大阪・神戸を中心に17か所の矯正歯科を展開する『医療法人真摯会 大阪矯正歯科グループ』では、2022年に実施した前回調査に続き、2025年も歯列矯正を経験された患者様を対象に、治療に対する満足度に関する独自調査を行いました。
本調査は、矯正治療に関する患者様のリアルな声を通じて、今後の治療環境およびサービス向上を目的として実施したものです。
3年前の調査結果(満足度94%)をさらに上回り、今回は実に98%もの患者様が「満足」と回答されました。
矯正治療は決して安価ではなく、治療中には痛みや不便さなどのご苦労も伴います。
それでも、最終的にこれほど多くの方が満足を感じてくださっていることは、矯正治療が患者様の人生に確かな価値をもたらす医療であることを改めて示す結果となりました。
およそ86%の方が「80点以上」と高い評価を付けている一方で、前項の「矯正してよかった」と回答した98%との間には12ポイントの差が見られました。
この差には、「矯正してよかったけれど、○○が大変だった」といったように、満足の中にも苦労や不便を感じた実体験が反映されていると考えられます。
12歳未満が対象となる小児の1期矯正は23%、15歳ぐらいまでに行う2期矯正を含めた小児矯正全般が35%で、残り65%は成人矯正でした。
3年前の調査時は半々ぐらいでしたので、昨今大人の矯正の需要が増えている事が読み取れます。
回答が分かれる結果となりましたが、歯や口元といった“見た目の改善”を目的とした方が全体の約63%を占めました。
中でも「出っ歯」の改善を挙げた方が最も多く、「受け口」や「上下前突(口ゴボ)」を大きく上回る結果に。
出っ歯は矯正によって改善できるという認識が広く浸透していることがうかがえます。
一方で、「噛み合わせ」など機能面の改善を目的とした回答は27%にとどまり、矯正治療を受ける動機としては依然として“見た目の改善”を重視する傾向が強いことが分かりました。
やはり矯正は全体的に高額でした。
66万円以上が67%と3分の2をしめ、さらに91万円以上という高額な費用をお支払いされた患者様が全体の50%もいました。
費用負担は決して小さくありませんが、今回の満足度98%という結果を踏まえると、多くの方が「納得できる結果を得るための高額投資」として受け止めていることがうかがえます。
小児矯正の場合、費用を負担する親が治療を勧めるケースが多いのは自然なことです。
しかし、前項で示した小児矯正の割合(35%)を踏まえると、「親に言われた」と回答した割合はむしろ少なく、多くは本人自身が歯並びを気にして治療を検討したことがうかがえます。
加えて、「歯科医院で勧められた」という回答も比較的多く、プロからの提案が治療を始める大きな後押しとなっていることも明らかになりました。
高額な治療とはいえ、半数以上の患者様が6ヶ月以内に治療を開始しているようです。
気になり始めたらすぐに行動に移さないとモチベーションも保てないのでしょう。
成人矯正に限定して調べました。
15年以上前に矯正治療を受けた方も少なくありませんでしたが、それでも約8割の方が、治療を始める前にホームページを閲覧し、十分に情報を収集してから決断していたことが分かりました。
過去5年に治療開始された方を限定しましたが、3年前の調査と同様に、今回も情報収集の中心は検索エンジンであることが分かりました。
一方で、「人づて」で情報を得た割合はやや減少し、その分「Instagram」や「Googleマップ」を活用して情報を探す人が増加しています。
情報源の主軸は変わらないものの、SNSや地図サービスなど、デジタルツールを活用して評判を調べる行動が、より一般的になっている傾向がうかがえます。
成人矯正に限定して調べました。最も多かったのは「通いやすさ(立地・アクセス)」で全体の24%を占め、日常生活の中で無理なく通える環境が重視されていることがわかります。
次いで多かったのは「評判の良さ」「ネット口コミの良さ」で、第三者的な評価を求められる傾向が見られました。
また「料金の明朗さ・比較的安価」や「専門性・資格・実績」も上位に挙げられ、費用面と技術面のバランスを考慮している人が多いようです。
一方で「かかりつけ・家族の通院歴」や「紹介による安心感」といった、人的なつながりを理由とする割合は比較的少数にとどまりました。
現代の成人矯正ではネット情報とアクセスが医院選びの中心的要素となっていることがうかがえます。
最も多かったのは「自宅から電車・車で通える範囲」で38%を占めました。
生活導線上の立地を答えた患者様も多いものの、治療技術の向上により通院頻度はさがってきておりますし、多少距離があっても、通いやすさと医院の信頼性・専門性を両立させたいという意識がうかがえます。
最も多かったのは「表側ワイヤー矯正」で47%を占め、依然として矯正治療のスタンダードとして選ばれていることが分かります。
次いで「マウスピース矯正」が38%と高い割合を示し、3年前の調査から倍以上に増加しました。
ただし、本調査は矯正治療の経験者を対象としているため、現在の最新トレンドをそのまま反映しているわけではなく、過去の傾向を含む結果である点には留意が必要です。
現在の矯正装置のトレンドを把握するため、過去5年間に矯正治療を開始した患者様を対象に調査を行いました。
その結果、「マウスピース矯正」が50%で最も多く、「表側ワイヤー矯正」(38%)を上回る結果となり、装置の主流が逆転したことが明らかになりました。
マウスピース矯正の普及により、見た目や装着感への抵抗が軽減され、これまで矯正をためらっていた人々の治療開始を後押ししていることがうかがえます。
「丁寧な説明・分かりやすい対応」が最も多く23%を占めました。治療の流れやリスクまで誠実に説明してくれる姿勢が、信頼感につながっているようです。
次いで「優しい・親切」「信頼できる・安心感」が続き、「治療技術の高さ」はやや低め。「事務的」などのマイナス体験も多く、技術面よりも患者様との人間的な関わりや安心感を重視する声が多く寄せられました。
等。
多くの内容は技術面の問題というよりも、配慮や対応の不足に起因するものであり、歯科医院として日頃から細やかな心配りを意識すべき点ばかりといえます。
最も多かったのは「痛みや違和感」に対する不安で、費用や治療結果への不安を上回る結果となりました。
さらに、矯正中の見た目を気にする声も多く寄せられており、近年主流となりつつあるマウスピース矯正が持つ「目立たない」「痛みが少ない」「食事中に外せる」といった特徴が、これまで多くの患者が求めてきた要素であることが改めて浮き彫りになりました。
ワイヤー矯正限定で調査しました。
最も多かったのは「食事の不便さ」で22%、固いものや繊維質の食材が噛みにくい、器具に食べ物が挟まるといった声が多く、日常の食事制限が大きな負担となっている様子がうかがえます。
次いで「痛み・違和感」「歯磨き・口腔ケアの大変さ」が続き、物理的な不快感や衛生管理の難しさも課題として挙げられました。
また、「見た目・発音への影響」や「精神的ストレス」など、心理的な面での負担を感じる人も少なくありません。
全体として、ワイヤー矯正は効果の確実性が高い一方で、“食事・痛み・ケア”の3点が患者にとって最も大きなハードルとなっていることが明らかになりました。
マウスピース矯正限定の調査です。
最も多かったのは「人前での食事や間食のしにくさ」で21%を占めました。食事のたびにアライナーを外す必要があるため、外出時や会食時に気を遣う場面が多いことが分かります。
次いで「装置の着脱管理」や「歯磨き・口腔ケアの手間」が続き、取り外し型ならではの管理の煩雑さが課題として挙げられました。
また「痛み・違和感」を感じた人の割合はワイヤー矯正のおよそ半分程度にとどまり、マウスピース矯正の方が痛みが少ない傾向にあることが分かりました。
全体として、マウスピース矯正は管理の煩わしさが最大の不便要素のようです。
「見た目・顔の印象が改善した」「自信が持てるようになった・笑顔が増えた」だけで40%を占めました。
見た目の改善が自己肯定感の向上につながっていることがうかがえます。
次いで「心理的コンプレックスが解消した」と続き、「周囲から褒められた・評価が上がった」もあわせると、審美面・心理面の変化を実感している人がトータル60%以上を占めました。
逆に「歯磨き・口腔ケアがしやすくなった」「噛み合わせ改善」など機能面の変化を感じている患者様は23%のみ。
やはり目的も結果も見た目に関わる割合が大きいようです。
また「後悔・不満の方が大きい」を選んだ患者様が6人しかいなかった事も、矯正の満足度を裏付ける結果となりました。
調査結果は以上となります。いかがでしたでしょうか?
多くの患者様が矯正治療に高い満足を感じておられることは、非常に喜ばしい結果であり、日々の技術研鑽の成果が確実に患者様の笑顔につながっている証といえます。
一方で、治療の過程では不安や不便さを感じたという声も少なくありませんでした。
今回の調査を通じて、矯正治療は「人と人との関わり」で成り立つものであり、技術力の向上だけでなく、患者様一人ひとりに寄り添う姿勢や思いやりのある対応がいかに大切かを、改めて実感する結果となりました。
A. 本調査では「矯正してよかった」が 98%(291/297人)でした。満足度スコアでも「80点以上」が合計約86%です。
A. はい。開始年齢の分布から、成人矯正が65%を占め、小児矯正(12歳未満+12〜15歳の計35%)を上回りました(3年前は概ね半々)。
A. 過去5年以内開始の層では、マウスピース矯正が50%で最多、表側ワイヤーは38%でした。全体では依然として表側ワイヤー47%が最多ですが、直近トレンドはマウスピース優位です。
A. 66〜90万円が17%、91〜110万円が31%、111万円以上が19%でした。66万円以上が合計67%です。
A. 「気になってから6か月以内に開始」が53%(3か月未満31%+3〜6か月22%)でした。
A. 過去5年以内では検索エンジンが45%で中心でした。ほかにInstagram7%、Googleマップ8%などを参照。成人矯正では事前にHPを見た方が81%でした。
A. 通いやすさ(立地・アクセス)が24%で最多。次いで評判12%、ネット口コミ11%、料金の明朗さ10%、専門性9%などでした。
A. ワイヤーは「食事の不便さ」22%、「痛み・違和感」16%、「口腔ケアの大変さ」15%が上位でした。マウスピースでは「人前での食事・間食のしにくさ」21%、「着脱管理」18%、「口腔ケアの手間」13%で、痛みは8%とワイヤーより低めでした。
A. 「自信が持てた・笑顔が増えた」21%と「見た目の改善」19%で計40%。心理面の変化(コンプレックス解消13%など)も含めると60%超が審美・心理的メリットを実感しています。