古くからある治療方法で、歯の表側にブラケットと呼ばれる小さなボタンのような装置を貼り付け、そこにワイヤーを通して歯に力をかけて、歯を動かしていく方法です。
装置は治療が終わるまでつけたままになり、完全に治療が終わるまでには2年程度かかる方が多いです。
ワイヤーとブラケットが目立つのが、ワイヤー矯正のデメリットですが、近年では白いワイヤーとブラケットが良く使われるようになり、あまり目立たなくなりました。
裏側矯正
ワイヤーとブラケットを歯の裏側につけるのが裏側矯正です。当院ではインコグニトという名称のワイヤーとブラケットを使っています。
インコグニトはオーダーメイドで作られますので、患者さんの歯の裏側にフィットし、従来の裏側矯正の装置よりも薄いのが特徴です。また、歯の裏側に付けますので、他人から見えにくいこともメリットです。
出っ歯はワイヤー矯正よりも裏側矯正での治療がやや適しています。
マウスピース矯正
透明な樹脂製のマウスピースを段階的に付け替えながら歯並びを整えるのが、マウスピース矯正です。当院ではインビザラインという名称のマウスピース矯正システムを使用しています。
マウスピースは他人から見えにくく、人目を気にせずに歯並びを治療することが可能です。1日の装着時間は22時間が推奨されており、装着時間が少なくなると治療計画通りに治療が進まない恐れがあります。
食事と歯磨きの際には、マウスピースを外すことが出来ます。抜歯矯正の場合は、ワイヤー矯正や裏側矯正の方が治療期間が短くなる傾向があります。
外科矯正で出っ歯を大きく引っ込める方法
上顎の骨格が前に出ているために、口元全体が前に出ているゴボ口の方は、矯正装置での歯の向きの移動だけでは、横顔がきれいにならず、横顔のコンプレックスの解消も出来ません。
当院ではセットバック手術と呼ばれる外科矯正を行っています。セットバックでは、上顎の小臼歯(4番の歯)を抜いて、その部分の骨を切除し、鼻の下から水平に骨を切って、前歯を骨ごと後ろに下げます。口元全体が下がりますので、お口の突出感が大きく減り、横顔がきれいに見えるようになります
また、下顎が下がっているために、相対的に上顎が前に出ているように見えるタイプの場合は、下顎オトガイ前方移動という手術を行います。下顎を前に出すことで、横顔をきれいに見せることが出来ます。
出っ歯の矯正では抜歯は必須?
軽度の出っ歯の場合は、抜歯せずに前歯の側面のエナメル質を僅かに削ってスペースを作り、そのスペースを利用して歯を動かします。
中度~重度の出っ歯の場合で、歯を大きく動かさなければならないときは、小臼歯を抜歯して歯を動かすためのスペースを作ります。
歯列矯正で歯を動かす場合は、必ず歯を動かすスペースが必要になりますので、歯並びを整えるためにどの程度歯を動かさなければならないかによって、抜歯が必要かどうかが決まります。
出っ歯の治療で抜歯はしたくないとおっしゃる患者さんもおられますが、抜歯が必要なケースで抜歯せずに矯正治療をすると、十分に出っ歯を後ろに下げられず、期待していたほどには横顔がきれいにならない場合もあります。
まとめ
出っ歯で横顔にコンプレックスがある方の矯正治療と外科矯正についてご説明しました。出っ歯のために横顔に自信が持てず、コンプレックスになっている方は、矯正装置をつけての治療か、もしくは外科矯正を行う必要があります。まずは、横顔のコンプレックスについてのカウンセリングを受けて頂くと、担当の矯正医より最適な治療をご提案させて頂きます。