部分的に気になる部分を治す部分矯正では、主に前歯8本の歯列を治します。口元が前にこんもりと出ている口ゴボの場合は、部分矯正で治るかどうかご説明します。
目次
口ゴボとは?
口ゴボは横顔を見ると口元全体がもっこりと前に出ているタイプの上顎前突(出っ歯)の状態をいいます。歯だけが前に出ているのではなく、上顎の骨格が前に出ているために、上顎全体の突出感があるのが特徴です。
口を閉じにくく、無理に口を閉じると下顎に梅干しのような皺が出来ます。
口ゴボは病気ではありませんが、見た目のコンプレックスを抱えている方が多く、上顎だけでなく下顎の骨格も前に出ているケースもあります。
どうして口ゴボになるの?
口ゴボは上顎、下顎の骨格が過成長していることが多く、その原因は骨格の先天的な遺伝によるものの他、おしゃぶりや指しゃぶりなどの癖によるものが考えられます。
癖によるものは、癖を治すことで口ゴボの悪化を食い止めることも可能です。
口ゴボは部分矯正で治る?
部分矯正は主に気になる前歯の歯列だけを治すことが多く、治すことが出来るのは前歯8本程度です。歯列をきれいにするには、歯を動かすためにスペースが必要です。
全顎矯正では小臼歯を抜歯してスペースを作りますが、部分矯正では前歯の両端を0.25~0.5ミリ程度削ってスペースを作ります。これをディスキング(スライス)といいます。
部分矯正は歯を3ミリ程度動かして歯列がきれいになるくらいの軽い不正咬合の場合に適用されます。そのため口ゴボの方の、口が前方にこんもりと盛り上がっているお悩みは、部分矯正では解決出来ません。
では、口ゴボはどうやって治すの?
口ゴボは部分矯正では治せません。それでは、全顎矯正をすれば治るのでしょうか? 口ゴボを治すための方法を2種類ご説明します。
抜歯を伴ったワイヤー矯正
前歯が傾いていて突出している場合は、小臼歯を抜歯して出来たスペースを利用して、ワイヤー矯正で前歯を後ろに下げます。前歯の角度を変えながら前歯を後ろに下げますので、突出感はかなり減ります。
外科矯正(セットバック手術)
出っ歯の矯正をしても口もとが前に出ている印象があり、もう少し引っ込めたい場合は、外科矯正を行って骨格にアプローチします。
どちらの方法がより患者さんに合っているかは、精密検査をして、矯正担当医が、どれだけ患者さんの前歯を下げる必要があるかを診断し、治療計画をたてます。
まとめ
口ゴボの場合、口元全体がこんもりと前に盛り上がっていますので、部分矯正で歯を内側に向けただけでは、あまり効果が期待出来ません。
小臼歯の抜歯をしてワイヤー矯正をするか、外科矯正(セットバック)を行うと、横顔の輪郭やeラインがきれいに整います。