部分矯正

部分矯正で歯並びを治すメリットを教えて

部分矯正で歯並びを治すメリットを教えて

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

気になる部分だけを治す部分矯正は、気軽に始められるのが魅力ですが、具体的にはどのようなメリットがあるのかご説明します。

部分矯正で歯並びを治すメリット

1. 治療期間が短い

部分矯正は歯を動かす距離が少ない、軽い不正咬合を治すための方法ですので、全顎矯正と比べると治療期間が短く、2ヶ月~数か月で治療が終了します。

2. 費用が安い

簡単な不正咬合を短い期間で治すため、治療費が全顎矯正と比べて安くなります。

3. 痛みが少ない

歯列矯正では歯を動かしていきますので、その際に歯に力がかかって痛みが出やすいです。

全顎矯正と比べると、部分矯正では動かす歯の本数、動かす距離が少ないため、矯正中の痛みが軽減されます。

4. 発音への影響が少ない

矯正装置を歯につけると、喋りにくい、発音しにくいことが多いのですが、部分矯正では矯正装置をつける歯の本数が少ないので、全ての歯に装置をつける場合と比べると、発音への影響も少なくなります。

5. 抜歯せず、歯を削るだけ

歯を動かすためには、スペースが必要です。全顎矯正の場合は小臼歯の抜歯によってスペースを作る場合が多いのですが、部分矯正では抜歯は行わず、ディスキング(ストリッピング、スライス)と呼ばれる、前歯の両側を少しだけ削る方法でスペースを作ります。

ディスキングで削るのはエナメル質の表面の0.25ミリ~0.5ミリ以内です。大きく削りませんので、知覚過敏を起こす心配はありません。

矯正装置を歯につけると、喋りにくい、発音しにくいことが多いのですが、部分矯正では矯正装置をつける歯の本数が少ないので、全ての歯に装置をつける場合と比べると、発音への影響も少なくなります。

部分矯正とは

部分矯正は、前歯などの目立つところを部分的にきれいな歯並びにする治療で、主に前歯2~8本程度の歯列をきれいに揃えます。

部分矯正で治療可能な不正咬合は、軽度のガタガタ、出っ歯、受け口などです。歯の重なりが大きい場合は部分矯正では対応出来ませんので、全顎矯正になります。

部分矯正で治療できる症例

部分矯正で治せる歯並びはどの程度の不正咬合なのかについてご説明します。

  • 軽度のガタガタした歯並び
  • 軽度の出っ歯
  • すきっ歯
  • 矯正後の後戻り

部分矯正では軽度のガタガタなど、簡単に治せる範囲の治療しか行うことが出来ません。横顔のEラインの改善までは期待出来ませんし、奥歯の噛み合わせも治せません。上の前歯だけ、下の前歯だけという治療は可能です。

部分矯正で歯並びを治すメリットに関するQ&A

Q

部分矯正と全顎矯正の治療期間の違いは何ですか?

A

部分矯正は歯を動かす距離が少なく、軽度の不正咬合を治すため、通常は2ヶ月から数か月で治療が終了します。一方、全顎矯正はより広範な歯の修正が必要で、治療期間は通常長くなります。

Q

部分矯正で歯を動かすためのスペースを作る方法について教えてください。

A

部分矯正では通常、歯を削る方法でスペースを作ります。この方法はIPR(ディスキング、スライス)と呼ばれ、前歯の両側をわずかに削ります。削るのはエナメル質の表面の0.25ミリ~0.5ミリ以内であり、通常は痛みや知覚過敏を引き起こす心配はありません。

Q

部分矯正で治療可能な不正咬合の例を教えてください。

A

部分矯正で治療可能な不正咬合の例には、軽度のガタガタした歯並び、軽度の出っ歯、すきっ歯、矯正後の後戻りなどが含まれます。ただし、部分矯正では横顔のEラインの改善や奥歯の噛み合わせの治療はできず、通常は上の前歯だけまたは下の前歯だけの治療に適しています。

まとめ

歯のキャラクター

部分矯正は気になる部分の歯並びの見た目だけを改善できるので、人気のある治療方法です。ただし、軽度の不正咬合しか治せませんので、治療前に担当医としっかりと話し合って、どの程度まで治るのかを見極める必要があります。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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