マウスピース

マウスピース矯正にもデメリットはあるの?

マウスピース矯正にもデメリットはあるの?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

人気のマウスピース型矯正装置による矯正治療には、メリットがたくさんありますが、デメリットはあるのでしょうか?メリット、デメリットの両方を知って理解した上で治療を受けていただくために、マウスピース矯正のデメリットについてご説明します。

マウスピース矯正のデメリット

1.マウスピース矯正は全ての不正咬合に適応しているわけではない

出っ歯やガタガタ(叢生)、八重歯、受け口など様々な不正咬合がありますが、マウスピース矯正でそれらの全ての歯並びの解決が可能なわけではありません。

マウスピース矯正は主に軽度~中程度の不正咬合に適している矯正装置です。歯並びがきれいに整うまでの歯の移動が少ない症例に適しており、抜歯を伴う矯正治療など、歯を大きく動かさなければならない場合はワイヤー矯正の方が向いているといえます。他にも顎が前後左右にずれていたり、歯と歯の重なりが重度の方の場合はワイヤー矯正をおすすめします。

https://www.osaka-kyousei.com/column/5637.html

2.マウスピース矯正は装着・交換の管理を自分で行わなければいけない

インビザライン

マウスピース矯正は毎日自分で付けたり外したり出来るので、それはメリットとも考えられます。しかし逆にいうと、自分でしっかりと毎日装着しなければ歯が動かないため、患者さん自身が矯正治療を続けようという意志が大変重要になります。

インビザラインは食事と歯磨きの際にマウスピース(アライナー)を外すことが出来ますが、アライナーを付けたり外したりすることが、固定式の矯正装置と比べて面倒だと感じる方もおられます。

外したアライナーをなくしたり壊したりしないように管理する必要がありますし、食事後にアライナーをつける前にはきれいに洗浄する必要があります。アライナーをつける前には歯磨きも必ず行わないと、虫歯になるリスクが高まります。

https://www.osaka-kyousei.com/column/1181.html

3.インビザラインは1日20~22時間の装着が必要

時計

マウスピース矯正では装置によって装着推奨時間が異なります。インビザラインの場合は20時間以上の装着が必要とされていますが、歯の後戻りを防ぐために、当院では22時間以上の装着をお願いしています。

マウスピースの装着時間が足りないと、治療計画通りに歯が動かず、既に動いた部分もわずかに後戻りを起こしますので、治療が長引く原因になります。途中でマウスピースがはまらなくなり、作り直しということも起こりかねません。

1日に22時間マウスピースをつけたままにするということは、1日にわずか2時間しか取り外しすることが出来ません。その2時間には食事のための時間、歯磨きの時間、アライナーを洗浄する時間が含まれることになります。

また、食事以外の間食時や、コーヒー、紅茶など、水以外の飲料を摂取する時もアライナーを外さなければアライナー内に液体が入り込み、アライナーの着色が起こったり、虫歯になるリスクが高まります。

4.マウスピースが作製されるまでに時間がかかる

マウスピース矯正のためのアライナーは全てカスタムメイドで、患者さん毎に作られます。インビザラインでは初診相談後、iTeroという器械で歯から直接歯型データを取り、担当医がクリンチェックというシステムで治療計画を作製して、患者さんにご説明し、それからアライナーが発注されます。

そのため実際に治療計画が完成してから患者さんの手元にアライナーが届いて実際に治療を開始するまでには2週間~1ヶ月程度の期間を要します。途中でアライナーを作り直すことになった場合も、同じくらいの日数がかかります。

5.ワイヤー矯正と比べると費用が高い

インビザラインとワイヤー矯正の比較

治療費を比較すると、マウスピース矯正よりもワイヤー矯正の方が値段が安い傾向があります。ただし、歯の裏側にワイヤーの矯正装置をつける裏側矯正はマウスピース矯正よりも一般的に価格が高くなります。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の比較

マウスピース矯正とは?

インビザラインアライナー

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを1日に規定時間装着して、歯を少しずつ動かして不正咬合を治していく歯列矯正の治療方法の一つです。マウスピースは透明で、つけていても目立たず、他人から気付かれにくいため、人に知られずに矯正治療を受けたい方に人気です。

歯科矯正用のマウスピース装置はさまざまなメーカーから販売されていますが、当院ではインビザラインを扱っていますので、インビザラインについてご説明していきます。

マウスピース矯正のデメリットに関するQ&A

Q

マウスピース矯正のデメリットは何ですか?

A

マウスピース矯正の主なデメリットは、全ての不正咬合に適用できないことです。軽度~中程度の不正咬合に向いており、重度の症例には適していない場合があります。

Q

マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて費用が高いと言えますか?

A

はい、マウスピース矯正は一般的にワイヤー矯正よりも費用が高い傾向があります。ただし、裏側矯正のワイヤー矯正は通常高価です。

Q

マウスピース矯正の主な特徴は何ですか?

A

マウスピース矯正は透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かし、不正咬合を治療する方法です。透明で目立たないため、他人に気づかれにくく、外見に配慮したい人に人気があります。

まとめ

歯のキャラクター

マウスピース矯正のデメリットについてご説明しました。実際に矯正治療を始めるに当たっては、患者さんの装置へのご希望はもちろん伺いますが、不正咬合の状態によってはご希望通りの装置を使用出来ない場合もありますので、まず矯正担当医によるカウンセリングをお受け下さい。現在の歯並びがどのような状態になっているのか、今後どのような治療方法が最適であるかをご説明します。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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