部分矯正

部分矯正は歯を削る?デメリットはないの?

部分矯正は歯を削る?デメリットはないの?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

歯列矯正では、歯を動かすための隙間が必要になります。この隙間を作るために、主に5つの方法がありますが、部分矯正で使われるのは、前歯の両側をわずかに削る(ディスキング、ストリッピング)というものです。

部分矯正で歯を削ることについてご説明します。

部分矯正は前歯2本~8本程度を動かして歯並びを整えます

部分矯正で歯並びを整えるために移動できるのは主に前歯2本~8本程度です。歯を動かすためのスペースは、ディスキングで歯を削って出来るスペースのみとなります。そのため、歯の重なりが大きい場合や、八重歯、重度の出っ歯、受け口などの治療は、部分矯正では行うことが出来ません。

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部分矯正で歯を動かすための隙間を作る方法

歯列矯正で歯を動かす時には、歯を動かすためのスペースが必要です。

歯全体を動かす全顎矯正では、スペースを作るために抜歯をしたり、歯列を横に広げたり、歯全体を後ろに移動させたりします。

気になる前歯の歯並びを部分的に治す部分矯正では、歯の両端を削るディスキング(スライス、ストリッピング)を行ってスペースを作るのが一般的です。

ディスキング(IPR、スライス、ストリッピング)のやり方

歯を動かすスペースを作るために、歯の両端を削ります。エナメル質の分厚さは個人差がありますが、1ミリ~1.5ミリほどあり、ディスキングで削るのはそのうちの0.25~0.5ミリ程度です。

エナメル質が薄くなりすぎると、知覚過敏を起こして痛みが起こりますが、ディスキングではごく薄く削るだけで、削りすぎることはありません。そのため痛みはありませんのでご安心ください。

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部分矯正で歯を削るデメリットとは?

ディスキング(IPR)は、歯列矯正の際に、抜歯せずにスペースを作り出す方法の一つで、前歯の側面をわずかに削ることで、歯を動かすためのスペースを作ります。しかし、この手法にはいくつかのデメリットがあります。

1. エナメル質の損失

ディスキングにより、歯の最も外側にある保護層であるエナメル質を削ります。エナメル質は自然に再生しないため、この処理をするとエナメル質が薄くなってしまいます。

2. 知覚過敏のリスク

エナメル質が薄くなると、知覚過敏が起こり、歯の神経が冷たいものや熱いものに対して敏感になることがあります。これは、ディスキング後の一時的な副作用であることが多いですが、中には長期間にわたって痛みを感じる人もいます。

3. 噛み合わせの変化

ディスキングによって歯の幅が変わると、歯の噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。

4. 美的な影響

歯を削ることで歯の形が変わることがあり、これが見た目に影響を与える可能性があります。特に前歯の場合、微妙な形の変化でも印象の変化が生まれることがあり、審美的な結果に影響を及ぼす場合があります。

5. 削り過ぎのリスク

不適切なディスキングは、必要以上に多くのエナメル質を削除するリスクを伴います。これにより、歯が弱くなり、将来的な歯の健康を損なう原因となる可能性があります。

ディスキングは有効な手段であることが多いものの、潜在的なリスクやデメリットを十分に理解し、矯正歯科医とよく相談した上で決定することが重要です。

部分矯正で歯を削るデメリットについての質問

歯を削ったら痛くないの?

ディスキングでは1.5ミリの厚さのエナメル質の内の0.25ミリ~0.5ミリしか歯を削りませんので、削る時に痛みは出ませんし、削った部分が知覚過敏になる心配もありません。

歯を削ったらそこが虫歯になりやすくならないの?

ディスキングで歯を削った部分はザラザラで、汚れがたまりやすくなります。そのため当院では削った部分を磨いて滑らかな面にしますので、虫歯のリスクは低くなります。

歯を削ることで歯周病になりやすくならないの?

ディスキングで歯を削って出来たスペースだけ、歯を動かしていきます。そのため、歯を動かした後は、隣の歯との間が少し狭まり、間にある歯槽骨が少し薄くなります。このことが若干歯周病になりやすくなると考えられています。

部分矯正は歯を削るのかに関するQ&A

Q

部分矯正でスペースを作るために歯を削る際、どの程度歯を削るのですか?

A

部分矯正で歯を削る場合、通常はエナメル質の一部を削ります。このプロセスはディスキング(ストラッピング、スライス)と呼ばれ、歯を動かすスペースを作るために行われます。削る量は通常0.5ミリ以下で、歯にほとんど影響を与えません。

Q

部分矯正で歯を削ることのデメリットは何ですか?

A

歯を削ることにはデメリットもあります。削った歯面がザラザラしており、虫歯が発生しやすくなる可能性があります。エナメル質を削る量は最大でも0.5ミリであり、知覚過敏や歯の寿命の短縮は通常は起こりませんが、元々エナメル質が薄い方の場合、知覚過敏が起こる可能性があります。

Q

部分矯正のどの段階で歯を削るのですか?

A

部分矯正において、歯を削るタイミングは症状により異なります。歯の重なりや不正咬合が重度の場合、治療の初めに歯を削ることがあります。軽度の場合は、治療が進行した後に歯を削ることが一般的です。

まとめ

歯のキャラクター

ディスキング(スライス、ストリッピング)では、歯のエナメル質部分をほんの少し削って、歯を動かして歯並びを整える為のスペースを作ります。

矯正治療のためにディスキングで削るのは0.25ミリ~0.5ミリくらいで、数本削って合計で2~3ミリ程度の隙間を作ります。歯の重なりが大きいなど、それ以上に歯を動かす必要がある場合は、抜歯を伴う矯正となり、部分矯正ではなく全顎矯正となります。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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